人工楽園 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 45)

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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042013013

感想・レビュー・書評

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  • おお!アシーシュは不可だが酒は可なのか!
    そうかそうか!いい事聞いた!
    …とりあえず、呑みすぎをとがめられた際にはコレを持ち出して延々と反論できそうだ。
    アシーシュよりはマシだろう、と。

    そんな訳で、役立ちそうな一冊。

  • 人工楽園 (1955年) (角川文庫)
    (和書)2009年05月25日 18:00
    ボードレール 角川書店 1955


    文章が読み辛い印象を受けました。決して難解ではないと思う。ある意味この人なりに誠実だからこうなったのだろうと思いました。

  • ボードレールの真剣さというものは、考えるという姿勢をいつも教えてくれる。
    道徳的に酒や大麻、阿片がどうこうと言いたいのではない。そも、酒や麻薬がどういうものかわからねば、そんな議論はしても無駄であるからだ。麻薬はどういうもので、ひとに何をもたらすのか。真面目に不真面目というものを探究する、それがボードレールというひとだ。この論文を講演しようと目論んでいたあたり、非常に彼らしい。彼には、なぜこの論文がひとから疎まれるのか皆目見当つかなかったからだ。
    事実、彼は麻薬というものを決して薦めてはいない。その事例や調査から、論理的な帰結として麻薬のもたらすものが「楽園」ではなく、「人工楽園」であるということがわかったからだ。人工である以上、それはほんものの楽園ではない。一時的なものだし、儚く消える。夢のような存在。だからこそ、あんなに溺れるほどにひとは麻薬を求める。
    だが、たしかに人工の楽園ではあるが、与えられるあのヴィジョンはたしかに楽園そのものなのだ。麻薬の与えるあの感覚が、この上ない喜びであることには間違いない。わずかなあの緑の玉で、簡単に楽園にたどり着けることはできるのだ。ゆえに、すべての人間が麻薬に溺れる国家というのはある意味ではものすごく平和な国家だと言える。やるならそれぐらい本気でやればいい。苦しみが忘れたくって服用するのではだめだ。そんな麻薬は所詮、慰み物にしかならん。
    本気で楽園を求めるとき、たしかに麻薬というものはその一端を担う。だが、現実にそうはならないということは、麻薬の働きなんてそんなものに過ぎないということだろう。そんな風にして求める楽園なんて、楽園なのだろうか。所詮は偽りではないか。そんなことしなくとも、今ここに楽園は実現している。麻薬なんぞなくても、それを知ることはできる。
    酒と麻薬はその点で違う。麻薬は楽園を与える。受け取るひとはきわめて怠惰で受動的だ。だが、酒は楽園への情熱・思考をかきたてる。人間的で能動的なものだ。そういう意味で、人間は酒というものを最良の友として、もっと大事にしなければならない。何かが忘れたいとか、憂さを晴らしたいとかでそんな友を扱うなんてなんて非道徳的なことか!ボードレールならきっとそう言う。
    ランボーがどこまで許されるのかどんどん落ちていけばわかると飛び出していくのに対して、ボードレールはまずはそこに身を置いてじっと考える。ある意味、酒や麻薬なんぞでは彼の強力な思考を陥落させることができなかったに違いない。だからこそ、彼はそういうものを求めつづけていたのかもしれない。ランボーとは違った意味で乾いている。

  • 再読。人工楽園ってタイトルがいい。

    酒、アシーシュ、阿片、それぞれがもたらす効果と反動(苦痛)について詳細に解説。(まあ酒パートは短いです)阿片に関してはボードレールはやらなかったのか、トマス・ド・クインシーの告白本の概要紹介になってる。

    さんざん、使うとこんなに楽しいよ!アピールをしておきつつ、一応外向けの体裁なのか、でも後から酷いことになるから使うときは良く考えてね、みたいなトーンで統一されてます(笑)

  • 角川の復活文庫(偉大なる不良たち)シリーズの一です。
    装画が池田満寿夫で紙も少し厚手で象牙色の上質なものでした。

    麻薬撲滅運動に喧嘩売ってます ^^;;
    大いなる甘い甘い誘惑。

    大晦日にコタツで紅白見ながらダラダラ読んでました。
    こーいうもので一年を締めくくって良かったのだろうか・・・・

  • リバイバル コレクション
    旧仮名遣い

  • トマス・ド・クインシーの「阿片」を包含した佳作。

  • フランスの知識階級のアヘン倶楽部(アシシュ愛用クラブ)に興味をもったついでに。ボードレールはかなり私好みの文章をかいてくれる

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