暗い宿 (角川文庫)

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著者 : 有栖川有栖
  • 角川書店 (2003年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041913079

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有栖川 有栖
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暗い宿 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 宿縛りの短編集。
    『暗い宿』
    廃線になった(正確には違う)線路を散策するうち引き始めていた風邪を悪化させたアリスは引き払う寸前の宿に助けを求める。一夜、横になれればいいと懇願する病人を放っておけず、一夜の宿を貸してくれた元女将。風邪薬も手伝って夢現の夜中、アリスは階下で不審な音を聞く。その音の正体は?--後日壊された宿の床下から男の死体が掘り起こされた。
    『ホテル・ラフレシア』
    ホテルのミステリーゲームのモニターとして片桐に連れられてやってきた石垣島の高級ホテル。火村も同行していたそのホテルで、ミステリーのイベントが盛大に行われている同じ夜、火村は浜辺で一組の夫婦と出会う。奥さんのほうが倒れており、夫はその隣で口の中で何かを咀嚼していた。--彼らの間に何が。
    『異形の客』
    一仕事終えたアリスが足を運んだ小さな温泉宿では、包帯をぐるぐる巻きにし、サングラスにマスク姿の男が泊まっていた。男が翌日散歩から戻ってこない間に、男が泊まっていた離れの部屋で若い男が殺されているのが見つかる。包帯の男の意味は?--人の顔についての考察が事件を紐解く。
    『201号室の災厄』
    それぞれの用事で東京で落ち合った二人。火村は同僚から譲り受けた優待券でいつもはけして泊まらない高級ホテルに泊まっていた。気分が高揚していつもより飲んだ酒のせいで一つ下の部屋に間違って入ろうとした火村は、外国人に腕を掴まれ、部屋が間違っていることに気付く。そしてその外国人が、今来日しているロックミュージシャンだと気付く。それが彼の不運の始まりだった。--ミュージシャンの部屋で死んでいた女。彼女を殺したのは…

    少し薄暗く、ほのかに明るい。有栖川さんらしい短編集。やわらかな文体がほんとに好き。それでも情景の描写はかっちりとしている、ギャップも。アリスのうっかりした性格がちょこちょこ。一番好きなのはホテル・ラフレシア。物悲しい終わりがミステリらしい。

  • 短編集。「作家アリス」シリーズ10作目。
    「異形の客」
    人目を引く格好をしていれば、当然人々の記憶にも残る。
    包帯男の中が誰なのかはわからなくても、包帯を巻いた人間がいたことだけは確かだ。
    「自首するんじゃないよ」
    火村が犯人に向けて言い放つこのひと言が、彼の深い怒りを表している。
    策士、策に溺れるといった感じの事件だったが、犯人の酷薄さが際立つ物語だった。

    いろいろなテイストの物語が収録されている短編集である。
    ホラー風味あり、サスペンス風味あり、ミステリー風味あり。
    どれも違う味付けで読んでいて楽しかった。

  • 短編集。
    「暗い宿」
    「ホテル・ラフレシア」
    「異形の客」
    「201号室の災厄」

  • 廃線をたどって訪ねた先でー暗い宿
    南の島の楽園にてーホテル・ラフレシア
    鄙びた温泉宿に現れた包帯男ー異形の客
    ロック・スターと鉢合わせー201号室の災厄

    上記四本を収録。
    異形ーと201-はドラマになってましたね。
    最近やっと火村先生の推理のおもしろさが染みるようになりました。あらゆる可能性から論理的に不可能なものを削ぎ落としていって、一つの真実にたどり着く。
    これまではアラアラって感じで手品みたいに謎がとかれてしまって、キャラクターや雰囲気は好きなのに推理そのものは「?」ってなってたんですが。
    今回の四本で一番好きなのは「暗い宿」です。
    洞察、論理、それだけで真実を曝け出す。
    タイトル通りの暗さも好みでした。

  • 作家アリスシリーズ#10

  • 尺がちょうど良さそうでかつ謎がコテコテながらも驚きに溢れた『異形の客』が好き。どれもラストがもの悲しい

  • “宿(やど)”にちなんだ短編集。
    廃業したボロ宿あり、セレブ御用達の超豪華なホテルあり!

    『暗い宿』
    山歩きの帰りに体調を崩し、アリスが投宿を求めた宿は…
    こういう、旅人が偶然たどり着いた宿っていうのは、昔話も含めて、いわくつきですよね。

    『ホテル・ラフレシア』
    いろんな事が同時進行。
    「トロピカル・ミステリー・ナイト」という犯人当てクイズのツアーに、編集者のお供で(火村先生は更にそのオマケ)モニターとして参加したアリス。
    アリスの頭の中には、ずっと「ホテル・カリフォルニア」が流れている。
    サビの部分しか知らなかったけれど、不思議な歌詞なんですね。

