今昔物語集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 97 ビギナーズ・クラシックス)

著者 :
制作 : 角川書店 
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043574094

作品紹介・あらすじ

インド、中国、日本では北海道から沖縄まで、広大な舞台に繰り広げられる、平安朝の生んだ日本最大の説話大百科。登場人物も僧・武士・庶民などさまざまな階層に及び、ヴァラエティに富む説話を収録。現代語訳と、古文の生き生きとしたリズムによって、豊饒な話の宝庫をヴィジュアルに楽しめる。

感想・レビュー・書評

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  • 芥川王朝物を読んだら元ネタが気になって気になって…
    オマケに今昔物語に対する芥川の絶賛の仕方が素敵なのだ
    〜芸術的生命、野生の美しさ、原色…〜


    一番の魅力は素直な人間臭さ
    そしてユーモア
    計算高いイヤらしさはないのに、何か数学的な美しさも感じる不思議な作品たち
    アラビアンナイトを彷彿させるお話もある
    こんな時代にもしかして大海原を越え、大河を渡り、山脈も砂漠も横切ったり…なーんてことあるのかなぁ?

    今昔物語は12世紀初め(平安時代末期)頃成立したといわれる
    天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三部で構成される 
    各部では先ず因果応報譚などの仏教説話が紹介され、そのあとに諸々の物話が続く体裁をとっている

    ちなみに第一番目の話は
    仏教の開祖シャカの誕生から幕を開ける
    シャカがブッダとなるための修行を積む目的で人間界へ転生する
    シャカの選んだマヤ夫人のお腹に宿り、右脇の下から誕生(笑)

    さてここからは芥川作品と比較して楽しみたい

    ■長大な鼻をゆでては脂抜きをする高僧の食事風景
    ○芥川作品 鼻
    今昔物語のがユーモアがある
    鼻の長い僧侶の食事のために鼻を持ってお手伝いしていた小坊主が鼻を皿に落としてしまう
    「わしだからよいものの、えらいお方だったらただでらすまないぞ!」と、この僧叱られてしまう小坊主の捨て台詞が良い
    「そんな鼻が他にあってたまるかい」

    ■色香と鞭で若い男を調教する、盗賊団の美人首領
    ○芥川作品 偸盗
    それぞれ内容は違うけど、いやーどっちも好きだなぁ
    今昔物語では
    ある女が男に優雅な生活で満足させ惚れさせた後
    男装した女が鞭で男を80回打つ(ひぇ〜)
    気分はどうかと聞けば顔色も変えず「大したことはない」と答える男
    なかなかやるじゃないか!
    豪華な食事と甘い生活
    そうこの女盗賊団のボスなのだ
    とうとう彼女の指示に従い男は窃盗で活躍するように…
    最後は何もなかったように女が忽然と消えてしまうところもなんだか粋
    フランス映画みたいにシャレている

    ■死体の捨て場所だった羅生門のある夜のできごと
    ○芥川作品 羅生門
    今昔物語はあっさり淡々としている
    盗人の心理描写やセリフもない
    芥川作品のが面白いなぁ
    盗人の心理描写の変化が手に取るようにわかったからなぁ

    ■名刀と交換した弓矢でおどされ、妻を犯された夫
    ○芥川作品 藪の中
    今昔物語は本当にタイトル通りの内容
    しかも妻を犯した若い男より、弓矢を渡し、隙だらけの不甲斐ない夫が妻にコキおろされる
    時代の違いを感じる
    個人的に「藪の中」がかなり好きな作品なので、芥川作品に軍配があがる
    ミステリー仕立てで真実に迫っていく展開がサイコーに面白かったのだ

    ■天下の色事師を焦がれ死にさせた氷のような美女
    ○芥川作品 好色
    落とせない女など居ない!と自信満々のモテ男が、一枚も二枚も上手の美女にやり込められ、とうとう女性の便器の中身を確認する話し
    芥川作品では喜劇と悲劇の絶妙な際どいところを攻める展開が読ませる!と膝でも叩きたくなる感じだったなぁ

    と、まぁそりゃ元ネタに後出しジャンケンするみたいなものだから芥川作品のが面白いのはある程度仕方ないのかも

    しかしタイトルを読むだけで面白いのが今昔物語
    しかも1000以上の説話集…!
    そして気高く力強く生きる女性像が多いことに驚く
    カッコいい女性が沢山登場します!

