天使の囀り (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979051

感想・レビュー・書評

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  • それが天使の囀りって、マジ…?
    耳に残る美しい表題とは裏腹に、何とおぞましき物語なのか…。
    登場人物が挙って賢く少々難解な部分もありますが、理に適っているからこそ体の芯からおぞましい恐怖を煽られ、実在するものと錯覚してしまう程の 現実味もあり、これは本当に怖かったです…。
    もう何を仄めかしてもネタバレになるのですが、ホラー小説だけど、怖いだけでは終わりません。
    物語の結び方も素晴らしかったです。

  • 元気なときに読まないと飲み込まれてしまいそうな不気味さ。
    線虫に感染してしまいコントロールされている人たちの狂い方、その後の決まりきった運命を思うと恐ろしい。

    主人公と一緒に謎を解明していくような感覚で読めて面白かった。

  • 読書が好きな主治医に紹介してもらって読んだ本。

    グロくて、怖くて、面白い。

    序盤のあたりの点と点のつながりが私は最初繋がらず「?」となりながら読みましたが、さすがに読書好きの主治医は早い段階で先が読めたそうです。

    点と点がつながり出すと、怖くてハラハラしながらもどんどん読めました。

    描写的にグロいシーンが結構あり、うっかりご飯食べながら読んでしまって(お行儀悪い…)後悔したこともありました…。(笑)

    生きていくための悩みや苦しみ、怖さとどう対峙していくか…自分ならどうするか、そんなことを考えながら読み終えました。

  • ホラー小説で怖いと感じたことのない人も初めて怖いと感じることを保証するという触れ込みだったので、期待して読んだところ、思っていたようなホラー的な恐怖は正直あまりなかったが、えぐいというか、おぞましいという感情はめちゃくちゃ湧いてきた。あと、似たようなことが普通にあり得そうという意味での怖さがあった。よくできたSFホラー小説といえ、読んだ甲斐があった。
    本書では厚生行政批判もところどころ出てくるが、至当だと思った。特に、今は禁止されるようになったようだが、この本が出版された頃は、ペット用サルの検疫がゆるゆるだったというのには驚きあきれた。

  • 2020/8/13 読了
    貴志さんの本は何冊か読んだ事があるので、何となく最後のオチは分かったものの、それでも面白い。
    アマゾンに行ってみたいけど、少し気分が萎えた。。

  • 途中まで、オカルトかなと思い、楽しく読み進めていた。しかし、虫が出てきてからは、、、
    虫嫌いの自分には無理で、読むのをやめました。

  • じわじわと足元から沼に沈んでいくような息苦しい恐怖が、物語の終盤で一気に加速していく。おぞましいという言葉以外になんと表現してよいのかわからない。トラウマになる。あの青年の、「ころして」が、自分自身がまるでその場にいたかのようにリアルに脳内に響いて胸が締め付けられた。ただ救いが欲しかっただけの人達だったのに。苦しみから逃れることが、人としての尊厳を捨てることになるだなんて、誰も思わなかっただろうに。

  • 初めてのホラー小説で読み切れるか不安でしたが、読み始めてみるとどんどん読み進められました。

    リアルなストーリー展開だったため終盤の展開も全て実話なのではと思ってしまい。
    本当の意味で恐怖を感じました。

    次々と犠牲者が現れどうあがいてもハッピーエンドにはできない状態でしたが、
    最後は何故かスッキリした気持ちになりました。

  • ホスピスに勤務し終末医療に携わる精神科医の北島早苗。彼女の恋人で作家の高梨は、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加し、その様子を彼女にメールで送ってきていた。帰国後、彼が異常なまでに食欲と性欲を抑えきれない様子に早苗は違和感を覚える。しかも、極端に死を恐れる「死恐怖症(タナトフォビア)」だったはずの彼が、なぜか薬を大量に服用して自殺をはかった。その後、同じ調査に行ったメンバーが次々に不審な死を遂げていることに疑問をもち、調べるうちに恐ろしい推測に辿り着く…。

    貴志祐介の中では『黒い家』が最も好きだったが、本作はそれを上回る面白さだった。タイトルと、天使を描いた(改訂前の)カバーデザインから、こんなグロテスクな話だとは思いもよらなかったが、大抵のグロが大丈夫な私でも、本作ではうすら寒く感じるような場面がいくつかあった。クライマックス近く、早苗と依田が施設に乗り込むところも大変気持ち悪くてよかったが、最も恐ろしかったのは、早苗が依田の部屋で2人きりになり悪夢を見た後の展開だ。物語に入り込んで鼓動が速くなるほど怖かった。

    ひとしきり怖がらせた後で、まさかと思うようなオチを最後につけてくれるのも驚いた。寄生虫への感染、それがもたらす快楽は絶対に人を幸せになどしないと思った後に、早苗があんな行動に出るとは……。

    内容の細かい部分に関しても、ともすれば見落としがちな何気ない描写に、真相に繋がる数々の伏線が散りばめられていたり、お見事としか言いようがない。

    生命の神秘と怖さ、死の恐怖と尊厳死、様々な問題を突きつけられたように思う。

  • これほんとにグロすぎて、読み終わった後は逆にスカッとする。内容やそれに伴う情報が驚くほどしっかりしていて作者がどんなにリサーチしたのかが伺える。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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