鎮魂歌 不夜城II (角川文庫 は 21-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043442027

作品紹介・あらすじ

新宿の街を震撼させたチャイナマフィア同士の抗争から2年、北京の大物が狙撃され、再び新宿中国系裏社会は不穏な空気に包まれた! 『不夜城』の2年後を描いた、傑作ロマン・ノワール!

感想・レビュー・書評

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  • 歌舞伎町を震撼させたチャイニーズマフィアの銃撃事件から二年。
    北京、上海、台湾、福建、均衡が取れていた思われた歌舞伎町だったが、北京の大幹部が射殺され、再び街が震撼する。
    人が次々に死んでゆく。
    時代設定は天安門事件よりやや後の歌舞伎町。
    前作に続き、ノワール感は素晴らしい。
    そして、最後もひたすらに暗い。が、そこはかとない哀愁と、静かな寂寥感が微かに煙る。

  • 襞に突き刺して気持ちいい。
    あれから健一は強くなった。
    やたらとちんこばかり攻撃するのは反則。

    ああ、だから鎮魂歌なのよね。

  • 人が殺され過ぎ。

  • 長かったけどダレることもなく最後まで勢いそのままで、あのだまし騙されの世界に引き込まれ圧倒された。誰もが自身の欲望をこの手で掴んでやると意気込み動いた結果、誰一人として望んだ未来を手に入れられず無惨な最期を迎え、歌舞伎町は健一の天下に。秋生も滝沢も想う人からは想われず、それでも想うことを止められずなんだか切なく思った。痛い場面は容赦なく痛い。馳さんの描くこのヒリヒリした雰囲気は、なかなか立て続けには読めないのだけれども、一定期間経つとまた読みたくなってしまうから不思議。

  • 不夜城シリーズⅡも凄かった。前作の一人称一視点の主人公だった劉健一は背後に回り、殺し屋秋生と元刑事滝沢の三人称二視点が節ごとに交替する構成。表だってぶつかるのが、上海の流氓、北京の流氓、日本のやくざ、そして秋生、滝沢なので物語がより複雑。初読の時にはちゃんと摑めていなかった模様。きちんとノートを取って読み進めると、面白い面白い。それにしても背後に回ったせいで、余計に劉健一の悪魔性、楊偉民の魔神性が怖い。そして、今回も哀切な純愛の物語であった。さあ、三作目読むぞ!

  • 人を疑い、人を騙し、裏社会をコソコソ生きる。
    大好きです。

  • 再読

  • あらすじ
    中国人マフィア同士の大抗争から2年が経過した。歌舞伎町の裏社会は香港マフィアの襲撃の痛手から立ち直った崔虎を中心にした北京マフィアと、トップ二人を同時に失いながらもNo.3の朱宏を中心にまとまった上海マフィアが縄張りを分け合う危ういバランスを保っていた。そんな中、崔虎のもっとも信頼する部下である「四大天王」の一人、張 道明が兇手(殺し屋)の襲撃を受け部下もろとも殺害される。北京マフィアのボスである崔虎は張のアジトは「四大天王」以外には知りえないとして、裏切り者の洗い出しと下手人の捜索を元悪徳警官で現在は崔虎の使い走りをしている滝沢に命じた。滝沢はジャーナリストの遠沢に張り込みと盗聴を依頼する一方、警官時代にも尻尾をつかませなかった劉 健一から情報を得ようとする。一方で張を殺害した郭 秋生は、通常なら仕事を終えた後はすぐに帰国するところを朱宏の愛人である楽 家麗のボディーガードに充てられたことで、雇い主の楊 偉民の真意を訝しみ始める。 暗殺以外の権謀術数に疎い秋生もまた、情報を得るために劉 健一のもとを訪れるが。

    感想 ノワール作家ここにありって感じ。

  • 読み合い、騙し合い。裏切りに次ぐ裏切りと暴力。はてしない闇の中で輝くのは、希望の光などではなく欲に塗れたネオンの光と流れる血。
    中国マフィアの犬になった元刑事の滝沢と台湾人の殺し屋の秋生の目を通して見えた健一には、もう深い深い闇しかない。

  • 前作主人公が復讐を遂げる話を駒の視点から描く物語。相変わらず全員救いがないし暴力描写はさらに濃くなっている。
    道化として最後まで踊らされ続けた滝沢の視点から陰謀のカラクリが見えてくるのがとてもGOOD。ミステリーというか膨大な人数を口八丁で動かして狙い通りの絵を描く凄さを体感できる。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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