黒い家 (角川ホラー文庫 45-2)

著者 :
  • KADOKAWA
3.84
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本棚登録 : 15089
感想 : 1669
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979020

感想・レビュー・書評

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  • 『黒い家』
    今から約25年前の作品なので時代錯誤で違和感を感じる描写はあったが、まさに戦慄のホラー小説!!十分に楽しませてもらった。

    物語は生保業界を舞台とし、主人公の若槻慎二がモラル崩壊に直面した現代社会の悲劇に対峙する一方で、連続して起こる悪夢のような恐怖の中、人間の尊厳や希望を読者に訴えかけてくる。

    ハラハラと心臓に悪いノンストップのホラー描写が、緊迫感と臨場感たっぷりで、残暑厳しいこの時期にはピッタリだった。でも安眠を妨げる可能性大なので就寝前は控えた方が良さそう・・・

    窮地での若槻の行動が明らかに恐怖を助長させていて、判断ミスが上手い具合に物語を盛り上げていた。ホラー映画でよくみる「えー、なんで今それするの?先にこっちでしょー!泣」的な感じ。でもきっと、そんな緊迫した状態だと本当にそうなるのかも・・・

    装丁デザインがあまりに恐ろしく、即ブックカバーで覆い、読み終えた後も伏せたままだった。笑
    最初から最後まで、男気のある葛西さんと、恋人の恵さんの存在が唯一の救いに感じた。

    いやぁ〜それにしても怖かった〜!
    怖すぎる!臭いもしないし、誰もいないのに挙動不審になった。
    そして、読後の解放からくる安心感。笑

    ホラー好きには絶対に読んでいただきたい名作!

  • 20年以上前に読み、その時一番怖い本であると思ったのを覚えています。1年くらい前にまた読んでみたくなり、再購入、私の中では史上最きょう(恐)です。
    ホラーではなく人の怖さ、特に最後の方は本当に追い込まれる感じ。怖すぎです。

  • 生保の支払い査定してる若槻さんが、お客に呼び出されて行ったら、死体の第一発見者になった‼︎
    その件の保険請求がされるけど、若槻さんは保険金殺人を疑って請求者と...な、お話。

    怖い...ひたすら怖い(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
    現実味はあまりないですけど、追い詰められ感半端なく、ドキドキしながら読みました!
    ガタブルでした((((;゚Д゚)))))))

  • 日々雑多な仕事に追われている保険会社勤務の若槻。
    ある一本の電話をきっかけに、子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。

    子供の父・菰田重徳の挙動に不審な点があり
    彼が子供を殺したと確信を深める若槻。

    一方重徳は子供に掛けていた生命保険の支払いの催促で毎日彼の元へ訪れるようになる。
    蜘蛛の巣に絡め取られるように、彼の圧力に追い詰められていく若槻。
    およそ常人とは思えない、感情がないというサイコパス。遂には殺人事件まで引き起こす。

    ---------------------------------

    包丁を持って追いかけてくる精神異常者を恐ろしく描いているのは言わずもがな

    だけどさすが貴志さんだなぁと思うのは
    精神異常者という決めつけで犯罪を片付けてしまう危険性などにも触れられており、物語に厚みを出している。
    若槻の恋人、恵がその語りを担う。
    彼女と正反対の思考を持つペシミストの研究者・金石との対比も面白い。

    恵の最後の語りも面白かった。
    厭世的な考えの人物は決して他の人間と心を通わせたりしない。
    自分に不利なものにはレッテルを貼り、自分が傷つきそうになれば容赦なく排除。

    精神を病んでいる者より、そう言った普通の人の方が社会に大きな害を及ぼしていると。

    そしてそんな人間が急激に増えてきた現代社会、どう彼らと向き合っていくかというメッセージも含まれている。



    「人間が一番怖い…」というレビューをよく見かける本書。
    そうですね、他人の心だけはどうしたって分からないものね…

    ギャーッ怖い怖い、血塗れーーー
    ていうサスペンスだけならまだ良かった
    バックグラウンドの部分が余計にゾッとさせました!

  • 想像以上に怖すぎた!後半は展開が気になって頁を捲る勢いが加速。人の執着心とはこんなにも恐ろしいものか。人の闇を垣間見た。鬼気迫る情景の描写が鮮明で血の臭いがこちらにまで蒸し返してきそうで気持ちが悪くなった。現実ではこんなことが無いことを祈る。

  • 怖すぎる。

    おぞましい情景、鼻をつく生臭さ、脳に響く不快な音、生温かいぬるぬるとした触感、読者の五感に訴えかける戦慄の描写が続く。
    まるで自分がその場にいるかのような恐怖を感じさせる筆致は、もはやVR感覚の恐怖体験。

    読者は「黒い家」に漂う謎の瘴気と、その臭気によって湧き上がる嗚咽を抑えきれないはず。

    • Sayuriさん
      yuppeさん フォローありがとうございます。よろしくお願いします。
      『黒い家』は、貴志祐介さんのホラーで1番怖くておぞましい本でした。
      yuppeさん フォローありがとうございます。よろしくお願いします。
      『黒い家』は、貴志祐介さんのホラーで1番怖くておぞましい本でした。
      2024/04/11
  • お化けも怖いがなんだかんだ人が一番怖い。そう思っている人にはぜひ読んで欲しい。ホラー系の小説はちょこちょこ読むのだが一番人怖に相応しい本だと思った。
    同じ人間ではあるが他人の理解できない行動。その不気味さや怖さを文体で表す表現力が凄まじい。中盤から寝る前に読むのを躊躇して読むのは昼間だけになった。
    読み終わった今でも夜に読むのは避けたいと思う一冊。

    • 和ヤカさん
      コメント失礼します。
      私も人が一番怖いと思っています。感想を見て私も読みたくなり、さっそく古本で入手しました。

      これから読み進めるのことを...
      コメント失礼します。
      私も人が一番怖いと思っています。感想を見て私も読みたくなり、さっそく古本で入手しました。

      これから読み進めるのことを、ドキドキしながらも楽しみにしています。感想を参考にさせて頂きました。ありがとうございました!
      2023/11/21
    • ゆーやさん
      コメントありがとうございます!
      興味をもってもらえて嬉しいです!
      和ヤカさんにとっていい読書時間になりますように。
      コメントありがとうございます!
      興味をもってもらえて嬉しいです!
      和ヤカさんにとっていい読書時間になりますように。
      2023/11/21
  • 怖い!怖すぎる。
    臭いまでしてきそう。
    気味の悪さで一気読み。
    振りきった狂気に身の毛がよだった。
    いやーめちゃくちゃ面白かった。

  •  1997年第4回日本ホラー小説大賞で大賞を受賞した昨品。
     ホラー小説ではありながら、保険金のためなら何でもしてしまうという一種の保険金搾取がテーマになっており、現代に暗い影を落とす作品になっている。
     20年以上前の作品だが、現代でもこのテーマは褪せることなく存在しているので、そういった意味でも十分に読み応えのある作品と言える。
     生活を守るための保険が、かえって殺人や傷害を助長してしまっているのではないかという現代社会の矛盾点に切り込んだ本格長編。

  • 生命保険の査定を行う若槻がある死亡事件を調査する話。もう恐怖しかない、読み進める度鳥肌に襲われる。主人公にリンクして余計に臨場感たっぷりになり焦るしビビるし怖いしと感情大忙し。こんな奴おらんやろ、と思えない所が何より怖い。ゾワゾワゾワ。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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