邪な囁き (角川ホラー文庫 78-15)

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043572151

感想・レビュー・書評

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  • きっと誰もが、「今、こんなことしたらどうなっちゃうんだろう…」という想像をしたことがあると思う。
    それを悪意増し増しにして、実際に行動に移してしまったら…そんな話。

    後味の悪い、何とも言えない読後感を味わいたい方はぜひ読んでほしい。

    そして相変わらず、作者のあとがきが気持ち悪くて(褒め言葉)、いつも楽しく読んでいます。

  • 現実にこういう人居たら怖いなと思いゾッとしました。いわゆるサイコパスみたいな感じですかね?
    さすがに主人公がこんなに犯罪してるのにバレないのは少し現実味が無かったですが…この話の中の警察は無能なんですかね?
    最後のシーンが少しあっさりしてましたが読みやすくて面白かったです。

  • 期待したほど怖くなかった。ホラー小説ってこういう感じ?なのかな?

  • 純粋な悪意の恐ろしさ。ラスト、全く怖くなかったはずの自分の死に恐怖する姿は人間らしかった。

  • 読みながら自分の中の「邪な囁き」を何度も考えていた。
    昔、駅のホームで電車を待っている時、液体を積んだタンンクのみの重厚な列車が轟音で通り過ぎるのを眺めながら、ホームから一歩踏み出せばそこには明確な死が待っており、生と死がとても身近にあるものだと一種の恍惚感のようなものをよく感じていたものである。その感情は他人に向けたものではなかったが。
    あとがきにもあるように、子供の風船を割って回るような小さなものであれ、他人の不幸を喜ぶような邪な気持ちを持っている事は自分自身否定できない。それが実際に行動に移され表に出てくることは非常に稀であるが。
    あの感情はなんだろうかと本を読みながら考えていたが、一種の全能感への憧れのようなものではないかと思う。
    パイロットという特殊な職業、イケメンで高収入、高層マンションに住み好きな酒はウィスキーのオン・ザ・ロックという中二的な大人の男像にやれやれと思ったり、正田が引き起こす数々の事件に「そんな何回もバレずに事が運ぶ訳ねーだろ」と思いつつも、墜落のシーンで死の恐怖と愛に目覚める、邪悪さと人間らしさの対比には戦慄を持って読む事ができた。

  • なかなか。

    過去ログ。

  • 大石圭さんは「呪怨」の作家さんとして知られているかな。
    「呪怨」も発売禁止寸前までいったんだけど…。
    この「邪な囁き」もよくR指定にならなかったなと思ったくらいに…底暗い。

    まぁ、R指定っていうのは映倫が指定するものなわけで、書物に対してどうなのかは分かんないけど、あの「スワロウ・テイル」ですらR指定になってるのに…。
    この本はあまりにも刺激が強すぎる。
    非現実的ならそうは思わなかったかも。
    どこか現実に近くて、危険すぎる。

    けど、人間の真理を問うような類は結構好きで、思わず読み進めちゃった。
    誰しも心の中に闇の部分を持っていて、それは些細なことを発端にすることが多いんだけど、たとえば運転してて渋滞にはまった時に、『今アクセルを全力で踏んだらどうなるんだろ」みたいな。
    その一線を踏み越えるか留まるか。その一線が犯罪に至るところなのかな。

    明るくオススメ!
    とは言えないけど、この手の話を書かせたら大石さんは一級品。

    ★★★★★

  • 人の中に巣食う囁き、その正体は。

    大石圭作品の中では、少し薄めで少し異質。「飼育したい男」の弱い版、という感じで…でも、もっと奥深くを掘り下げて、という感じ。

    誰もが一度は考えたコトがある「if」が描かれている。
    考えこまない人用。

    文章の表現による「怖い」は無いかな。
    想像して、自分と重ね合わせることの「怖い」は人によって違うので、難しい。

  • とても面白い\(^o^)/

  • 新年早々泣かされたました。
    最後の方の飛行機事故は結構悲惨だろうけど、あっさりした描写。

    「死にたくない。もう一度、彼女に会いたい」
    「あの人が地獄にいるのだとしたら…そこでもう一度、あの人に会いたい。あの人がどれほど邪悪な人だったとしてもかまわない」
    穢れた純愛って言葉が浮かんだ。

    『あいつ』ってそういうオチか…
    少し肩すかしだった。

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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