冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)

  • 10585人登録
  • 3.54評価
    • (990)
    • (1164)
    • (2674)
    • (236)
    • (70)
  • 1120レビュー
著者 : 江國香織
  • KADOKAWA (2001年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043480036

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
吉本 ばなな
宮部 みゆき
宮部 みゆき
江國 香織
綿矢 りさ
有効な右矢印 無効な右矢印

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 未来へ向かって進もう!前へ進もう!誰かを好きになったら想いを伝えよう!!
    みたいな考え方が、いまの世の中の主流だと思う。

    うんざりするほどの上昇思考の現代。
    過去の恋愛にとらわれたり、うしろを振り返るのはネガティブだとされる。
    前向きであることが、ポジティブであることが、人生なのだろうか。

    忘れられない思い出、何年も前の約束、そんなものを心に秘めて生きている、主人公のあおい。読み手によっては、悲劇のヒロイン気取ってんじゃないのかと思われそうな、陰のある女性。

    彼女は前向きではないし、想いを伝えることもしない。
    そんなことをしても、それは自己満足に過ぎないと彼女は知ってる。

    堕胎のことを引きずるあおいを献身的に支えようとしたマーヴは救われなかった。あおいは彼に甘えたけど、頼りはしなかった。

    みんなが一緒に幸せにはなれない。
    それをネガティブとか、後ろ向きとか、悲劇のヒロインというのは簡単。
    いつだって過去には勝てない。思い出に勝るものはない。

    さみしいけどそういうことなんだと思う。

  • 恋とも愛とも友情とも憎しみとも言えない、名前のつかない感情、空気感を表現させたら、このひとの右に出るものはいない。そしてそういう名前のつかないなにかで、ひとの一生は占められることが多いのではないだろうか。

  • これくらいの時期の江國さんの作品が好き。家の本棚にもこの時期の作品がたくさんあって何度もなんども読んだ。
    じゅんせいの青の物語と合わせて読むと、なお2人の心情の動きがわかって面白い。
    あんなに愛されている完璧な男性がいるのに、過去の恋愛を忘れられないのあおいを、むかしは羨ましいと思ったけれど、こんなにもお互いを束縛する恋愛は今は不幸だとおもってしまう。読む時々で感想が変わるから読書は面白い。

  • イタリアに行ったので、イタリアが舞台の話が読みたくなって。
    映画は昔見たけどもう忘れてしまった。Bluの方は後日読む予定。
    忘れられない人がいるということは、ロマンチックだけど不幸なことなのかもしれない。

  • 多分一番多く読み返している本。そして私がイタリアに憧れを抱くきっかけとなった作品。

    初めて読んだ時は高校生。正直つまらないと思った。
    映画と辻仁成の「青」は素晴らしく面白かったけど、この「赤」はつまらない。
    お風呂と読書とセックスしかしていない、ただ優雅で怠惰な女性の単調な話じゃないかと。

    大人になってからはそんなあおいの生活に憧れ、こんな恋を羨ましいと思った。

    そして今、今まで苦手だった江國さんに何故かいきなりハマってしまった今。
    素晴らしいと思った。
    江國さんの他の作品を読んでいると分かる。
    江國さんだけの小説だったら、こういう台詞は出てこないと思う言い回しが多々ある。
    でも恋愛を始め、人との交流というものは自分では予期出来ない台詞の応酬だ。
    これは共作のなせる技だと思う。
    それに、それでも江國さん色は失っていないのだ。

    来月、念願が叶ってイタリアに行ける。
    この本は絶対に持っていこう。

  • 名前聞いたことがあったから読んで見た本。
    赤と青があるのも知らなかった。
    多分僕にはずっとわからない女性が主人公なので、青から読むべきだったんだろうな。
    雨が好き、とか、合理的ではない、感情だらけで。
    でもなぜかページをめくってしまう本でした。

    イタリアに行きたくなりますね。
    あとは、青の方も読もう。

  • 3.5
    アオイ目線の忘れられない恋の話。イタリア生まれのアオイの現在のマーヴとの満たされた生活。一方、大学時代に東京で一緒に暮らした何よりも大事だった順正。時に思い出し、東京の友人の訪問、手紙、10年前の約束のフィレンツェのドゥオモに登る。マーヴを本心から好きだが…タイトルの冷静と情熱のあいだが言い得て妙。何もしない、何もならない毎日で何がいけない?所有は束縛。リゾート気分で休みに読みたい一冊。そもそもアオイの自分なりの生きがいや仕事がイマイチなのが、相手への依存と整理できない状況を作る気がする。数年同棲してきたマーヴがかわいそうな気がするし、刹那的な感じがする。なかなか面白い。

