仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ> (角川ソフィア文庫 107)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041985021

作品紹介・あらすじ

ブッダ出現以来、千年の間にインドで展開された仏教思想。読解の鍵となる思想体系「アビダルマ」とは? ヴァスバンドゥ(世親)の『アビダルマ・コーシャ』を取り上げ、仏教思想の哲学的側面を捉えなおす。

感想・レビュー・書評

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  •  北伝仏教で基礎学と言われる倶舎論を、初心者でも学べる数少ない書籍。入手の容易さや文庫故に安価であることも考慮に入れると、唯一の入門書と言っても過言ではないだろう。
     最近では南方上座部の瞑想法の実践者も増えていることから、上座部のアビダンマの解説書はいくつか出版されている。しかし、大乗仏教の基礎となっているのは、上座部ではなく、本書で解説されている説一切有部のアビダルマ、具体的には世親の書いた倶舎論のものだ。
     したがって、大乗への思想的な流れを知りたい人、大乗の基礎学に関心がある人には、本書が最良のアビダルマ入門書となるだろう。

  • 5世紀頃に輩出した世親の仏教思想を軸にその哲学的側面を根源から捉え直す。
          -20101202

  • 購入しました、、

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)8
    宗教・哲学についての知識で、人間の本質を探究する
    仏教の宇宙観、存在論を理解するために本書は最適だ。

  • 1巻目がとても面白くあっという間に読み終えてしまったのに対し、
    このアビダルマ編は非常に手強かった。
    読んでわからない内容では無いのだが、どうも今ひとつ腑に落ちて
    こない感じ。煩雑で極端に細かい理論に走り、その批判から大乗仏教が
    生まれたと言われるのも何となくわかる感じだ。

    ただ、この理論の部分が今の日本仏教から欠け落ちているのも事実で
    あろう。今この時代にアビダルマに視線を向ける意味は少なからず
    あるはずだな。

  • アビダルマを学ぶのに最適。
    本書ではサルヴァースティ・ヴァーディン学派のアビダルマの思想をヴァスバンドゥのアビダルマ・コーシャをテキストにして説明している。

    仏教における天地創造の定義が非常に味わい深い。「この世はサットヴァ・カルマンにより生まれる」のだという。つまり、仏教では宇宙を創生するエネルギーと一人間の行動する力が根源的に同一であると考える。

  • 仏教学の授業で使用。

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著者プロフィール

1921年、和歌山県生まれ。京都帝国大学文学部哲学科卒業。太平洋戦争では人間魚雷回天に搭乗した特攻要員。戦後、京都大学教授、京都国立博物館館長、京都市立芸術大学学長などを務める。1988年紫綬褒章受章、1994年文化功労者。その研究は、哲学から仏教、国家論、天皇論、文化論など広汎な分野に及ぶ。2012年没。著書は、『大東亜戦争の意味』中央公論社1964、『明治維新の分析視点』講談社1968、『大東亜戦争の遺産』中央公論社1969、『神々の体系 正・続』中公新書1972・1975、『埋もれた巨像 国家論の試み』岩波書店1977、『空海』朝日新聞社1981、『天皇制の深層』朝日新聞社1985、『受容と創造の軌跡 日本文明史の構想』角川書店1990など多数。また『上山春平著作集』全10巻(1994-1996)が法藏館より刊行されている。

「2019年 『天皇制の深層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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