ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫 ウ 13-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042823018

作品紹介・あらすじ

伝説的な麻薬ディーラー、ボビーZが死んだ。ボビーを麻薬王ドン・ウェルテロとの秘密取引の条件にするつもりだった麻薬取締局は困り果てる。そこへ服役中の泥棒ティムがボビーZに生き写しと判明し……。

感想・レビュー・書評

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  • 冴えない泥棒ティム・カーニーは、けだるかった人生を塗り替える、涙なくして語れない波瀾万丈の大冒険に乗り出す羽目となります。 この小説の登場人物は、気骨ある6歳の男の子を除いて、これでもかの悪党が勢揃いしての、息もつかせぬ展開の連続で大団円を迎えます。 東江一紀(あがりえ かずき)氏の名訳による、評判に違わぬ大傑作です。

  • 再読。
    スピードと軽さ。
    訳文のリズム感。
    ウィンズロウにしては珍しく主役が報われるラスト。
    面白いでしょ。
    ウィンズロウはこういった軽妙洒脱な味を見せるんだよね。多才だ。

  • 再読。やっぱり好き。
    ちょっと都合のよすぎる展開があったりして、ツッコミどころもそれなりにあるのだけれど、ウィンズロウの詩情や語りの力、たたみかける勢いなどがこれでもかと発揮され、翻訳と相まって極上のウィンズロウワールドが生まれている。

    「へなちょこだけどぼんくらじゃない」ティムが、命がけで守りぬこうとするキット少年のかわいいことといったら。この子の造形だけで、すべて納得してしまう。

    なぞのホームレス、ワンウェイも、摩訶不思議な味を出している。ちょっぴり超能力入ったボビーZ探知機は、なぜか偽物であるはずのティムの動向ばかりを敏感に察知するのよね。そのあたりが面白いところ。

    「ボビーZであることから逃れられないのなら、ボビーZになりきるしかない。
     ボビーZになって、すべての敵をたたきのめせ。
     伝説になれ。
     それはつまり、ラグーナをめざせということだ」

    かっこいいぜ。
     

  • ウィンズロウのストーリーテラーとしての才能が良くわかる作品です。そもそも物語が面白い。展開が速く最後まで緩むことなく一気に読めます。

  • 冴えない泥棒ティムカーニーは刑務所内でヘルズエンジェルスの男を殺してしまい、所内で命を狙われる羽目に。生き延びるために麻薬の帝王にして伝説のサーファー、ボビーZの替玉になることに…。ドンウィンズロウの新境地ということだったが、あまり楽しめなかった。ニールケアリーが好きだったので、ウィンズロウの他の話はどれも肌に合わないようだ。

  • 不幸を背負った健気な子供はキット6歳、
    ダメダメな大人ティムがひょんなことから伝説のホビーZとなり、キットと二人で逃避行の旅…
    こうなると面白くないわけがない。

    全戦全敗の落ちこぼれ、国際級のへなちょこ野郎の行先は、
    どこもかしこも敵ばかりの八方塞がり。
    でも、賢い身の振り方などくそくらへ!

    調子良すぎといわれても、面白いから仕方ない。

    あー面白かった〜〜〜

  • なかなか飽きさせない内容で、そこそこ面白かったけど、イマイチかな。
    ウィンズロウには、ニヒルな主人公が似合うと思うんだけど。

  • 不覚にもラストシーン数行は涙で翳んでいた。物語作家としてのウィンズロウの底知れぬ才能に平伏し、惚れ直す。テイストはクライム・ノベルだが、苦いユーモアを交えた先の読めない奇抜なプロット、ロードムービー的な展開の中で繰り広げられる臨場感溢れる活劇、登場人物一人一人の息遣いまでも感じ取れる秀逸な造型は、エンターテイメント小説の見事な完成形といえる。

    やさぐれていながらも胸の内に強さと優しさ秘めた男、一見不純な殻をまといながらも美しい心根を持つ女、そして孤独で愛情に餓えつつも純真な逞しさで大人たちを癒やしていく少年。血の繋がりがないこの三人の愛情の交感に心は揺さぶられ、何とも言えない幸福感に満ちた余韻に浸らせてくれる。

    久しぶりに、また再読したいと思わせてくれた大傑作。

  • 娯楽小説として面白く、主人公が魅力的だった。
    しかし登場人物が多くて把握するのが大変なのと、文体が軽いのが少し浮ついた印象を受けた。
    そういう小説だと思えばいいのだが、後者は訳者の独りよがりな気がしてならない。
    タイトルも原題の方がよっぽどいい。

  • さらっと読めて後味爽やか。一生懸命なのにそうでもなさそうな主人公が素敵。古本で買ったら「俺は何故、何故と問うのか?」という一文にマーカーしてあってちょっと吹いた。でも自分も結構なぜなぜ問うていることに気が付いたという。

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著者プロフィール

ニューヨークをはじめとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、法律事務所や保険会社のコンサルタントとして15年以上の経験を持つ。

「2016年 『ザ・カルテル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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