八人のいとこ (角川文庫 マイディアストーリー 1)

著者 : ルイザ・メイ・オルコット 村岡花子

• KADOKAWA (1960年9月10日発売)

感想・レビュー・書評

[地球っこさんの感想 · 2016年10月29日]

角川文庫マイディアストーリーシリーズ。
とにかく赤色のチェック模様のカバーが、ずっと昔(この小説は140年前に発表！)日本の少女たちが憧れた海外の少女たちの雰囲気にマッチしていて、とても可愛いのです。当時の彼女たちは、外国のおしゃれやインテリア、イベントに遊び、いろんな出来事を本の中で知り、想像していたのでしょうね。この物語の中でもクリスマスの情景は、特に賑やかでワクワクしました。

両親を亡くした女の子ローズを取り巻く7人の従兄弟。そして、彼女の後見人として一年間目に入れても痛くないほど愛し育ててきた叔父のドクター・アレック。そして、個性豊かな面々の叔母たち。外国の少女小説ならではの登場人物たちでした。
青白い顔をしたひ弱な少女が、元気に明るく優しい少女に成長し、最後に一緒にいる人を選ぶまでの物語です。時には、病気や友人関係、ボーイフレンド問題や、少女にふさわしいおしゃれの仕方・・・そんな教訓めいたことも出てきますが、すんなりと心に留めておけるのも物語だから出来ることなのでしょう。

[桜雪さんの感想 · 2010年2月24日]

主人公がお金持ちのお嬢様（最初は甘やかされていた）なので「若草物語」ほどの親しみは持てなかったですが、タイプの違う7人の男子にちやほやされるという展開は、今日の女子の妄想と近いものがある（昔も今も少女が二次元に求めるものって変わらないなあ）。少年たちの中でキャラが立っているのは、アーチー（正統派）とマック（メガネ男子）とチャーリー（キザ男）。でも、一番素敵なのは、アレックス叔父様だったな。

[sorasoranoさんの感想 · 2009年12月3日]

2009.12
児童版が家にあって、原作はもっと長いことを知って手に取った。おおまかな物語は、児童版と全く一緒。懐かしかった。

[びー玉さんの感想 · 2006年2月6日]

コドモ時代に抄訳を読んだ。完訳もよいけど、抄訳でも十分かも。
今読むと、多少つらい部分もあるが、好きな話。

著者プロフィール

ルイザ・メイ・オルコット（Louisa May Alcott 1832‐88）
19世紀を代表するアメリカ女性作家。ペンシルヴァニア州ジャーマンタウンに生まれる。教育者・哲学者の父親エイモス・ブロンソン・オルコットと、奴隷制反対運動に関わっていたメイ家の出身であるアビゲイル・メイの次女として生まれる。マサチューセッツ州コンコードで少女時代を過ごし、ラルフ・ウォルドー・エマソンやヘンリー・デイヴィッド・ソローと交流があった。南北戦争時には北軍の看護師として従軍。南北戦争後に『若草物語』（1868）を出版し人気を博す。『若草物語』執筆前（1866）に、A. M. バーナード名義で大衆向けのスリラー小説を出版していたことが、20世紀にはいって明らかになった。

「2021年 『仮面の陰に あるいは女の力』 で使われていた紹介文から引用しています。」