    『異形の客』
    ドラマで放送された作品です。

    『201号室の災厄』
    火村先生、大立ち回り!
    英語もペラペラ、カッコいい。

  • 「宿」をテーマに短編4つ。日常からおでかけした環境での事件やら物語展開やらがとても好ましくてすべてのお話を楽しむことができました。いちおしは「ホテル・ラフレシア」の後味の悪さです。「異形の客」の自由気儘に温泉旅行を楽しむアリスが羨ましくて羨ましくて。「201号室の災厄」はジャンル替えかな?というくらい雰囲気がガラッと変わっているような印象を受けて非常に楽しく読めました。どんなときでも火村先生は恰好いいです(笑)

  • 宿が舞台の短編集。

    宿に泊まるということが非日常だからか、
    全体的にふわふわと夢の中っぽい雰囲気が出てました。

    ラストが全部、ん?って感じで、
    夢の余韻が残るような本でした。

  • 「宿」をテーマにした短編集。不気味な民宿、リゾートホテル、温泉宿、高級ホテル。テーマが面白い。
    宿を舞台にした文学や映画作品が多くあるのは、旅とセットになっているロケーションや非日常空間、また見知らぬ人が同じ屋根の下に集っているという状況も面白いからなんだろうな。
    「ホテル・ラフレシア」がユートピア的雰囲気とラストの物哀しさの2つが相まって印象的。何とも切ない余韻を残した。
    (2016.3.21)

  • 宿にまつわる話を集めた短編集。非常にまとまりが良く、良く読み返す本の一つです。
    「暗い宿」「異形の客」でのアリスの自由気ままな行動には憧れます。思い立ってどこかに行ったり泊まったり、楽しいですよね。殺人事件に出くわすのはごめんですが。
    この短編集で一番好きなのは「ホテル・ラフレシア」全体の雰囲気と後味の悪さがたまりません。

  • 再読。
    宿をテーマにした4つのストーリー。
    スリラー風味の「暗い宿」「ホテルラフレシア」
    大胆な演出でドラマ2話目の原作にもなった「異形の客」
    「201号室の災厄」は一部アイディアをドラマの1話目冒頭で使われていましたね。
    どの話もスピンオフらしくいつもとは少し違った雰囲気を楽しませてくれる作品になってました。
    原作の火村は抱えている闇も含めてとても人間らしくてそこが良い。

  • 【再読】中古本。ヒムアリ率は低いものの(初読のときもそんなこと書いた気が……)、滅多にないアリスの活躍だとか、火村のアクションシーンだとか、暗い雰囲気が終始漂ってることもかな、新鮮で読んでて楽しかった。片桐さんや野上さんの登場も素直に嬉しい。 ……でもやっぱり、色々邪推してしまうヒムアリの絡みが好きだw

  • 火村アリスシリーズの「宿」でまとめた一冊。
    先日読んだ「店」の一冊よりも前にでてたみたいです。

    まあ・・・いつも通りの一冊です。良くも悪くも。いつものノリでのんびりと読めます。強いて言えば最後の「201号室の災厄」がいつもとちょっとだけ違った感じではある。ちょっとしたアクションもあり、いつもは超然としてる火村さんの受難というマンネリズムの打破。
    そして「異形の客」の「自首するんじゃないよ」の言葉にぞくっとするのも印象に残ります。
    あれ?案外「いつもの一冊」でもなかったかな。

  • 作家アリス〈火村英生シリーズ〉の短編集。〈宿〉をテーマに4本の短編が収録されている。全体を通して仄暗く、哀愁のある作品が多く感じた。その中でも、最後の火村先生が主役の第三者視点から描かれる話はアクション要素(!?)があるので楽しく読むことができた。有栖川有栖という作家の情景描写は凄まじく、中でも表題作である〈暗い宿〉では暗闇の中背筋がぞくりとするような感覚を感じることができ、アリスと同じくその場にいるような感じさえした。

  • 初有栖川作品。作者が登場人物として出てくるパターン共々初めてでちょっと面食らう。

    タイトルになってる暗い宿のどこまでも不気味な雰囲気と冷たさが好きです。

  • 有栖は、本当にいろいろな事に出会うね。

  • 〈宿シリーズ〉4編をまとめた短編集。宿といえば泊まるもの、ということで、必ず夜の一幕がある。鄙びた地方の真っ暗な夜、甘い香り漂う南国の夜、格調高い温泉宿での早春の晩、都会の一流ホテルでの夜。ロジックやどんでん返しも勿論楽しめるが、〈夜〉と〈旅情〉こそが一番の味わい。
    川出正樹氏の「旅の夜、その他の夜」も読み応えあり。それにしてもアリスは好きでよく旅をしているが、火村もなんだかんだと旅が嫌いではなさそうだ。引っ張り出されているだけというのも多そうだけれど。宿が舞台だからか、めずらしく大阪府警の面々の登場なし。

    ◆暗い宿
    主な現場:大塔村 以呂波旅館
    警察サイド:(童顔の五十代にも老け顔の三十代にも見える)奈良県警捜査一課 蒲生刑事
    時期:10月6日、10月13日
    アリスがひとりでの鉄道廃線跡取材旅行をした際、にわかに体調を崩しお世話になった廃業宿から、その1週間後に白骨死体が。
    材料の乏しい過去の出来事から、ひとつの事実をもとに経験知を使って真実をあぶりだす火村。真っ暗な夜の闇の文学的な描写や、過去の事件ということもあってかさらりと渇いた読後感。

