アウト・オブ・サイト (角川文庫 レ 4-4)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042692041

感想・レビュー・書評

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  • 久々の、本当に久々のレナードである。そしてやはりレナードは面白かった。とにかく登場人物が洒落ている。活きている。どんどん引きずり込まれる。
    フォーリーのクールさは映画版のジョージ・クルーニーぴったりだし、キャレンの凛々しさは確かにジェニファー・ロペスだなぁ。本作ではフォーリーは50前、キャレンはどうやら白人という設定みたいだがこのキャスティングは素晴らしいと改めて思った次第。
    まあ、観ていない映画の話はこれくらいにして、とにかく車のトランクの中に銀行強盗と女連邦官が一緒に閉じ込められるというワン・アイデアがこれほど面白く働くとは思わなかった。水と油の職業の者同士が恋に落ちるというパターンは山ほどあるが、これほど奇抜でしかも説得力のあるシチュエーションは初めて。
    ここから織りなされるそれぞれの思いの道行きが大人のムードを醸し出しながらも初々しさを持ち、そして再び出会った時に爆発的な化学反応を起こす、このストーリー・テリングはやはり超一流。スラングを多用し、また地の分に台詞を同化させたレナード・タッチもふんだんに織込まれ酔い痴れました。
    ただ2人の恋の盛り上がり方に比べ、結末がドライで呆気なく幕引きになるのが残念。あとやっぱり『ゲット・ショーティー』の奇跡的な構成が記憶に残っているのでそれを超えられるほどのものがなかったのも物足りなかった。
    ともあれ、レナード作品の翻訳再開は非常に嬉しいし、どんどん読みたい。どうか作品紹介が今後も続きますように。

  • セクシーでタフな連邦執行官キャレンは、偶然脱獄現場に鉢合わせる。
    果敢に立ち向かうが、逆に犯人と一緒に車のトランクに押し込まれ、逃走に付き合う羽目に。男は、甘い声で窓口嬢を脅すという手口の銀行強盗常習犯、ジャック。
    闇の中で肌を触れあわせながら、いつしか映画の話などをするうち、あろうことか、二人はあらぬ気持ちを催してしまう。うまく逃げおおせたジャックと、彼を追うことになったキャレン。逃亡と追跡のせめぎ合いが激しくなるにつれ、二人の恋心も一層燃え上がるのだが…。
    スウィート&ビターな大人の恋が彩る、最高にロマンティックなクライム・ノヴェル。
    映画ではジェニファー・ロペスが演じていたカレン・シスコ捜査官のタフでセクシーな魅力、殺しなどの荒事を好まず紳士的に銀行の窓口の女性を巧みな話術で誘導して金を手に入れることを信条にしている紳士強盗ジャック・フォーリーのダンディな魅力、ジャックとカレンの自分の立場は充分心得つつも相手を思いきれず危険を承知で惹かれ合う切ない恋の顛末、ロマンティックなクライムノベルとして楽しめます。

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