サランボオ 上巻 (角川文庫 リバイバル・コレクション K 46)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042014027

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  • フェニキア人の商業都市カルタゴ市、そこをローマではポエニとよぶので紀元前3世紀のシシリア島での戦いを第一次ポエニ戦争という。フェニキア人は自らの市の神聖軍団という特権兵意外に大多数の外部の傭兵部隊を金で雇っていた。その時代を背景とした小説。カルタゴ市は傭兵を安く使う訳だが、さらに出鱈目な話として踏み倒してしまうつもりであったため、傭兵はそれに抗議する。そしてカルタゴ市での集会で酒とご馳走をふるまわれることとなる。傭兵のなかのひとりマトオは全ての部隊の長であるアミルカアルの娘に酒を酌されて惚れてしまう。それがこの二人の出会いである。その娘がサランボオとなる。

  • そでに「女神官「サランボオ」の至純の恋。」と書いてあるけれど、上巻はほぼカルタゴとカルタゴの元傭兵との戦争物語。槍兵が隊列を組んで移動するところなど、岩明均の『ヒストリエ』を連想(『ヒストリエ』は『サランボオ』の100年前)。

    なにごとにおいても描写がこってりしていて、つづれ織りの時代絵巻を眺めるようなゴージャス感。しかしサランボオに恋するマトオが「好きだ!殺したい!」と狂っていて、紀元前からストーカーか...と。下巻に続く。

  • 上巻星3、下巻を4とした。
    ボヴァリー夫人に続くフロベールの長編、
    歴史スペクタクルである。
    人間とはこのように浅ましい動物であったのかという
    目を覆いたくなる場面がどんどこ出てくる。
    とくに下巻。
    各勢力、種族の欲望が渦を巻き、
    今日の勝者は明日の敗者、
    飢えをしのぐためにはし肉を喰らい、
    足りなくなれば弱ったやつを慈悲と称してぶっ殺す。
    きっかけもすべて、人の欲望であり葛藤。
    理性がなければここまで死人が出る。
    その恐ろしさと業の深さに人として戦慄を禁じ得ない。

    現代仮名遣いで再読したい。

  • リバイバル コレクション(上下巻セット)
    旧仮名遣い

  • うそ。ダメモトで検索したらあったよ。信じられない。さすがアマゾン! …あ、でも、在庫切れなんだな…。 

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