    • 淳水堂さん
      ハイジさんこんにちは。

      読み比べ面白いですよね。
      「芋粥」は、今昔物語のほうが好きだなあ。
      「偸盗」は、今昔物語も芥川龍之介版も両...
      ハイジさんこんにちは。

      読み比べ面白いですよね。
      「芋粥」は、今昔物語のほうが好きだなあ。
      「偸盗」は、今昔物語も芥川龍之介版も両方好きです。今昔物語の盗賊の女ボス格好いいですよね。
      「藪の中」は、芥川龍之介の話自体もいいし、元ネタを読むとよくあの話に膨らませた!と余計に良い。

      >アラビアンナイトを彷彿させるお話もある
      今昔物語だったか他の説話集だったか忘れたのですが「巨大な人間の水死体が海岸に打ち上げられて」みたいな話を読んだときは「ラテンアメリカ文学(ガルシア・マルケス)じゃないか!」と思いました。
      物語って、どんなに時間と場所が遠くても似通うところがありますよね。人間の本質ってことかなあ。
      2022/05/30
    • ハイジさん
      淳水堂さん こんにちは!
      コメントありがとうございます

      読み比べ面白かったです♪
      どちらの作品にもキラリと光るモノがあって楽しめました!
      ...
      淳水堂さん こんにちは!
      コメントありがとうございます

      読み比べ面白かったです♪
      どちらの作品にもキラリと光るモノがあって楽しめました!

      そうですか
      なんとガルシア・マルケスにも通じる話があるのですね!
      確かにギリシャ神話と古事記も似たような話がありますから人間の本質やDNA的に国を問わず通じるモノがあるのですかね〜
      2022/05/30
  • 日本の古典の旅に凝っているこのごろ。これも芥川龍之介くんのおかげです。となればその元ネタをこっそりのぞいてみたくなるのが人情で、本を開いたとたんに900歳も老けた! なんてこともなく、わくわく舌を巻くようなおもしろさです。

    『今昔物語集』は、1100年初め、平安時代末期の作品で、作者も編者も不明です。1000話以上の説話が、天竺(インド)部、震旦(中国)部、本朝(日本)部の三部構成で美しく分類され、900年前にして視野もキャパも破格!

    ***
    「長大な鼻を茹でては脂(あぶら)抜きをする高僧の食事風景」(28巻20話)は、芥川の名高い『鼻』のモデルになった作品です。読むはしから大笑いして、なんだか自分の鼻までむずむずする。

    「色香とムチで若い男を調教する盗賊団の美人首領」(29巻3話)は、芥川の『偸盗(ちゅうとう)』のモデルになった作品。おぼこい青年が男装した美女にムチで打擲されて恍惚とする?――これゃSM?!

    さらに「名刀と交換した弓矢でおどされ妻を犯された夫」(29巻23話)は、芥川の『藪の中』のモデルになった作品。
    芥川の小説作法に感心した私のお気に入り作品の一つなのです。彼はこの話をネタにして、官憲の取り調べ記録風に当事者、目撃者、証人などの鮮烈な証言をパズルのように組みあわせていきます。

    きわめ付きは「天下の色事師を焦がれ死にさせた氷のような美女」(30巻1話)。プレーボーイ歌人、平定文(たいらのさだふみ)は、恋い焦がれた女の便器を密かに入手して、猛烈うっとり、しまいには……あいや~!?(食事中の方ごめんなさい、でもこれも芥川『好色』のモデル)

    古文でさらりとかかれた破天荒な物語に唖然として、わたしは笑いがとまりません。こうなってくると、世俗の生々しい輝ける野蛮話(100話)を連ねた中世ルネサンスのボッカッチョ『デカメロン』以上の直球・庶民譚が、1000話以上も存在していたということですよね? ここまでとは知らなかった……すごい、めまいがします。

    ということで、めくるめく世界から、本書は天竺・震旦部は6話、本朝部は23話。一話ごとに現代語訳・古文・解説・図版などもあって、大人向けとして至れり尽くせりの入門本です。古文の独特の流れ、生き生きとしたおもしろさ、なんといっても自由と多様さに圧倒されます。まったく人間とはなんぞや??

    ところで、同じ平安時代に書かれた『源氏物語』は、歴史上も燦然と輝くスター文学です。その一方で、本作はなぜか江戸時代も半ばになるまで明らかにされない日陰の文学だったようです。

    ――なぜかしら?

