悪魔とプリン嬢 (角川文庫 コ 11-6)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042750062

作品紹介・あらすじ

「条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」悪魔にとりつかれた旅人が、山あいの平和な田舎町ヴィスコスを訪れた。この恐るべき考えを試すために。町で最初に旅人と知り合いになったのは、ホテルのバーで働くプリン嬢。田舎町での平凡な毎日にすっかり退屈していた彼女こそ、旅人の計画にどうしても必要な人物だった-。魂の作家が世に問う衝撃作。

感想・レビュー・書評

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  • 田舎町に訪れた旅人が、住民の一人を殺せば、一生豊かな生活ができるほどの金塊を譲ろうと提案する話。旅人と住民一人ひとりが、各々の内にある善と悪に耳を傾けながら葛藤するという、人間の生臭ささを描いている。舞台と設定はとてもユニークで興味をそそられたが、個人的には終わり方はあっけない感じを受けた。

  • ペンネーム:mii
    最後の晩餐のキリストとユダのモデルが同じ人物で、善と悪は同じ顔をもつ、というセリフが心から離れられない。悪を通して見る人間を熱く書いている小説であると感じた。

    姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→
    蔵書なし(投稿当時)

  • 人間は本質は悪なのだろうか。

  • 人間の本質は善か悪か。難しいテーマのように思えるが、設定がたくみで序盤から面白い。心の中にいる天使の輝きと悪魔のささやきに揺れる登場人物たち。信仰と犯罪、町に伝わる聖者の逸話などの間で様々な論議がかわされる。最後はうやむやにならず、明確な解答にすっきりした読後感だった。

    昔のアニメとかでよくあったアレ、
    主人公がよこしまな考えを抱いたときに横から登場する、
    悪魔「やっちゃえよ」
    天使「ダメだよ!」
    みたいなシーンを思い出しながら読んだ(笑)。

  • 非常にスピリチュアルだったが、人生の格言が幾つかあり、非常に本質を捉えたもののように思えた。

  • 山奥の小さな村に訪れた異邦人。彼の仕掛けた大きな問と罠に翻弄される、プリン嬢と村の人たちの姿を通して、人の善悪を問う作品。
    まあ、金(またはある種の善と言い含められるもの)のために悪を成せますか。というありがちと言えばありがちのテーマ。でも、単純な勧善懲悪ではなく、かといって悪の勝利を高らかに歌うものでもなく、正直そういうオチ!?という感じ。なのでカタルシスも無く、もやっとした感覚が残るのだけれど、ここら辺の感性の違いはやっぱり生まれ育った環境が異なるからなんだろうか。
    結論としては人間の中には善も悪も等しく存在するってところなのかな。

  • 「条件さえ整えば、地球上のすべての人間がよろこんで悪をなす」

    人間には良い天使と悪い天使がいて、葛藤しながら選択しながら生きていく。
    悪が根底に存在すると同時に善も存在する、人間の表面でもあり深層でもある部分に光が当てられた作品でした。

  • コエーリョの作品は、どれを読んでもいまひとつ馴染めなくて、やっぱりこれも途中でやめた。訓戒めいたテーマが、ストーリーにあまりに露骨にあらわれていて。ありがたいお話という印象に拒まれて、どうしても没頭できない。校長先生の訓話みたいに。どうなんでしょうね。
    ブクログは、「読み終わった」「積読」などに加えて、「途中でやめた」というステータスを設けてほしい。

  • 4

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著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人といわれている。2002年よりブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、88か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で3億2000万部以上を売り上げた。多くの名誉ある国際的な賞を受賞しており、そのなかにはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2021年 『弓を引く人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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