仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ> (角川ソフィア文庫 107)
- KADOKAWA (1996年10月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041985021
作品紹介・あらすじ
ブッダ出現以来、千年の間にインドで展開された仏教思想。読解の鍵となる思想体系「アビダルマ」とは? ヴァスバンドゥ(世親)の『アビダルマ・コーシャ』を取り上げ、仏教思想の哲学的側面を捉えなおす。
感想・レビュー・書評
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北伝仏教で基礎学と言われる倶舎論を、初心者でも学べる数少ない書籍。入手の容易さや文庫故に安価であることも考慮に入れると、唯一の入門書と言っても過言ではないだろう。
最近では南方上座部の瞑想法の実践者も増えていることから、上座部のアビダンマの解説書はいくつか出版されている。しかし、大乗仏教の基礎となっているのは、上座部ではなく、本書で解説されている説一切有部のアビダルマ、具体的には世親の書いた倶舎論のものだ。
したがって、大乗への思想的な流れを知りたい人、大乗の基礎学に関心がある人には、本書が最良のアビダルマ入門書となるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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『ぼくらの頭脳の鍛え方』
書斎の本棚から百冊(佐藤優選)8
宗教・哲学についての知識で、人間の本質を探究する
仏教の宇宙観、存在論を理解するために本書は最適だ。 -
アビダルマを学ぶのに最適。
本書ではサルヴァースティ・ヴァーディン学派のアビダルマの思想をヴァスバンドゥのアビダルマ・コーシャをテキストにして説明している。
仏教における天地創造の定義が非常に味わい深い。「この世はサットヴァ・カルマンにより生まれる」のだという。つまり、仏教では宇宙を創生するエネルギーと一人間の行動する力が根源的に同一であると考える。 -
仏教学の授業で使用。