  • 私にとってこの本を読むということは、恋だったのかどうか、今となってはもうよく分からないけれど、どうにも心が引き裂かれるように揺さぶられるような想いが私の10代にもあって、苦しくて距離を必死に保って忘れようとしてきたそれを強烈に思い出させられるような、そんな体験でした。

  • たぶん五年ぶりくらいに読んだのだけど、こんなに素晴らしい本だったっけ!
    物語に入り込みすぎて生活の諸々がままならなくなった。あおいの孤独や今を生きられていない危うさが、好きになっちゃだめな気がするのに美しくて惹かれてしまうかんじ。
    マーヴがどうか幸せになりますように。。

  • 再読。
    内容はうろ覚えだが、前回はbluから先に読んだので、今回はrossoから。

    情熱的で暴力的な愛が去った後のあおいの孤独を描いた物語。
    周りから見れば溢れんばかりの愛を注いでいるマーヴが可哀想に見えるし、親友なのにダニエラにも何も話さないアオイに苛立ちを覚えてしまうところだが、個人的にはそういった感情は持たなかった。
    同じ過ちをおかさないよう、過去の亡霊を奥にしまいこんで今を生きる。それが幸せであり、孤独。

    「情熱」的な過去のあおい、「冷静」な今のアオイ。
    そしてそれが交わった「冷静と情熱のあいだ」から新たな一歩が始まる。

  • 幼い頃駆け巡ったフィレンツェの街並みが鮮やかに蘇り、あのジェラート屋のおじさん元気かななんて思ったけど、当方日本生まれ&育ちでイタリア行ったことなかった。勘違いてへぺろ。あおいの自分の人生を生きていない感はなんなんだろうかと思いながら読んでた。心ここにあらずというか。諦めという訳でもなければ、未来に希望を持ってる感もなし。順正に比べ過去を顧みないのは女性ならではの切替の良さということ?もしくは心と人生のありかに気付いてないからなのかも。そしてこのラスト。色々と切ないよ!素直になれよ!是非Bluも読むべき。

  • なんでもない日常を描いた物語。舞台がミラノなので自分が旅行で行った時のことを思い出せたし、実際にあの街で暮らしているとどんな気持ちになるのかを想像できた。忘れられない過去の恋人とパーフェクトな現在の恋人。主人公の心情に入り込みやすく、人生や自分の居場所を考えさせられた。

  • イタリア人のマーヴと静かに暮らしながらも過去の恋人順正が忘れられないあおい。
    この本でイタリアに憧れて10日間旅行に行ったのもいい思い出です。

  • こういう結末か・・・

    なんか大人だなあ

  • イタリア・フィレンツェに行って再読。

  • こんなに情熱的に、人と人は愛し合えるものなんだろうか。そしてそんなにも愛しているのに、結ばれない運命にある二人。アオイがどうしようもないくらいに順正のことを愛しているのが伝わって、苦しくなった。こんなにも優しいマーヴがそばにいるのに、その愛に応えられないアオイの誠実さというか、不器用さというか、見ててせつなかった。ヨーロッパなんてもちろん行ったことがないけど、文体からミラノの気候や街並みの様子を感じることができて、ちょっと旅行した気分になった。「人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ。」と言ったフェデリカの言葉か印象的だった。順正はどんな10年を過ごしてきたのか、bluを読むのが楽しみ。

  • 初めて読んだのは単行本で、中学生だったか高校生だったか。江國さんの文章って読みにくいなぁという印象を受けた。
    でも久しぶりに読んでみたら、そんなことちっとも思わなかったし、ハマってしまった。途中から、Bluと一章ずつ交互に読んだ。

    きっと私も怠惰が好き。

    とりあえず、何年かぶりの再読。満足です。

  • 江國さんの小説にはよくあるけど、主人公がお風呂入り過ぎ。。
    どんだけ優雅な暮らしをしてるだよ!しかもその生活捨てちゃうんだ‼
    もったいない!と学生ながらに思った。
    それ位好きな人がいるっていいな〜と思うけど、そんだけしんどい事も多いよね、とも思う。

  • あおいは恋人マーヴと共に、ミラノの地で静かな生活を送っていた。満ち足りた生活のように思えるが、空いてしまったあおいの心の穴は埋まらない。学生時代に恋人だった順正。誰よりも理解し合えたはずなのに、10年前に失ってしまった大切な彼が忘れられない・・・。

    江國香織が女性の視点から、辻仁成が男性の視点からひとつの恋愛を描いた共作小説。
    あおいは穏やかに日々を過ごし、これといって大きな出来事は起こらない。いや、起こったとしてもあおいにとっては大したことではないのだろう。それは時間と共に流されていくに過ぎない。淡々と毎日を過ごしていく中で、時に順正との過去がフラッシュバックされる。彼女は意図的に過去に蓋をしているが、それはただ背中を向けているだけ。振り向けばリアルな記憶が彼女のすぐそばにある。そのことに気づいた時、あおいの静かな生活が少しずつ揺らいでいく。

