ぼくが医者をやめた理由 (角川文庫 な 33-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043447015

感想・レビュー・書評

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  • 医者を10年で辞めた著者による医者の仕事の本音が書かれていました。お医者さんは病気を治すすごい職業、やりがいがあって誇れる仕事とかいろんないいイメージがあったけど、いい意味でそれが少し覆る本でした。お医者さんも血が苦手だったり、毎日激務で患者に向き合うことができなくなったり、看護師さんに腕を試されたりいろんなお医者さんがいるのだと思いました。医学をいきなり勉強する仕組みが今の日本の大学システムなので、視野が狭くなりがちになるのではと思いました。アメリカは4年間リベラルアーツを学んだ上で大学院で医学を学ぶので、そっちのほうが人間的にも幅があるお医者さんが増えそうだなと思います。

  • 医師として働くことへのやりがい、そして苦悩、患者さんとの交流を通じて筆者の内面が叙情深く描かれていて、当時の自分に大きな影響を与えました

  • 105円購入2012-02-27

  • 内科医として10年病院勤務し、突然やめた筆者のエッセイ。自分はどんな医者だったのか、どんな患者とどんな風に向き合ったのか、医療現場の生の声が描かれています。
    医者だからって聖人君子ではないし、確かな気持ちを持って患者と向き合ってるというわけではないんだなーということがよく分かりました。綺麗事では済まされない、時に辛辣な作者の思いに、医者って大変やな。にしてもこの人、よく10年続いたなと思いました。

  • 「ぼくが医者をやめた理由」3

    著者 永井明
    出版 角川文庫

    p135より引用
    “医者が進歩の名のもとに頑張ると、ろくなことがない、という
    のがぼくの実感だ。”

     元医者である著者による、自身の若かりし頃の経験を綴った一
    冊。
    苦手だそうな注射の話から手術に関する話まで、直接関わった人
    にしか出せないであろう現実感で書かれています。

     上記の引用は、手の施しようがない患者について書かれた話で
    の一文。先だって紹介したがん検診の本と合わせて考えると、随
    分考えさせられる一言です。
     p19に著者が病院に勤め始めた時の給料の額が書かれていますが、
    その金額に時代を感じます。
    病院での出来事が書かれているので、患者が亡くなられる話も多
    数あるため、悲しい思いが嫌ならば読まないほうがいいかも知れ
    ません。

    ーーーーー

  • 医者を10年やって辞めてしまった作者の本。
    この作者は、自分が医者に向いていなかったというポジションに置くことによって、医者が曖昧で不条理で、しかし素晴らしい職業なのだという事を伝えたかったのだと思う。
    この作者は、そこまで酷い医者だとは思わない。正直で人間的だ。ただ作者自身は、そのレベルでは我慢出来なかった。医者はもっと別の何かを持っていなければいけないんじゃないかと、思わずにはいられなかった。
    その崇高な精神は、自分自身も学ばなければいけないと思う。常に謙虚に自己を研鑽していこうと思う。

  • 出版社/著者からの内容紹介
    立派な医師を目指していた著者が、なぜ医者をやめたのか。同僚や看護婦との親交と軋轢、病院システムの問題点。実体験にもとづくエピソードを真摯かつユーモアたっぷりに描いたエッセイ。(藤原新也)

  • この人の文体というか、書き方が好きだ。
    というか、むしろこの人自体が好きだ。

    いわゆる自叙伝とか言う奴なのかなぁ。
    作者本人の医者という経験と、それを通して感じたこと、かなぁ
    さくっとしてて読みやすいです。

  • 00.9.16

  • 著者の誠実な人柄に惹かれました。

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著者プロフィール

1973年東京医科大学卒業。大船共済病院・内科研修医。
1979年モントリオール大学国際ストレス研究所所員。
1981年神奈川県立病院内科医長。
1983年同病院・退職。
以後、医療ジャーナリスト。

「1991年 『ボロウドタイム 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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