- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043464043
作品紹介・あらすじ
富山県宇尾島市氷上小学校。一九九五年八月。この学校の屋上で衝撃的な事件が起こった。六年生の児童二十三名が日没を待って夏休みの校舎に侵入。ふざけあうなどしているうちに児童の一人がコンクリートに頭部を強打、死亡するという事故が発生。他の児童たちは所持していたナイフで遺体を損壊。その一部を屋上から投下した。-そして九年後…。衝撃の書き下ろし最新作。
感想・レビュー・書評
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「~です?」の言い回しの多用に不快感があるものの、割と集中して読めた。終盤のマスコミ報道の描写が長い。
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扱っているテーマが面白いのですが、話が分かりにくく、結論がうやむやで終わってしまい、消化不良でした。。
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前作の『アリス』が好きだったので読んでみました。あらすじは面白そうだったのに、全体的にいまいちな印象。
てにをはの省略や体言止めを多用した特徴のある文体でいて、地の文も登場人物たちの言動も全て同じノリで描かれているため、独白する人物や場面が入れ替わっても描写に代わり映えがせず、最後まで後ろで作者が糸を引っ張る姿がちらつきました。
作中のキーパーソンとして登場する「獣使い」にしても他の登場人物たちにしても、思わせぶりなことを言っているだけの印象で、たいして凄みは感じられず。みんな情報出し惜しみしすぎ。もっと率直に話そうよ。 -
面白かった。
アリスにはまった方はぜひ。似た臭いがする。所謂超能力とは違った、人間あるいは脳が持つ秘められた能力のようなものが好きな方には受けると思われる(作者はこのテーマが多いか)。
推理ものとしても面白い。序盤できちんと犯人特定のヒントは出ている(名前は特定できないが)。
ところで三十四章の人称は誰なのだろうか。 -
そういやこの人の作品ってだいたい理系だった……。読むのにやや苦労(苦笑)。
たしかに。「間違え」ましたよこれは! たぶんほとんどの読者は「間違え」ると思うなあ。だもんで「カワイソウな人」の意味がすっと理解できる。なるほど、これはやられたなあ。 -
一九九五年八月。富山県宇尾島市氷上小学校。六年一組の児童二十三人が日没の学校に侵入した。屋上でふざけあってるうちに一人の児童がコンクリートの壁に頭部を強打し死亡した。他の児童達は、所持をしていたナイフなので死んだ彼をバラバラにして、屋上から手足を捨てた・・・。この衝撃的な事件は、当時を震撼させた・・・。
そして九年後、当時捜査にあたった所轄の刑事課の内海は、精神病院に一人の少女を訪ねる。九年前の事件の後で「獣遣い」と呼ばれていた少女宮地珠紀に呼び出されたのだ。「『獣』が戻ってきます。」と彼女は、言う。彼女との会話は、あまりに断片すぎて容易に捕らえきれない。まるで未来を予測してるような・・・。
次の日、氷上小学校の屋上で全裸のバラバラ死体が発見された。県警は、特別捜査本部を設けて、九年前の失敗を繰り返さないために大々的に捜査を開始する。本庁からは、科警研心理1室三班から一人女性が加わった。彼女は『獣』を封じ込めるために来たのだ。
遺留品・指紋・足跡も何もでず捜査は、暗礁になりそうだったが、内海の発言を聞いた県警の警察官は、事件を説くきっかけを得る。
犯人は見つかるのか?九年前の事件との繋がりは?事件の真相とは?そして『獣』とは?現代の情報社会を問いただすホラーです。
え?面白そう?実は、あまりお薦めしません。中井さんは、ホラー作家なのですが、作品ごとに違う顔を出します。この作品が一番つまらないかも・・・ -
9年前、小学校で起きた猟奇的な事件と酷似した事件が、また同じ小学校で発生した。事件の直前、9年前の事件当事者の一人である天才美少女がその事件発生を予言していた。「獣が帰ってくる」と。不可解な事件を解明する為に、所轄の刑事と科警研(科学警察研究所)の研究員が微妙な協力関係で真相に迫る。そして事件は連鎖を始める。果たして「獣」の正体は?現実世界で起きているネット犯罪、その根源は「情報」なのか、情報を操りながらも情報に翻弄される「人間の危うさ」なのか?フィクションでありながら、現実世界の問題を問う、少々難解なホラー作品。