- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041959046
感想・レビュー・書評
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予想を裏切られる展開もあったけど、最後は思っているような前向きになれる作品でした。
「天才の隣には、ちゃんとした大人が必要だ」的なことを聞いたことがあり、印象に残っています。
天才的な才能だけでは華やかな表舞台に出るのは難しく、くすぶっている人がいる傍らで、才能はそれなりにでも表舞台で活躍する人もいるのではないでしょうか(誰とか分かりませんが)
マエストロの主人公は後者であり、なんなら「女でのし上がった」人物。
あまり共感を得にくいタイプなのに、彼女の生い立ちや音楽への苦悩・崖っぷちを綱渡りしている様が美しい音楽と共に描かれ、なんとか事態を打開してハッピーエンドにならないかな!と思いながら、するすると読んでいけます。
後半、バイオリン修復屋のおっさん語りになる場面ではテンポに躓きましたが、最後はテンポよく事態が展開していきます。
悲しい事態もありますが、最後は気持ちよく読み終えました。
作中に横領事件があります。
ちょっとした誤解や話し合いができないばかりに事態が大事になっていく様が描かれており、事件てこうやって大きくなっていくんだろうなぁと何だかやるせない気持ちになりました。
誰も悪くない、悪い人はいない、けど知らなかったことは罪なんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私はヴァイオリンを弾くのでこの本は結構面白く読めましたが一般の方が読むともうひとつなんとちゃうかなあと思いますね。
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殺人が起きないミステリーを書きたかったと作者本人が言っていた通り、バイオリンに纏わるミステリ。
ミステリー要素はかなり薄めですが、これはこれで面白い。
楽器屋と演奏家ってこんな繋がりがあるのか、と素直にビックリ。
音楽の世界って不思議。
主人公が天才的な演奏者ではなかった所が何だか好感が持てる。 -
2019.2.2(土)¥100(-15%引き)+税。
2019.4.2(火)。 -
素性があやふやなヴァイオリンをめぐる、殺人のような事件が起こらないミステリーと言えばいいか?
ミステリー要素が出てくるまで少し長いと感じたけど、後にちゃんと読んでおいてよかったと思った。
哀しさ、苦しさ、切なさが各登場人物から感じられる。
ヴァイオリンについての知識や音楽界の裏側も垣間見れておもしろかった。
もう少し重厚さがあるとよかったかな。あっさりした感もした。 -
煮え切らないバイオリニストと、思いつめたバイオリン製作者。そして、悲しい楽器商。活きるということは、何かを捨てることか、それともそれを抜けたところに何かがあるのか・・・。できれば、あそこまで悲しいことがなくても突き抜けた人生を歩めればよいのに、と思った。
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逗子図書館で読む。この作家はうまい。無理なく読めます。登場人物の類型化は、山崎豊子さんを連想します。鼻につく人もいるでしょうが、これぐらいが読みやすいです。