- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043480012
感想・レビュー・書評
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失恋しそうなときに読み始め、失恋した後に読み終わりました。運命なのではないかというほど、いいタイミングだったコトも重なり、自分の胸にするすると入ってきました。江國さんのことが大好きになりました。落ち着いていて、哀しくて、それでいて芯のある物語。
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一気に江國香織ファンに引き込まれた作品。2013年今現在も、江國香織作品でこれを超えるものは無いかもしれない。表現の美しさ、空気感、ストーリー全てが満点の作品。
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よく行く喫茶店でいただいた小説。江國香織の作品はいくつか読んでいるけど、その中でも本作は文章が陰鬱で湿っぽい感じがした。主人公の梨果と元カレの健吾、そして恋敵の華子の三人の恋模様を描いたものだと思いきや、自由奔放な華子が周りの人々を翻弄して関係を掻き乱してたらいつの間にか話が終わった。あらすじから勝手にイメージした物語とはかけ離れていたので、少し肩透かしをくらってしまった。
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やっぱり江國香織の文章は読みやすい。
描写や比喩の表現方法が斬新で、それでいて普段気にもとめないようなことに気づいて、それを絶妙な言葉で表しているのだから、一体普段どんな生活を送っているのだろうかと思ってしまう。
きらきらひかる然り、落下する夕方然り、あまり好きではない男女の三角関係を、江國香織が書いていれば必ずと言っていいほど好きになるのだからとても不思議だ。
すれ違う魂の、その一瞬の物語。
そうしてまた、これは格好わるい心の物語でもあります。
(あとがき)
「落下する夕方」は〈時間の小説〉である。ひとりの女性がゆっくりゆっくり時間をかけ(なんと、15ヶ月)失恋してゆく物語である。
(解説)
私は読了後、なんて悲しくて切ないんだろうと思った。そして、なんだか心が浄化された気がした。
(2023.7.)
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私の妹は華子という名なのだけれども、高校生のときによく本を貸し借りしていた同級生の男の子に「あなたは『落下する夕方』に出てくる華子ににている」と言われ、それを言われたのちに小説を読み、衝撃を受けたらしい。華子に似ているのかと。私は華子がとても好きだった。
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改めて、江國香織さんの才能を思い知る。失恋の話だが読んでいて不思議と心軽くなる。休日や寝る前にぼやっと読んだ、夜疲れているときでも話がすっと心に入ってくる、空気が心地よい。
長年付き合っていた男性に好きな人ができ、別れるが、その好きな人とフラられた主人公が奇妙に同棲を始め、妙な三角関係で描かれるストーリー。
失恋、諦め、執着、寂しさ、少しの希望。若いが程よく落ち着いた感性と、もう一人の女性の感性との対比。
良い本はタイトルもハマっていると思う「落下する夕方」
以前映画も見たことを思い出す、菅野美穂さん(あれは酷かった)
実家に帰ったときに本棚にあるのを見つけ、持って帰ってきた。再読でも全然楽しい読書時間。
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華子が好きだったな。母親はあまり好きじゃなかったみたい。
姉と私どちらも江國香織作品が好きで、よく(勝手に)貸し借りし合っていた思い出。 -
未練や執着や惰性、そういうものに満ちた愛情。
ちょっと右下がりのゼリービーンズのような小さな文字。コップに差した長ネギ。 -
華子に会ってみたいなぁ。華子みたいな人が結局魅力的なんだろうなーと考えました。
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江國香織3冊目。ちょっと、わかってきたかもしれない!表層をふよふよと漂う心の動きが。