女ともだち (角川文庫 赤 541-19 レンデル傑作集 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042541196

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  • 最後のほうで必ず極端な行動に走る。後味が悪くて、読むのが苦痛だった。
    解説を読んで、なるほどそういう短編集なのね、と思ったものの後味の悪さは消えるものではない。

  • 表題作「女ともだち」
    映画『リリーのすべて』を思い出した。主人公にはひたすら同情する。ラストの爆発ぶりもショック装置というよりはカタルシスだった。女装した男たちを仲間のように思う女は多いが、男の方ではそんな風に思っていない。どんなに女性的に見える男だって当然のように女は「女」として扱うのだ。この意識の差がリアルで面白かった。

    しかし、あとの作品にはそれほど面白みを感じない。以前読んだレンデル傑作選2が、理不尽な男に鉄槌をくだす系烈女のお話で良かったので購入してみたのだが、もしかしたら自分はミステリー自体そんなに好きじゃないのかもしれない。

  • 短編集。これが初のルース・レンデル。以前ネット上の「ずっとお城で暮らしてる」の感想で「ハートストーン」に触れているものを見かけ、レンデルの名前は何となく覚えていた。今回思い立って「ハート・ストーン」を注文したついでにこれも購入。文庫で気軽に通勤に持っていけたので、本命の「ハートストーン」より先に手に取った。
    ごく普通の日常を送る人が、ほんの少しのずれから狂気へと滑り落ちていくものが多かった。心理描写が巧みな作家だと聞いてはいたが、確かに、登場人物の心情の揺れ動きは違和感なく結末まで繋がっている。ミステリ作家らしく、どの作品もきちんと論理的に終わっているという印象を受けた。
    「ハートストーン」もこの調子で「きちんと」結末がつくのなら、「お城~」を期待するとがっかりするかもしれないな。
    気にいったのは「ダーク・ブルーの香り」「ポッター亭の晩餐」「口笛を吹く男」「時計は苛む」。

  • レンデルの短篇集(日本では)三冊目の『女ともだち』。
    表題作は、アメリカ探偵作家クラブ最優秀短編賞を受賞。
    一篇が20ページ前後であり、比較的翻訳ものでも退屈を感じない。
    現代イギリスをリアルに描き出す、ルース・レンデル。女流ミステリ作家に興味がある方、イギリスに興味がある方にはとてもお勧めしたい一冊。

    --------------------------短篇の目次-----------------------------------
      1.女ともだち
      2.ダーク・ブルーの香り
      3.四十年後
      4.殺意の棲む家
      5.ポッター亭の晩餐
      6.口笛を吹く男
      7.時計は苛む
      8.狼のように
      9.フェン・ホール
      10.父の日
      11.ケファンダへの緑の道
    ----------------------------------------------------------------------------
    短篇集において、今回はあらすじや一言のコメントを書くかをとても迷った。
    いつもは書いているが、どうするべきか。
    どうせ誰も読んではいない。コメントをつけた所で、読みたいという興味を引けるだろうか。

    全編を通して、レンデルの魅力が満載された短篇集であった。
    レンデルの魅力を二つのキーワードで表すと、

    異常心理
    サスペンス

    である。この全編に流れる、ひそやかな冷たい空気がたまらない。
    それに、この各短篇のタイトルだけで既に全てを物語っていると言っても過言ではない。

    海外翻訳物の短篇集ときたら、各タイトルが一番の決め手に成り得る。どれもある種の毒を放っている。あらすじなぞ必要ないかもしれない。


    何も知らないで読むことを強く薦める。いや、でも語りたい。ああ迷う。

    じゃ、じゃあ表題作「女ともだち」だけ……


    -----------本文一ページ目から、三行のみ抜粋-----------------
    「こないだ二人でやったことなんだけど」と、彼が言った。
    何週間ものあいだ、彼女はこれを待っていたのだった。「ええ?」
    「もう一度やってみる気はないかと思って」
    ----------------------------------------------------------------------------------

    主人公クリスティンは、結婚している。しかし今でも男性が異常に苦手であった。


    駄目だもうこれ以上言えない。

    「異常心理」ってどういうこと?
    と思うひとは読んでみたら良いと思う。

    春休み中にレンデルとフィリップ・K・ディックを読んでから寝ていたら一カ月ほどずっと悪夢ばかりで生きた心地がしなかった。

    とにかく人間て怖いな。という本です。
    今また再読したいなあと思います。人生勉強になります。

    みんな、人間って怖いんだよう。

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