    登場人物は多種多様で、神仏、天皇、貴族、僧侶、武士、浮浪者、盗賊、老若男女、動植物、霊魂、妖怪……。話は悲喜こもごも、滑稽、卑猥、ユーモア、妄執、嫉妬、倒錯……広大無辺。

    そのあまりの自由と奔放さに、ときの政権や宗教は、憂いや危惧を抱いたかもしれません。まるで教会権威や社会の固定観念を打ち壊した中世ルネサンスのように、人間という「素」から溢れ出すパワーや、個(人)としてそれを表現したいという渇望は、つねに快活さと野性の力を孕んでいます。それを抑圧したい為政者や表現の自由を弾圧してきた歴史との相克でもあります。洋の東西とわず、今も昔も、表現はきまって不自由なのね……
    ……と、勝手な妄想をしながら、なにはともあれ、『今昔物語集』が時の荒波をくぐって(一部は喪失)生き残ってくれたことがただただうれしくて、それを地道に写しながら護ってきた名も知らない先達に感謝したい。

    今(も)昔(も)、悲喜こもごも、人間のありようを鮮やかに描いた物語は、これからも時空を超えて不滅です♪

    • ハイジさん
      アテナイエさーん
      さすがです
      やはり読まれてますね!

      芥川作品読んだのでこちらに行き着きました!
      面白そうです。
      こちらのレビュー読んだら...
      アテナイエさーん
      さすがです
      やはり読まれてますね!

      芥川作品読んだのでこちらに行き着きました!
      面白そうです。
      こちらのレビュー読んだら
      ますますワクワクしました
      また読了後にお話ししたいです。
      2022/03/26
    • アテナイエさん
      こんばんは、ハイジさん。
      嬉しいコメント、ありがとうございます♪

      『今昔物語集』、いや~これこそ読んだつもりになって今に至っているの...
      こんばんは、ハイジさん。
      嬉しいコメント、ありがとうございます♪

      『今昔物語集』、いや~これこそ読んだつもりになって今に至っているのですが、それはそれとして、この本はおもしろい作品が掲載されていて、説明もわかりやすいので、とっても楽しいですよ。

      しかも『今昔物語集』と芥川作品は切り離せないので、ハイジさんは芥川を読まれたあとのようなので、きっと繋がっていくと思います。なんといっても読書の醍醐味は、パズルのような繋がりと、その連続にわくわくすることですね。

      すこし腰をすえて読んでみたいと思っている本のひとつですが……あいや~次々に積読本がなだれてきます(笑)。

      またハイジさんとのお話を楽しみにしていますね!
      2022/03/26
    • ハイジさん
      アテナイエさん
      お返事ありがとうございます!

      読書の醍醐味は…
      パズル…

      大喝采でございます(^ ^)

      これが楽しくて本当にやめられま...
      アテナイエさん
      お返事ありがとうございます!

      読書の醍醐味は…
      パズル…

      大喝采でございます(^ ^)

      これが楽しくて本当にやめられませんよね(笑)

      早く読んでアテナイエさんとお話ししたいです♪
      2022/03/26
  • こんじゃく、今は昔。昔話なのか、今の話だけど少し前の話としたのかはわからないところをそのままにしたところ。芥川龍之介のコメントが絶妙なところ。インド〈天竺〉中国〈震旦〉日本〈本朝〉とあるところ。女、医師の家に行き、はれものを治して逃げし語。など

  • 膨大な古典であるにもかかわらず、謎多い奇書、それが、今昔物語集である。

    1120年ごろに成立しているようだが、作者もわからないし、成立時の資料もなく、しかも、600年近くも歴史の闇に眠っていた書なのである。

    膨大なライブラリーなのに、その痕跡すら歴史には残っていない。

    今は昔 で始まる冒頭、となむ語り伝へたるとや で終わる文末 できわめて独創的な形式でできている。

    説話集、それも、インド:天竺部、中国:震旦部、日本:本朝部(仏法部、世俗部)からなっていて、31巻千数十話に及ぶ。

    今昔物語集をよみがえらせたのは、芥川龍之介である。
    「羅生門」「鼻」「芋粥」は、今昔物語集から取材している。

    安倍晴明、弘法大師の法力合戦、前妻のミイラと交わう男、
    女の生霊が夫ととりころす、平安京の夜に跳梁跋扈する百鬼夜行。
    広大な今昔物語集の人生観、世界観に魅了される。

    目次

    インド(天竺)・中国(震旦)部
    ・志をたて、王妃マヤ夫人の腹に宿るシャカボサツ
    ・悟りを開いて、ブツダとなったシッダールタ太子
    ・死に臨んで、息子ラゴラに父の情愛を示すシャカ
    ・この世の親子の情愛も通用しないあの世の現実
    ・炎に飛び込み、身を焼いて食事に差し出したウサギ
    ・盗みに失敗して親を殺した過去をもつ新人の国王

