階段の家 (角川文庫 赤 レ 1-52)

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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042541523

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  • えもいわえぬ甘美な魔力が通奏低音のように脈打つ。異様で病的だが抗いがたい誘惑。波打ち際を裸足で歩くとき、返す波に砂がさらわれ蹠が感じるあの怖いような嬉しさ。あるいは…禁じられた遊び?
    宿命の恋がひとの人生にどんなことをするか、2組の恋人たちの冥い命運を描き、間違いなく著者の最高傑作である。
    ヴァイン/レンデルのシリーズ、角川文庫の杉本典巳氏のカバー画がいつもすごく素敵。クラシカルでモダン、エロス/タナトスのせめぎ合い。もうこれ以外ありえないというくらい雰囲気がぴったりなのだ。

  • 先が気になるストーリーなのに、なぜか挫折に挫折を重ね、完読するまで10年位かかったという、私の中ではなんだか印象深い作品です。ちょっとした秘密を持つヒロインが、強烈な個性を持つ女に日常を破壊されていくまでを描いているのですがね。人間の悪意って怖い。そして悪意のある恐ろしい女だと解っていながら惹かれてしまい、離れられなくなる不可解な心境。この女と縁を切らないと破滅すると承知しながら唯々諾々と従ってしまう。日本で起きた凶悪事件の加害者であり犠牲者でもある人々って、こんな感覚だったのだろうかと思いました。私だったらさっさと縁を切るのに……と思うけど、同じ立場になったらどうするんだろう。この先に破滅しかないと知りつつ、行動を共にしてしまうのだろうか。物語を通して内省するから、読み終わるまで時間がかかったのかも……?

  • コゼットは優しく良い人間だって主人公は語るけど
    そうとは思わない。禍のもとで、無理なく自分の
    階級と環境と年代で生きていけば、これほど
    周りの人間を不幸にしなかった、と思う。
    考えさせれれた。

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