ブルーもしくはブルー (角川文庫 や 28-2)

著者 : 山本文緒

• KADOKAWA (1996年5月20日発売)

作品紹介・あらすじ

広告代理店勤務のスマートな男と結婚し、東京で暮らす佐々木蒼子。六回目の結婚記念日は年下の恋人と旅行中…そんな蒼子が自分のそっくり「蒼子B」と出くわした。彼女は過去の記憶をすっかり共有し、昔の恋人河見と結婚して、真面目な主婦生活を送っていた。全く性格の違う蒼子Aと蒼子B。ある日、二人は入れ替わることを決意した。誰もが夢見る「もうひとつの人生」の苦悩と歓びを描いた切なくいとおしい恋愛ファンタジー。万華鏡のような美しい小説。

感想・レビュー・書評

[ひろともさんの感想 · 2024年3月17日]

まず、含みのあるタイトルに惹かれました。
人生の分岐点で生まれた同一人物であり且つ別人格女性のストーリー。
ドッペルゲンガーほ背景に話が進みます。
女性の生き方、愛し方、愛され方や人間の悲しさが詰まっています。
一気読みできました。
さすが山本文緒さんですね！

[ぷぅさんの感想 · 2024年2月2日]

興味深い展開で面白かった。もしもこっちを選ばなかったらどんな人生だったのだろうかと考えることはあるが、自分としては後悔はない。どちらを選んだとしても、そこで精一杯生きるしかない。一度しかない人生だから。

[るーさんの感想 · 2023年12月19日]

ないものねだりは破滅の始まり。
''自分の''人生を思い切り楽しもうと思った。
最後は2人とも可哀想で涙出てきた…。

[Anonyさんの感想 · 2023年11月15日]

感想
嫉妬。こんなはずじゃなかった。選択をやり直せたら。なんてナイーブな考え。どうせまた同じことをする。だから後悔はしない。時間がない。

[あるさんの感想 · 2023年11月7日]

偶然出会った分身と入れ替り,自分の捨てた人生をやり直す｡正しい幸福の選択は難しい｡後半,泥沼の展開は作者らしい｡苦く嫌な味が残る｡後悔のない人生はない｡

[おーしまさんの感想 · 2023年8月13日]

読み終わったとき、ただのドッペルゲンガーがテーマのホラー、サスペンス？山本さんは女性の悩みとかリアルな部分を描く作家さんだと思ってたので不思議に感じた。
そのあと柚木麻子さんの解説まで読んで初めてこれは女性が搾取から逃れるための手引き書なんだと気付いた。
この本は1996年に書かれたもので、その時からこの視点をもっていた山本さんはやっぱりすごいなぁと感じた。
解説読まないとわからなかったので、自分はもっと物語の真意を読み解く力をつけよう…と思った

[りぃさんの感想 · 2023年8月13日]

人間だれしもが、あの時あっちを選んでいれば、ってことがあるんじゃないか。恋人の選択だけとは限らず、進学だって就職だって言えること。
「隣の芝生は青く見える」っていうけれど、お互い自分の今の状況を振り返って、あっちのほうが幸せ、正しい選択をした、と思っている。けれどそれは、どっちを選択しても同じことなのだろう。
ホラー小説のように、怖かった！！けど、読む手は止められません…。

[maikaさんの感想 · 2023年8月11日]

面白かった！あまりあらすじを知らずに買ったが、これは何も知らずに読む方が衝撃が強く、より一層楽しめると思った。久々に、読んでいてワクワクしてページを捲る手が止まらない本に出会った。2人の主人公が入れ替わるというありきたりな話にも見えるが、同性、瓜二つ、異なった地位と収入、正反対な旦那の性格という相反する要素があり飽きなかった。
ファンタジー要素が入っているが、シリアスな部分の方が強いため、あまり非現実味を感じなかった。河見が、他県の人が考える九州男児すぎて読んでいて面白かった。時代もあるのだろうが、今時こんな男尊女卑まみれの男はいない。だが、結婚するのは佐々木か河見かと聞かれるとかなり悩む。

[MRさんの感想 · 2023年5月9日]

山本文緒さんの本を初めて読みました
題名だけは知っていたけど、、、途中ホラーかと思った

人間は持たないものに憧れる　他の人が羨ましく見える
なのに持ったら飽きる

いつまでも満たされない
何を本当に欲しいと思っているかわからない主人公の本当に手に入れたかったものは　愛　だったんだなと感じました

小説なのに映像が浮かぶ文章がすごいと思った！

[hito-kotoさんの感想 · 2023年5月8日]

　奇想天外な筋書きですが、面白く一気に読了。結婚とは、結婚生活とは、を深く考えさせる作品です。そっくりな女性が、入れ替わって、1ヶ月違う夫と生活するというストーリーです。山本文緒「ブルー、もしくはブルー」、1996.5発行。

著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」