- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043555062
感想・レビュー・書評
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横溝正史の時代物って初めて。
さっすが横溝先生。時代物が苦手な私でもスラスラ読めたぁ。
ってか、面白かった!
一つ目の『神変稲妻車』
これは、なんだかコメディタッチな乗りで、ハチャメチャ大冒険風に書かれてて楽しかった。
横溝正史らしいおぞましい描写もちらほらあったけど、いろんなキャラクターがとっかえひっかえ出てくるので飽きない。
これは、とっても新鮮な感じがして良かった。
二作目の『髑髏検校』も時代物だけど、こっちは横溝正史っぽい感じ。お江戸の吸血鬼の話。
時代物ホラーっていうのかな。
なかなか怖く妖気な感じで書かれてるので、こっちも飽きずにスラスラ読めた。
時代物の言葉遣いなのに、ここまで2編とも面白く読めるのは、やはり横溝先生ならでは。さすがだな~。
私が横溝正史の本が好きなのは、何と言っても描写のうまさがイメージしやすく、ぞぞーっとさせてくれるとこ。
どっちの話もハッピーエンドで読後感もさっぱり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吸血鬼、とてもいい。
横溝正史はミステリーだけじゃあない。 -
短編と中編の二本立て。
タイトルにもなっている最初の「髑髏検校」は、ドラキュラの舞台を江戸に移したら・・・というお話。
ある村で捕った鯨の腹の中から、手紙の入った一本の瓶が出てくる・・・。そこに書かれていたのは、ある島に住む吸血鬼のお話。
「神変稲妻車」は、やはり江戸を舞台とした冒険活劇。さまざまな登場人物が入り乱れ、3本の笛をめぐってやったりやられたり。怪力や妖術が登場し、息もつかせないリズムの良さで、一気に読まされる。 -
『髑髏検校』
ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』の翻案。
クジラの中からの手紙。江戸の町を暗躍する検校。犠牲となった陽炎姫。検校に立ち向かう鳥居蘭渓と息子・縫之助。検校に協力する鳥居蘭渓の息子・大膳。
『神変稲妻車』
田沼意知の圧力により伝来の笛を献上する新宮家。すり替えられた笛。3本の笛に隠された秘密と埋蔵金。騙された弦之丞の冒険。双子の妹・小百合の活躍。鳥羽姫の陰謀。 -
表題作『髑髏検校』併録『神変稲妻車』とも、登場人物たちの息吹と場面転換の潔さが絶妙な味わいを醸し出しています。講談や紙芝居を髣髴させる、昔の日本が活きた快作です。