狐火の家 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3692
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041979082

感想・レビュー・書評

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  • 以前の硝子のハンマーの続編
    榎本と青砥のコミカル?独特なやりとりが短編集となって繰り広げられている。
    前回のように多く絡んでいるわけではないが、お互い持ちつ持たれつのような関係性にも見える。

    特にだが狐火の家のラストはショッキングだった。まさかこんな終わり方をするとはと何とはなしにひぐらし業を思い出してしまった。

  • 記録

  • '22年7月21日、Amazon audibleで、聴き終えました。シリーズ作品中、聴き終えたのは三作目です。

    「ミステリークロック」、「硝子のハンマー」と聴いてきて…本作は、僕にはパワーダウンと感じられました。

    中では、どうかな…「狐火の家」が、やはり一番聴き応えがあったかな。結末も、イヤミスっぽくて、ゲンナリ。
    「黒い爪」に出てくるオタク(失礼!)が、気持ち悪くて、こちらもゲンナリしました。この辺は、語り手さんの力量を感じました。

    あとの2作は、僕にはイマイチだったかな。まあ、「硝子のハンマー」が強烈だったので、余計そう感じたのかも•́ ‿ ,•̀

    満足な点も…「黒い爪」では、純子さんが最後の解決を!これは、嬉しかったです。いつもお間抜けな純子さん、よく頑張った!アハハ♪~(´ε` )

  • 短編集だとどうしても面白みが減ってしまう気がする。
    とはいえ、純子と榎本のコンビが好きになってきた。

    【狐火の家】
    単独犯ではなく、殺人の犯人とそれを隠蔽する父親が絡んでくるので最後まで犯人の予想すらできなかった。
    一家のメンツを守るために兄妹間の殺人を隠蔽する父親の行動は、バレなければ正しいものだったのかモヤっとした。
    ド田舎で起きた殺人だけに、人間関係のドロドロが絡むストーリーが見たかったけど家庭内で完結していて残念。

    【黒い牙】
    榎本が手動で推理していく方が好きなので、榎本が現場にも来ずに最終的に純子が結論を出したのは好みではなかった。
    もしかしたら現場の密室に巨大な猛毒の蜘蛛がまだ放たれているかもしれない状況はホラーのようなドキドキがあった。
    犯人じゃない方の男も癖が強くて面白い人だった。

    【盤端の迷宮】
    ああいう不正は本当に将棋界であるんじゃないかと、闇を見た気分。
    年齢制限がある奨励会に所属している人は犯罪を起こさなくとも物凄いプレッシャーがあるのだろう。
    時間の大半を将棋に捧げないと強くなれないのに、年齢制限を超えたら強制退会でいきなり社会に放り出されるのは少し残酷なのでは。

    【犬のみぞ知る Dog Knows】
    めちゃくちゃ犯人っぽい人が犯人だったという逆どんでん返し??笑
    プロの泥棒からすれば番犬なんてどうにでもなるもんなのね笑
    結局未だ榎本の正体はあかされず、彼に振り回されている純子が一方的に泥棒だの毒蜘蛛だの言っている関係性が面白い。

  • 美人弁護士と防犯コンサルタント(本職は泥棒)のコンビが、密室殺人事件を推理するシリーズもの。

    「狐火の家」「黒い牙」が良かったです。他2篇は貴志祐介作品にしては物足りない。

  •  防犯探偵シリーズ2作目。前作は長編で楽しめたのだが、今回は4つの中編とあって先入観も手伝ってかドラマの原作感が拭えない。このままずっと密室縛りで展開するんだろうか。探偵役・榎本も弁護士の青砥先生もそこまで魅力的には感じられず、よほどの密室ファンでないとキツいかも。
     最後を除く3作はまあまあだったが、『黒い牙』のトリックはちょっと無理がある。オチも含めてなかなか恐ろしかった。4編すべて動機がしっくりこないのが、好きになれない要因かもしれない。

  • 防犯探偵シリーズ第2巻と知らずに買ったので読むのが一苦労したけど、面白かった。
    貴志祐介さん、サイコ寄りのホラーやミステリーだけでなくこんなコメディー要素のあるミステリーも書けるのか…と完敗した気分。
    ちょっと面白みがあり癖のあるトリックがみたい人におすすめ。短編だからサクッと読めるのも凄く良い。
    特に好きなのは蜘蛛のやつ。
    今まで色々なミステリーみたきたけど
    忘れられない謎解きの一つ。

  • 主人公が弁護士のくせに迂闊すぎるのが違和感あった。
    でも雰囲気がホラーチックでおどろおどろしいのは気に入った。

  • 表題作は面白かった

    クモのやつは、トリック含めゾゾゾってした。

    2021.4.7
    47

  • 「硝子のハンマー」が面白かったので、続編にあたる本作も続けざまに読み終えました。

    本作も前作同様に防犯探偵・榎本と弁護士の青砥のコンビが密室トリックに挑みます。

    前作との違いは本作が4つのストーリーからなる短編物ということ。

    「硝子のハンマー」という長編の後だからこそ、1話の短さが寂しさを感じる部分はあったが、短編にも関わらず、仮説を立てながら密室の謎を解明していく様はしっかりとしたリアリティを感じることが出来ました。

    2冊で計5つの密室の謎が解き明かされましたが、その全てが非常にリアルに感じられるのが、このシリーズの楽しさでもあり、恐ろしさでもあります。

    もしかしたら、同じことが出来るのかも...

    なんて視点も楽しみ方の一つかもしれません。

    ただし、なんと言っても著者の取材力の高さと主人公である榎本と青砥のキャラ設定が読者を虜にしている事は間違いのない事実。

    前作が長編だったが故に短編である寂しさを感じ、辛い評価となりましたが、楽しめた一冊でした。

    説明
    内容紹介
    『硝子のハンマー』の興奮再び! 防犯探偵・榎本が4つの密室に挑む!

    長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが……(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾!月9ドラマ『鍵のかかった部屋』原作!
    内容(「BOOK」データベースより)
    長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが…(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾。
    著者について
    ●貴志 祐介:1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年『十三番目の人格-ISORA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    貴志/祐介
    1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。生命保険会社に勤務後、作家に。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格ISOLA』と改題して角川ホラー文庫より刊行される。翌年、『黒い家』で第4回日本ホラー小説大賞を受賞、同書は100万部を超えるベストセラーとなる。2005年、『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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