変身 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042083061

感想・レビュー・書評

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  • 私の記念すべきカフカデビュー作品。
    シュールな現状とリアルな息苦しさ、残酷な解放が負のテンポを刻む名作だと思う。
    現実ってこんなもんだ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「現実ってこんなもんだ」
      異常な事態をありのままに受け入れる。オカシイと思わないのか?と言いたくなるが、私たちの日常も、似たり寄ったりですも...
      「現実ってこんなもんだ」
      異常な事態をありのままに受け入れる。オカシイと思わないのか?と言いたくなるが、私たちの日常も、似たり寄ったりですものね。。。
      2012/06/02
  • いろいろとなんとかこの本の解釈をしようと試みました。レポート(ノンフィクション)を読んでいるような感じがして、虫がすきじゃないので作品自体は好きではありませんが、一生心に残っている良い作品だと思います。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「虫がすきじゃないので」
      不思議な作品ですよね、家族は何故虫になったグレゴールを信じるコトが出来たのでしょうね?(虫が苦手な私なら、真っ先に...
      「虫がすきじゃないので」
      不思議な作品ですよね、家族は何故虫になったグレゴールを信じるコトが出来たのでしょうね?(虫が苦手な私なら、真っ先に殺虫剤を・・・)
      色々悩んでも虫になっちゃダメですよ。
      2012/07/07
  • 「ある朝、自分がとてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。」
    姿かたちが変わっても心はグレゴールのまま。ただしそれを知らない家族には気持ちが伝わらない。一家の長男としての責任や、妹の将来を心配するやさしい気持ちをどうしても伝えることのできないもどかしさ。
    やがて、グレゴールの存在を忘れて再生していく家族。それは人間の強さでもあり、寂しさでもあります。

  • 『変身』…奇想天外な発想とリアリティが同居する不気味さがあった。
    『ある戦いの描写』…難解なり。

  • 読んだ後の感覚がなんとも言えない。時代を越えた傑作!

  • 「変身」は主人公が毒虫になることによって周りが「変身」する様が描かれている。
    最後は・・・ハッピーなの?主人公アレなんだけど。

    「ある戦いの描写」は・・・よくわからなかった。なので事実上、「変身」だけの評価。

  • 別に不気味でも怖くもなかった。漫画の読み過ぎなのかしらないけど。
    設定がおもしろいし、淡々とした主人公がすてき。
    ひたすら次はどうなるのかが気になって一気に読了。
    予測では蛾どか蝶になって人間界と別れを告げる、と思っていたらあっさり死んだ。
    ひたすら主人公のいざというときの潔さがいっそすがすがしくて。
    でも「なんで?」「なんで?」の連続。これが不条理か。
    新しいジャンルに出会えて感動。

    解説曰く「なんだか胸の奥がひりひりするような寂しさにかられない読者があったら、かなり健全すぎる神経の持ち主」らしいが、じゃあ私は健全すぎるそうだ。

  • ある朝、目覚めるとグレゴールは巨大な毒虫へと姿を変えていた…

    ある一つの事件をきっかけに、家族に広がる重苦しい雰囲気
    その原因は紛れもなく自分なのに、どうにもできないという閉塞感は、読んでいて苦しかった。
    ラストで解放された家族の姿が、また悲しい。


    もうひとつの「ある戦いの描写」は…
    ごめんなさい。ギブアップでした
    マジで意味がわからない

  • 朝目覚めると一匹の巨大な毒虫と変わっていた、という衝撃的な設定のカフカの「変身」。この本の存在を知らない人は少ないのではないでしょうか?

    私も、子供心(といっても10代半ばだった)に衝撃でした。当時の私にとっては内容が大人過ぎて理解できなかったことを差し引いても、文章が固くて面白くない、という印象が強く、名作、とも思わずスルーしていました。

    さて、ここに角川文庫で中井正文さん翻訳の「変身」があります。今回は、文体が軽妙に感じて、するりと、物語の中に吸い込まれました。実は翻訳者の中井正文さん自身、直木賞候補にもなった小説も描いている方だそうで(まだ読んでいませんスミマセン)、翻訳の力が大きい気がしました。加えて、あとがき、解説もしっかりしていて、不遇の作家カフカの人生を知ることができ、物語や作家への興味ろ理解を深めるのに大変役立ちました。ので、角川版、オススメです。

    「変身」って、企業でいうと異動の多い、今の時期から5月にかけて読むといいかな~。

    "毒虫"になったという設定ですが、こう読んでみるとどうでしょう?

    これまで家族のために無理を重ねて、毎日毎日たいして好きでもない仕事を、上司や仲間に気持ちを踏みつけられながら、ただ収入のため、家族を養うため、結果として自分が社会適応していくために続けていた。けれども、実はそこから逃げ出したくて仕方がない。ある朝自分の中のそうしたネガティブな気持ちが"毒虫"というかたちで顕在化した。

    とすると、この物語の主人公は、もしかして、「あなた自身」ではないですか?

    自分のこととして読みだすと、とても深い。泣けてくる人もいるだろうな。

  • 人間は、他人とコミュニケーションすることで、自分が人間だと認識している。
    虫(毒虫)になってしまったグレーゴルは、初めは自分はグレーゴルだと言い聞かせるものの、家族の扱いと共に、自分は「虫」という認識に変わる。

    心は残っていても、他者が自分に対しての想いが変わってしまうと、自分は姿形だけじゃんなく、存在まるごと変身してしまう。

    読んでいるうちに、何故虫になってしまったのか。とかそーゆー問題では無いと気付かされた。奥深い話。

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著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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