ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 856
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041913055

作品紹介・あらすじ

人気絶頂のロックシンガーの一曲に、女性の悲鳴が混じっているという不気味な噂。その悲鳴には切ない恋の物語が隠されていた。表題作のほか、日常の周辺に潜む暗闇、人間の危うさを描く名作を所収。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫版で再読。
    世にも奇妙な物語的な幻想的な話もあり、犯人側からの倒叙モノあり。シリーズものは含まない短編集。
    どの話も素敵。
    特に好きなのは「落とし穴」と「夜汽車は走る」、そして表題作かな。
    ショートショートの「幸運の女神」も好き。

    表題作はコンサートの描写が素敵で、是非ともまたこういうシーンのあるお話を読ませていただきたい。ロミオが主人公を部屋に招いてまで語ったのは、消えないジュリエットへの後ろめたさを誰かに吐き出したかったからなのかな。
    最後のロミオの悲鳴が切ない。

  • 2022/11/2読了(再読)
    初読は、おそらく2001年。有栖川有栖のノンシリーズものの短篇集を読んだのは、これが初めてだったのではないか?

  • 有栖川有栖の短篇ミステリ小説集『ジュリエットの悲鳴』を読みました。
    有栖川有栖の作品は昨年6月に読んだ『暗い宿』以来ですね。

    -----story-------------
    読者諸君へ、12の挑戦状! 
    めくるめく謎と恐怖とブラックユーモア……有栖川有栖がおくる、異色にして華麗なるミステリ短編集! 
    人気絶頂のロックシンガーの一曲に、女性の悲鳴が混じっているという不気味な噂が…・。
    その悲鳴には切ない恋の物語が隠されていた。
    表題作の他、日常の周辺に潜む暗闇、人間の危うさを描く名作を所収。
    新本格ミステリの旗手、有栖川有栖の短編、ショートショート12作品を集め、スタンダードなアリバイ・トリックからギャグ・ミステリまで、バラエティに富んだ短編とショートショート十二作品を収録し、有栖川有栖の魅力の全貌を伝える傑作ミステリ集。
    -----------------------

    1990年(平成2年)から1998年(平成10年)に発表された短篇、ショートショートのうち単行本未収録で、シリーズ・キャラクターが登場しないものばかり12篇を収録した作品です。

     ■落とし穴
     ■裏切る眼
     ■Intermission1:遠い出張
     ■危険な席
     ■パテオ
     ■Intermission2:多々良探偵の失策
     ■登竜門が多すぎる
     ■Intermission3:世紀のアリバイ
     ■タイタンの殺人
     ■Intermission4:幸運の女神
     ■夜汽車は走る
     ■ジュリエットの悲鳴
     ■あとがき
     ■文庫版あとがき
     ■解説 福井健太

    めくるめく謎と恐怖とブラックユーモア…… スタンダードなアリバイ・トリックからギャグ・ミステリまで、バラエティに富んだ短篇とショートショートが収録されていました… そんな中で最も印象に残ったのは、ミステリ作家を主人公に、ミステリネタのギャグが詰め込まれた爆笑モノの『登竜門が多すぎる』かな、、、

    ホントに笑えましたねー 特にミステリネーミング機「名付け親(ゴッドファーザー)」に出てくる不適タイトルは爆笑でしたね… 同じく作家を主人公にした作品として天啓を待つ小説家のイメージをシニカルに描いた『パテオ』も収録されており、自虐ネタ?として愉しめました。

    あとは、

    意外な落とし穴により、殺人犯の計画が破綻するプロセスを描いた倒叙ミステリでブラックユーモア的な『落とし穴』、

    列車内での毒殺トリックを扱い、作家の妻が夫に対して「爪が甘い、と言っていた審査員の先生もいたわ」というゾクっとするひと言で幕を閉じる『危険な席』、

    夜汽車に揺られながら語り手が回想する断片的なストーリーから浮かび上がる語り手の半生… 謎と解明を独特の雰囲気で愉しめる『夜汽車は走る』、

    の3篇が印象に残ったかな… 日常の周辺に潜む暗闇、人間の危うさを描く愉快で奇妙、美しくも危険な12篇を愉しめました。

  • いろんなパターンの短編が入っていて、最後まで飽きなかった

    有栖川有栖の文章は、個人的にすごく読みやすいと思う

  • お恥ずかしながらこの人の作品はシリーズ物ばかり読んでいて、この作品を読んだ切っ掛けが「幻坂」や「赤い月、廃駅の上に」などのシリーズ物以外を読んで「こういう小説も面白い!」と思ったからだったり。 個人的には「夜汽車は走る」と「ジュリエットの悲鳴」が好み。両作品とも登場人物の悲哀や感情の起伏が上手い具合に描写されているところが好き。ミステリ的な感じとしてクスッときたのは「世紀のアリバイ」かな。

  • 普段読んでいるシリーズとは全く違い、正直面喰いました。でも読んでいるうちにこの不思議な短編ひとつひとつに引きずり込まれ、いくつかは余韻を楽しんで初めから読み直したものも。推理小説というより綺麗なオチのついたショートショートと思え、この作家さんのすごさを感じました。たまにはこういうのもよいです。ただ、私の好みはやっぱりシリーズの方かな…。

  • 2019/4/21

  • 小説

  • ショートショートを含む十二編が収録されたノンシリーズの短編集。
    有栖川さんらしいロジカルな推理は控えめなので、そちらを期待された方は肩透かしかもしれません。
    ですが、シリーズものでは味わえない雰囲気を持つ作品もあり、バラエティに富んだ内容が楽しめる一冊だと思います。
    印象に残った作品は「パテオ」、「登竜門が多すぎる」、「ジュリエットの悲鳴」の三編。
    特にパロディ要素満載の「登竜門が多すぎる」には大いに笑わせていただきました。
    あとがきで触れられていた本格的なロック・ミステリは私も是非読んでみたいです。

  • ノンシリーズの短編集。

    落とし穴


    裏切る眼


    遠い出張


    危険な席


    パテオ


    多々良探偵の失策


    登竜門が多すぎる


    世紀のアリバイ


    タイタンの殺人


    幸運の女神


    夜汽車は走る


    ジュリエットの悲鳴

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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