- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042079040
作品紹介・あらすじ
少年の心を理解しない神学校生活の車輪の下に少年は堪えきれなくなって逃亡する。が、人生苦難の道は果てしない。生の悦びの追求と禁欲的な求道的な傾向の間に立ち、懊悩は深まるが――。
感想・レビュー・書評
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やっぱり好きです。この世界観。
経験こそすべてだと感じる一冊。 -
名誉を得たいがために己の好物を忘れるのは、大変愚かなことだと思った。
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文章読むのがすごく楽しかった 久しぶりの読書だったし内容は別に面白いわけではないけどとにかく文がめちゃくちゃ面白くてヘッセの他のも読んでみたいと思った
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結末がね…
あまりにも哀しい。
大人たちはそんなつもりはない言動も思春期の多感な少年たちのとっては大きなプレッシャーになるんだなと。 -
読書傾向が支離滅裂と気づいてはいるのですが
こころのおもむくまま、気の向くまま
それで心地よいのだから仕方ありません
でも、そんな気の向くままに読み継いでいると
不思議と今の自分に何かしら関連してくるから面白いのです
まあ、凡人の思考なんて年経てもそんなに複雑化するわけないから
何につけても自分に問いかけるしかないのでもあります
というわけで、まえに高橋健二さん訳で読んだ『車輪の下』の時よりも
ああ、そういうことだったのか!、という感想になりましたが
訳が問題なのではなく、理解できた時がわかったときということです
「青春は年齢を言うのではない、勇気を持って挑むことができる時が青春である」
という詩がありますが
この秋山六兵衛氏訳の『車輪の下に』を読みまして
青春というその意味がわかったとき、それがまさに青春の意義だと思いました
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主人公の優秀で利発な少年ハンスが勉強ができる故、村の期待を背負って
好きな趣味もすっかりやめ頑張って、官費で神父になれる神学校にみごと入学しても
まだまだその先があると、村の大人たちに叱咤され、
せっかくの夏休みも返上で勉学に励まざるを得ない
入学すれども状況は同じ
「そうしないと車輪の下じきになる」と神学校の校長先生
って、この状態が車輪の下でしょうに
唯一の理解者の友人ハイルナーも神学校を脱走してしまい
孤立無援のハンスはとうとう精神を病んでしまい
学校を辞め、村に帰ってきても立ち直れなかったハンス
「とにかく、真に天才的な人間にあっては、傷はたいていよく癒着し、学校のことはおかまいなくりっぱな作品を書き、後々になって、彼ら(型にはめようとした教師たち)が死に、時代の距りという快い後光に包まれたとき、それらの作品が、学校の教師たちから、他の時代の人々にすばらしい作品として、また気高い範例として紹介されるような人物になるということは、せめてものわれわれの慰めである。」
などと、ヘッセが何気なくこの小説に挟み込んだ文章は、
自身の青春を語ってやまないノーベル賞作家の言いたかったことと思いました -
読んだのは10年ぶりくらい。
繊細な少年が抑圧や環境によって押しつぶされてゆく様が
印象的。
実は、大学入試のときにテーマに挙げた小説だったので、
非常に思い入れがある。 -
ヘッセの本を読むのは授業で習った少年の日の思い出以来であった。ハンスが受験勉強し神学校で友と触れ合い様々な大人との関わりの中で堕ちていく姿は痛々しかった。学校での様子の描写が好きである。ヘッセはどちらかと言うとハイルナーなのではないか?と思った。大人になる前に読めて良かったと思った。
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美しい自然描写とその中に生きる少年たちを瑞々しく書いた作品。
轍に沿って進まされる少年たちの葛藤や苦悩を鮮やかに描いている。
訳がわかりにくいのが残念だが、ドイツ語訳は英語ほどスムーズにはいかないのだろうか。