    著者の、人物の暮らしぶりの描き方が私は好きだ。物語に大きな事件が起こらなくても、なぜか引き込まれるものがある。カットグラスで飲むアマレット、夕方に入るお風呂、カエルの中庭での読書など印象的な小物や習慣を丁寧に描いて、登場人物がどのような人間なのか、何を考えているのかを自然に読者に伝えているからかもしれない。

    物語の最後であおいは順正と向き合うも、別れを決断する。こんなにも強く想いあった人なのに・・・と寂しく感じてしまうが、その決断は自分を支えてくれたマーヴと別れ、過去とも決別し、自分自身の足で人生を歩もうとするあおいの決意であるように思った。

  • 5年から10年前、
    報われない恋愛をして苦しんでいた私の
    バイブル的存在でした。

    本のページがしなしなになるまで
    何度も読みましたが、
    今でもたまに読み返します。

    友達と『冷静と情熱のあいだ―Rosso』あるあるで
    盛り上がったときに出た意見。

    ・一人海外旅行に行きたくなる
    ・お風呂に入りたくなる
    ・薄く丁寧に化粧をしたくなる
    ・自分の服が派手で安っぽく感じて
    上質なモノトーンの服がほしくなる
    ・話し方が倒置法になる
    ・遠距離恋愛がしたくなる



    こんなに読者に影響を与えられる世界観。
    特に今、切ない恋をしている女性におすすめです。

  • 大好きな作品です。
    枕元に置いて、眠れない時に開くと安心する。
    江國さんの文章は心地いい。
    友人が言っていた『この本を読むとピアスがしたくなる』
    特に効果的にピアスが出てくるわけではないけど、アオイの周りの物一つ一つが魅力的で女心をくすぐってくる。
    私は『この本を読むとお風呂につかりたくなる』
    すれ違いの恋の話だけど、女として共感できる部分も多い。

  • もう何度読んだかわからない。
    読むたびに心が締め付けられる場所が違う気がする。

    あおいが順正に出会った瞬間に
    大学生の女の子に戻ってしまう様子が言葉尻から伝わって来る。
    野原に放されてさえずる小鳥みたいに。

    どんな恋も、ひとりの持ち分は二分の一だという、そのことばが全て。

  • 江國さんの淡々と瑞々しい文章、イタリアの雰囲気が手に取れるような描写、アオイの少しトゲトゲしい性格も、とても愛しく感じました。読み終えるのがもったいなくて噛みしめるように読むのは一日一章ずつ。
    「冷静と情熱のあいだ」というタイトルそのままに、静かな中に、アオイの情熱が見え隠れしていて、とても美しく切ない大好きなお話でした。
    今度はお風呂につかってゆっくり読みたいです。

  • 辻さんのほうを先に読んで、こちらを読んだ。
    やはりどちらから見るかで随分印象が変わるよな、と思う。

    青のほうで、あおいは何を考えているのかわからない、不思議な人だったけれど、こちらで読むとあおいが非常によく理解できて、逆に順正に大してもどかしい気持ちになる。
    あおいの絶望が、それゆえの言葉だったというのが、よくわかった。

    あと江國さんが描いた工芸品たちが、まるで目の前にあるようだった。非常にうつくしい描写をされていて……。

  • 辻仁成の方を読んでから読んでみた。

    自分を愛してくれ、将来も愛し続けてくれるだろう相手に恵まれながらも過去の恋人のことを忘れられず暮らす女の心理描写を中心に物語が展開される。

    Bluの方を読んで違和感を禁じ得なかったのは、順生のキャラがかなり情熱的に描かれていたこと。Bluを読んでいる限りそうは見えなかったのだが…

    個人的な感想として、タイトルにある通り文中にも「情熱」という単語がちらほら出てくるが、所謂情熱じゃないと思う。彼女は過去を望んでいるのではなくて、過去の情熱を望んでいるのじゃないか。他人に対して何かを隠しているように見えてしまう自分から抜け出すために、過去の身体で愛した恋愛に立ち返ることで今の恵まれて許されすぎている自分から脱出しようとしたのではないかと思う。
    本人に明確な意思があったのかどうかはわからないが。
    情熱というより情熱への焦燥に近い鬱憤とした感情なのではないかなーと勝手に感情移入。

    この作品を読んだときのBluとの描写差は、キャラに帰依させた意図的なものなのか、それとも男性の書き手と女性の書き手の視線の差なのか。どのみち、面白いと思った。

全1120件中 1 - 25件を表示

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)に関連する談話室の質問

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)に関連するまとめ

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)を本棚に登録しているひと

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)の作品紹介

穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない-。永遠に忘れられない恋を女性の視点から綴る、赤の物語。

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)の単行本

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)の単行本

ツイートする