    ◆ホテル・ラフレシア
    主な現場:石垣島 ホテル・ラフレシア
    警察サイド:登場なし
    時期:大学の春休み期間
    「ホテル・カリフォルニア」がカラオケの十八番の片桐光雄氏登場。犯人あてゲームイベントのモニターとして招かれたアリスと編集担当の片桐に、片桐に思惑あって招かれた火村が偶然に出会った事件。
    リピーターも多い、麻薬のような不思議な魅力のある一流ホテルは一度行ってみたいと思わせる。犯人あてゲームで発揮されるアリスの切れ味鋭い能力?や、ひとりで時間にたゆたう夜のバーシーンなどが読みどころ。

    ◆異形の客
    主な現場:猛田温泉 中濃屋旅館
    警察サイド:よく通る美声の兵庫県警 樺田警部 冬の曇り空のような色のコートのデカ長の野上、ネットに詳しい部下の遠藤
    時期:3月3日
    帽子にサングラスにマスク、顔全体に包帯を巻いた「異形の客」が滞在している猛田温泉は中濃屋旅館に投宿したアリス。
    シャングリラ十字軍の影の落ちるなか、美容外科医も登場、「異形の客」の正体をさぐる。宿泊客の部屋や素行を探る火村の着眼点は鮮やか。


    ◆201号室の災厄
    主な現場&舞台:明治通りに面したビルの地階のドイツ風居酒屋 JR四ツ谷駅から徒歩、九州のある藩の御屋敷跡にあるダイナスティー・ホテル
    警察サイド:登場なし
    時期:4月
    大阪のアリスと京都の火村が東京でたまたま顔を合わせて飲むことが「これまでに何度かある」という仲の良さ?
    高嶺の花のホテルに並みの料金で泊まれるラッキーな火村にふりかかった災難。途中から珍しい火村目線。火村のアクションシーンにはほれぼれ。

  • 有栖川有栖の作家アリスシリーズ『暗い宿』を読了。

    宿に関する短篇が四つ収録されていて、それぞれ様々な趣向を凝らしてある。

    ・「暗い宿」小旅行に出掛けたアリスは体調を悪くし、廃業した宿屋に泊まらせてもらう。深夜、誰もいないはずなのに何処からともなく音が聞こえてきて…

    ・「ホテル・ラフレシア」犯人当てゲームに参加するため、南の島のリゾートホテル「ホテル・ラフレシア」を訪れた火村とアリス。そこで訳ありげな夫婦に出会い…

    ・「異形の客」帽子を目深にかぶり、さらにサングラスをした男。さらに顔全体には包帯を巻いていた。その男が宿泊していた部屋で、宿に止まっていない男の死体が発見された。そして包帯の男は消息を経つ…

    ・「201号室の災厄」学会で東京に来ていた火村。火村は酔ってしまい、ホテルでロックスターのミルトンの部屋に誤って入ろうとする。元の部屋に戻ろうとする火村はミルトンの部屋に倒れる女性を見つけてしまう…

    どれも全く違う内容だが、個人的には『ホテル・ラフレシア』という短篇がかなり衝撃的。不意打ちを食らった感が凄まじい。

    もちろん他の三篇も緻密に作られている。論理的な解決が面白い。

    宿やホテルの風情も感じられ、読了後は泊りに行きたくなってしまった。実際に、今週は蔵王ロイヤルホテルに泊まりに行く予定を立てているので楽しみである。

  • 火村英生シリーズの短編集。
    4編とも「宿」に絡む、「宿」シリーズだそう。
    おー、火村の旦那がアクションしとるわー。

    出来はまあまあだけど、微妙に後味の悪い話が多くて、好みかも。

    「宿」絡みの話というと。
    「バートラム・ホテルにて」「桃源郷の短期滞在客」
    「ホテル・ニューハンプシャー」ってとこでしょうか?

    あとは「高野聖」とか。「暗夜行路」とか「魔の山」までいくとちょっと違うかなあ。

  • いつもと違う場所で、寝たり食べたりする事自体、非日常で不思議な感覚がするよな……と、読んでいて思い出した。
    最後の2ページで一気に展開が変わる、『ホテル・ラフレシア』がお気に入り。

  • トリック自体は面白いんだけど、伏線が少なく、終盤の推理で全て解決してしまうのがちょっとな。。

  • 何度目かの再読。やっぱりこのコンビ好きです。
    ホテル・ラフレシアはお話の後味はすごく悪いけど、こんなホテルには泊まってみたいものです。このあと、奥さんがどうなったのか考えると、やるせない。
    異形の客は、火村の「自首するんじゃないよ」で、彼の闇の一片が見えますね。このセリフを聞いた時、アリスはなにを思ったのでしょう。
    火村の闇に関しては、知りたいような知りたくないような気持ちです。

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