氷川清話 (角川文庫ソフィア)

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著者 : 勝海舟
  • 角川書店 (1972年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043209019

氷川清話 (角川文庫ソフィア)の感想・レビュー・書評

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  • 明治維新時の幕臣、勝海舟の晩年の語録。
    明治30~31年頃(勝海舟73~74歳頃)に赤坂氷川神社傍の勝邸において、弟子たちが聞いた回顧談をまとめたものと思われる。
    「・・・人間に必要なのは平生の工夫で、精神の修養ということが何より大切だ。いわゆる心を明鏡止水のごとく磨き澄ましておきさえすれば、いついかなる事変が襲うてきても、それに処する方法は、自然と胸に浮かんでくる。・・・それゆえに人は、平生の修行さえ積んでおけば、事に臨んでけっして不覚を取るものではない」
    「人には余裕というものがなくては、とても大事はできないよ。昔からともかくも一方の大将とか、一番槍の功名者とかいうものは、たとえどんなふうに見えてもその裏の方からのぞいて見ると、ちゃんと分相応に余裕を備えていたものだよ」
    「もしわが守る所が大道であるなら、他の小道は小道として放っておけばよいではないか。知恵の研究は、棺の蓋をするときに終わるのだ」
    「あてにもならない後世の歴史が、狂といおうが、賊といおうが、そんなものはかまうものか。要するに処世の秘訣は「誠」の一字だ」等
    その豪放かつ率直な物言いは、『プリンシプルのない日本』の白洲次郎を思い出させる。
    西郷隆盛との談判で江戸城の無血開城に導き、明治新政府でも旧幕臣の代表的役割を果たした勝海舟のプリンシプルが伝わってくる。
    (2009年8月了)

  • おじいちゃんの武勇伝を聞いている気分になる。歴史上の人物が身近に感じられる本だった。

  • 語り口は大言壮語風だが、江戸城を無血開城に導いた勝海舟の言葉だけに説得力がある。特に、外交についての考え方は、現代の我々にとっても大いに参考になると思う。特に、ロシアが対馬を占領しようとしたときの英国公使を使って英国から圧力をかけさせるなど 「夷を以て夷を制す」やり方は、さすが。
    勝が天下の人物として特に認めたのは、横井小楠と西郷南洲(隆盛) の二人とのこと。中でも西郷の胆力は繰り返し言及していてる。
    胆力を養え、無我の境地に到達せよ、余裕を持て等々、若者(当時の書生)への人生訓も多く含まれている。剣術と禅学の修行が役だったとのことだが、日頃の自己鍛練で身につくものだろうか。勝のような偉人の場合、天性のもののような気がする。
    巻末の勝海舟伝も併せて読んで、勝海舟の偉大さが改めてよく理解できた。勝と比べれば、福沢諭吉もだいぶ小さく思える。

  • 自分の勝海舟に関する知識は「咸臨丸でサンフランシスコに行った」,「西郷隆盛との会談で江戸城の無血開城に合意」ぐらいしかなく,維新後の表舞台での活躍もないため,印象が薄かったのだが,すごい人だ,この人は.僕は自分の不明を恥じているところである.貧乏旗本に生まれたが幕府に登用され,何度も幕府を頸になりながらも,幕府が難局に陥れば何度でも呼び出され,上の西郷との会談では幕府の全権として新政府に対する.日本を内線の混乱から救い,維新後に旗本らが路頭に迷わなかったのは勝個人の功績であるが,維新では幕府側は敗者なので,こういった事実は表には出てきにくい.何せこの人が何かに勝ったわけではないから.勝はある段階で幕府を見限っており,日本としての将来しか見ていない.おかげで旧幕臣からは裏切り者とののしられるわけで,本人も人に嫌われていることを自覚しているのだが,日本のためにやっているという信念があるので,批判には我関せずである.
    自分のように勝海舟についての知識がない人は,まず,付録の「勝海舟伝」から読むと良い.

  • 幕藩体制瓦解の中、数々の難局に手腕を発揮、江戸城を無血開城に導いて次代を拓いた勝海舟。晩年、海舟が赤坂氷川の自邸で、歯に衣着せず語った辛辣な人物評、痛烈な時局批判の数々は、彼の人間臭さや豪快さに溢れ、今なお興味が尽きない。本書は幕末維新の際の大立者・勝海舟晩年の口談であり、海舟の人となり、当時の国内外の情勢を知ることのできる好読物である。

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  • 独特の口調で、幕末~明治の政治や人物、そして哲学を語ってくれる。笑えるエピソードや、本当かどうか疑ってしまうような内容もあるが面白い。よく出てくる「ひっきょう」という言葉の意味が解らなかったので調べた。ひっきょう (副)その物事や考えをおし進めて最後に到達するところは。結局。要するに。201311

  • 当時のことを、当事者の言葉で読めるという時点で面白いのですが、
    それもあの勝先生の言葉ですからひとしおです。
    胆力だとかよく言いますけど、こういう人物は最近見かけませんね。

    「大事に当たって国家の安危と、万民の休戚とを一身に引き受け、そして段々呼として、事を処理するような大人物は、今の世に何人あるか。」
    と勝先生も嘆いておられましたが、現代ではこれが皆無な訳です。

    僕は高校で世界史を選択してたので、けっこう知らない人名が出て来て、
    その分面白さ半減だったんでしょうね。
    日本人なのに、授業で選択してないからわからん…
    なんて状況でいいんですか?

  • 勝海舟についての本。

    坂本龍馬、西郷隆盛などの明治を切り開く時代が好きなら、勝海舟という人物も知っている人は多いだろう。

    坂本龍馬と西郷隆盛を繋げた人物とも言われている海舟だが、その考えは「近代国家」をヨーロッパで実際に観た男のスケールの大きく、軸がしっかりした考えがあった。

    この本を読み終えて感心したことの一つは、海舟は本当に知人が多かったということである。自分の人脈を上手く活用し、外国との交渉も他の人よりも信頼を得てやってのけた。

    また、江戸城無血開城の裏には、様々な計画が考えられており、江戸の
    街に火をつけた時に、如何に人民を逃がすかという案も準備していたことには驚いた。

    勝海舟の視点で語られる坂本龍馬や西郷隆盛も、この時代好きには面白く読める本であった。

  • 実践しようと思った教訓がいくつかあった。
    人間大事なのは誠とのこと。

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