瑠璃を見たひと (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.26
  • (1)
  • (12)
  • (13)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 81
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041973011

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 伊集院さんが若かった頃の作品。歴史ロマンサスペンス(!?) 最近の作品とは異なり、直球表現で、一気に読んでしまった。
    チンギス・ハーンによって滅ぼされた西夏帝国の子孫と思われるエイミー。先祖の歴史が自分の記憶となって、過去を呼び起こす。

  • 3.8点

  • そこまで重くない。
    んな都合よく進むもんかねとつっこみつつ読んだ。

  • 宝物探しの旅を通じて、主人公(瑛子)が逞しく変化していく、美しく魅惑的な長編ファンタジーです。「ほんの少しだけ場所が、時間が違っていただけで、人の運命はまったく異なった道を歩んでしまう」(P159)、「人間という奴は、その人間に合った大きさの物事にしか、たぶん出遭わないのだろう。しかし出遭った対象の大きさで、その人間が己の中にある大きなものにはじめて気づくこともある」(P207)、「ひとりの人間が、生命を授かってこの世に存在していることは何千何億という祖先と時間の糸で繋がっているということ」(P328)、「人間は水のようなものかもしれない、見果てぬ夢の地をめざして流れているだけの存在なのかもね」(P341)のフレーズが気になりました。

  • 神戸の老舗貿易会社の一人息子に嫁いで7年、突然家を出た暎子は、亡き母と自らのルーツを知る。

    中国の西夏王国の王家の血を継ぐ者・・・なんて少し設定は少女趣味?と思ったけど、結構入り込んで読めた。

  • 伊集院さんが若かった頃の作品。歴史ロマンサスペンス(!?) 最近の作品とは異なり、直球表現で、一気に読んでしまった。
    チンギス・ハーンによって滅ぼされた西夏帝国の子孫と思われるエイミー。先祖の歴史が自分の記憶となって、過去を呼び起こす。

  • 書棚にあった本をとりだした。伊集院静作品はあえて選ぶことはあまりない。タオティエ伝説をベースに世界中を巡っていくところがよい意味で当初予想を裏切り引き込まれて行った。壮大なスケール感と繊細な表現が本書に幅を持たせている。

  • ありがちな主婦の大冒険。だが世界観がいいね。シルクロードとか。ホンコンとか。

  • うる覚えだけど、この本の中のセリフですごく印象的だったものがある。「君が望めば、どこへだって行けるんだ」。確か、海を見ながら父が娘に告げた言葉。いつか子供ができた時、こんな言葉を贈ってあげたいと思った。
    お話のあらすじは、とある女性が可も不可もない夫婦生活から逃げて家を出る。そして伝説上の動物の彫刻と出会う。対で持っていると幸福が訪れるということから、もう一方の雌を求めて世界を旅する話。その中で人間ドラマが描かれている。オチがいまいちだったので、評価は4。

  •  違和感のある夫婦生活から、突然、世界を旅することになる、主婦の話。主婦といっても、所帯じみてません。子供がいないので、あっさり家庭を捨てます。

     そして、タオテイエという、中国の伝説上の動物の雄の彫刻に出会い、対の雌を求め、世界を飛び回る。中国の西夏王国に伝わる伝説で、この対の彫刻をもつものには繁栄がもたらされると。かのジンギスカンももっていたという。その冒険旅の中での恋愛事。命をかけて自分を救ってくれる人との信頼関係。

     でも、最期は(おちになっちゃいますが)、欲に負けてしまう、っていう、後味が悪く、人間のどろどろ味を描く作品でもあります。全体的に展開が早いし、中国の名前や土地の名前には忘れちゃうし、とまどった。

全12件中 1 - 12件を表示

著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊集院静の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×