- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042920021
作品紹介・あらすじ
「一生」とよばれるこの時間のあいだには、学ぶべきさまざまなレッスンがある。とりわけ死に直面した人たちとともにいるとき、そのことを痛感する。死にゆく人びとは人生のおわりに多くを学ぶが、ほとんどのばあい、学んだ教訓を生かすための時間が残されていない。一九九五年にアリゾナの砂漠に移住したわたしは、ある年の「母の日」に脳卒中でたおれ、麻痺状態におちいった。それから数年間は、死の淵に立たされたままだった。すぐにも死がやってくるだろうと、幾度となく覚悟した。そして幾度となく、それが訪れてこないことに失望した。準備はできていたからである。でも、死ななかった。なぜなら、わたしにはまだ学ぶべきレッスンが、最後のレッスンがあったからだった。そのレッスンの数々は人間の生にかんする究極の真実であり、いのちそのものの秘密である。わたしはもう一冊、本を書きたいとおもうようになった。こんどは「死とその過程」についてではなく、「生とその過程」、つまり人生と生きかたについての本を。(著者エリザベスのメッセージより)
【目次】
第一章「ほんものの自己」のレッスン
第二章愛のレッスン
第三章人間関係のレッスン
第四章喪失のレッスン
第五章力のレッスン
第六章罪悪感のレッスン
第七章時間のレッスン
第八章恐れのレッスン
第九章怒りのレッスン
第十章遊びのレッスン
第十一章忍耐のレッスン
第十二章明け渡しのレッスン
第十三章許しのレッスン
第十四章幸福のレッスン
最終レッスン
感想・レビュー・書評
-
人生の15のレッスン。名著。座右の書。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前厄の年なのですが、思いもよらぬ病気になったり、新年からロタウイルス、コロナウイルスと体調を崩してばかりの最近。ついてないな〜と思って読むとあら不思議、私ってめっちゃ幸せやがな、の気持ちがぽっとでてきました。そんな本。
この本を読み始めたきっかけは、推しがこの本を読み返しているという情報をいただいたから。推しサマサマでございます。
死の間際や闘病中は辛いことの方が多いけれど、それが不幸かと問われるとどうもそうではない気がする。苦しくても看病してくれる人がいる幸せを感じることもできる。
どんな状況下でも、人は幸せを感じることができるし、もしどうしても感じれないなら、明け渡したり、自分のおそれを見つけてみたり、不幸であり続ける必要はないんだ、と教えてくれる本でした。
これからの人生で悩んだ時に、良い指針になりそう。読めてよかった。どんな自分でも、ただ生かされてる、そう思って仕事はぼちぼちして遊んで暮らそうと思いましたん。 -
看護師の端くれであり、緩和ケアに携わった者としてエリザベス・キューブラー・ロスは読むべきだろうと思い手にした本。内容は終末期に関わらず、読んだ方がいい本でした。読みながら付箋をたくさん貼ったけど、おそらく読むたびに違う箇所に付箋を貼るのかもしれない。
まさに生きるためのレッスンが書かれており、時には痛いところを突かれる内容。明け渡すという発想、考え方にハッとさせられた。諦めるのではなく、明け渡す。コントロールできないものを諦めるのではなくて、明け渡す。読んでいても難しいと思うのだから、実際に明け渡すことは大変だし、そんなに簡単なことではないだろう。だからこそ、明け渡しのレッスンの前は忍耐のレッスン。そして、明け渡せたら、次は許しのレッスン。
より自分らしく幸福に生きるためのレッスンは簡単ではなく、平坦でもない。自分の内面と否が応でも向き合わなくてはならないし、傷を抱えていれば尚更それはしんどい作業となる。傷を抱えていない人などいないだろうから、これらはみんなにとってしんどく辛いレッスンになるのだろう。
読んでいて、苦しくなるかというとそうではなく、少しずつ励まされているように感じる。一回だけでは、理解には至らぬ本だと言えそう。 -
勧められなかったら絶対に読まなかったであろうジャンル。どの章も深すぎる。
今の私にすごく突き刺さる章があり泣けてくる。
考えを改めさせられたなぁ。 -
何年か前に読んだときにも興味深かったが、わたしは頭で理解して、自分の知識をほんの少し増やしただけだった。
それから、自分の人生でも大きな波をかぶり、藁にもすがる思いで再び手にとった。言葉の一つ一つが、わたしの傷ついたこころに染み込んでいった。
それは、わたしを慰めるだけでなく、きびしく問うものでもあった。「お前は、人生で何を後回しにしてきたのか?」
ようやく自分のこと、として読めるようになった。 -
作者と登場する人たちの人生での経験によって作られたのがこの本で、それらから自分が何かを得られるのはラッキーだし有り難いなと思った。なかには宗教観のちがいがみられる部分も多少あった。何か大きな悩みがあったとき、立ち止まってしまったときには是非読んでみてほしい。
読んでよかったな〜。 -
学生のとき,『死ぬ瞬間』を読んで何か感じるものがあったことだけは覚えている.これはその著者の晩年による,人生とは何ものかを綴った集大成ともよべるものだろう.人生とは学ぶためにある.愛をだ.と簡単に書けるがその真理は奥深い.しかし単純であるらしい.エリザベス女史は,老いて脳卒中を患い,車椅子の生活をしいられた.その体験を踏んで後に編まれた本書では,彼女の学びにおいて未熟な姿を自ら告白する態度に,だれもが同じ人間なのだなあと感じさせるものがある.語られる珠玉の言葉はエネルギーにあふれ,生きて死ぬことに力強いエールを贈ってくれる.
-
キューブラ・ロスの著作の中で最も有名なものは『死ぬ瞬間』ですが、私はこの本が1番好きです。