不夜城 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043442010

感想・レビュー・書評

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  • 新宿歌舞伎町を舞台に繰り広げられる、中国、台湾、香港など裏社会の抗争を描いたハードボイルド。

    主人公をはじめ、誰もかれもが生き延びるために嘘と暴力にまみれ、良心の呵責すらない。うんざりするほど徹底したノワール小説だ。
    デビュー作で直木賞候補にもなった本作品の初版は1996年、当時の歌舞伎町は、日本の警察の力が及ばない無法地帯と言われていた。知人の案内で怖いもの見たさにゴールデン街の店に行ってみたこともあるが、二度と足を踏み入れようとは思わなかった。
    作者は、学生時代にそのゴールデン街でアルバイトをしていたというから肝が座っている。当時の経験があってこそ、歌舞伎町の血生臭い闇の世界を描ききることができたのだろう。

  • 不夜城で一晩中遊びたいと思う。
    だけど、本作の新宿は遠慮したい。
    主人公とも知り合いになりたくない。
    裏切られるのは当たり前なのだから。
    悪人の上前をはねる悪人しか生き残れない町を描いたハードボイルド。
    こんな町では、ちょい呑みもいやだな。

  • 作家馳星周の本、初読。インパクトのある90年代の歌舞伎町を活写する冒険譚。

  • 過去の既読本

  • 小蓮(シャオリェン)というキャラクターの強烈さ。最後まで裏切り続け、その中のギリギリの愛?信じながらも裏切る、本能的な哀しさ。カタルシスのない小説。本当の意味での孤独。センチメンタリズムに陥らない。

  • 馳星周の作品ってこれと生誕祭だけ読んどきゃあといらないよね

  • 東京歌舞伎町で暗躍する外国人マフィアの攻防
    事実は小説より奇なり というし
    ここに書かれるようなことはあるんだろうな、と。
    こういう本は全く読まない読まずに暮らしてきた・・・

    ふと、友人がこの本と映画についてしゃべったので借りてみた。
    その友人は私を世間知らずだと斬ったように思う。

  • 新宿を舞台にした、アジア人マフィアの抗争。
    主人公含め全く共感できないが、熟読してしまった。
    自分の生きている環境とは違い過ぎておもしろいのかもしれない。

  • 歌舞伎町を舞台にしたアジア人の抗争ということもあり、なんだか龍が如くをイメージしながら読んでしまった。人種を超えた欲望が渦巻いている新宿で、台湾とハーフである主人公の健一は半々と揶揄されながらも、裏の世界で生き抜いている。人が人を信用するということにおいて、登場人物の殆どが、人種や国籍、家族といった血のコミュニティに強い拘りを持っている事に、どこか違和感を感じてしまうのは、自分が日本に生まれ、日本人として生きているからなのだろうか。
    作品自体は展開にスピード感もあり、面白かった。作中の情欲やグロテスクさにどこか軽さを感じてしまう点を、読みやすさと捉えるか、エンターテイメントと捉えるか。

  • なかなか面白かった。結構難しいテーマも含まれてるんだけど、所々に挿入される回想がなんとなく少し失笑してしまうほどにハードボイルド。しかし悲しい話だね。2011年に読んだ事になってるけど、全く記憶がなくて新鮮な気持ちで読みました。ホントかよ俺?

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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