    日本(本朝)部
    ・法力を競い合い、ライバルを祈り殺した弘法大師
    ・美女の色しかけのおかげで、学者となった青年僧
    ・洪水に流され、愛児を捨てて老いた母を助けた男
    ・清少納言の夫、剛刀一閃、強盗一味を斬り捨てる
    ・力士を杖のように振りまわした怪力のチビ学生
    ・矢竹を指で押し砕き、強盗もふるえた怪力の美女
    ・画伯と名工の大勝負―死体画像とからくり仏堂
    ・美人患者の色香にふりまわされた好色の老医師
    ・陰陽道の大スター安倍晴明が操った恐るべき呪術
    ・紫式部の父、絶妙の詩によって念願の国守となる
    ・以心伝心の妙技で馬盗人を射殺した武人の親子
    ・捨てられた女の生霊、薄情な相手の男をとり殺す
    ・捨てられて窮死した前妻のミイラと愛し合った侍
    ・変装した自分の妻に言い寄り、なぐられた軽薄男
    ・全裸になって追いはぎを笑わせ、危機を逃れた役人
    ・長大な鼻をゆでては脂抜きをする高僧の食事風景
    ・谷底に落ちても茸取りをする、がめつい役人根性
    ・色香と鞭で若い男を調教する、盗賊団の美人首領
    ・死体の捨て場所だった羅城門のある夜のできごと
    ・名刀と交換した弓矢でおどされ、妻を犯された夫
    ・部下の公文書を偽造させ、殺害した極悪非道の上司
    ・天下の色事師を焦がれ死にさせた氷のような美女
    ・妻の悪口に乗せられ、老いた姨母を山に捨てた夫

    解説
     「今昔物語集」 作品紹介
    付録
     「今昔物語集」探求情報
     「今昔物語集」組織内容
     官位相当表
     「今昔物語集」参考地図

    ISBN:9784043574094
    出版社:KADOKAWA
    判型:文庫
    ページ数:290ページ
    定価:720円(本体)
    発行年月日:2002年03月
    発売日:2002年03月25日初版
    発売日:2005年11月05日9版

  • おもしろい

  • 芥川の王朝物や菊池寛の小説がおもしろかったので、元ネタの方に興味がわいた。
    インド(天竺)、中国(震旦)部というものがあるのは初めて知った。日本の話ばかりじゃなかったんだ!
    この本には6話しか紹介されていないけれど、もっと読んでみたい。

    一番面白かったというか、驚いたのは「弘法大師、修円僧都に挑みたる語」。
    ライバルの修円僧都を弘法大師が策略を用いて祈り殺す(!)
    …これ本当に弘法大師なのか?
    これにはちゃんと理由というか、オチがあるのだが、こじつけっぽさがむんむんする。
    浮気男を変装した妻がひっかけてボコボコにする話も笑える。
    平安時代の女性って奥ゆかしいイメージがあるけど、こんな強い人もいたのかと思うと妙に親近感を覚えてしまう。

  • 『今昔物語集』は一一二〇年くらいまでに書かれた説話集で、1020程度の話が入っている(未完のものを合わせると1059 だそう)。平安末期の書物だが、最古の鈴鹿本は幕末に奈良の大寺から鈴鹿連胤という人が購入した本で、江戸時代の終わりまでほとんど知られていなかったそうだ。
    内容は印度・震旦(中国)、本朝仏法、本朝世俗で三十一巻。国際的な規模がある説話集だが、やはり面白いのは本朝世俗の部分で、貴族、僧侶、武士、女房、盗賊、あらゆる者がでてきて、残酷な話、智慧の話、艶笑譚、滑稽譚などがたくさんある。芥川龍之介の『鼻』、『藪の中』、『羅生門』、谷崎潤一郎の『少将滋幹の母』など、深沢七郎『楢山節考』など、さまざまな小説のもとになっている。
    空海や安倍晴明などに関わる説話もこの本には入っていて、とても興味深くよんだ。
    冠位の表などがのっているのも便利だ。

  • 「今は昔、~となむ語り伝えへたるとや。」の説話集。
    天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)から成る。
    ウサギが焼身自殺して月になる話。
    紫式部の父、藤原為時が素敵な漢詩を読んで国司になった話。
    谷底に落ちても平茸とってくる強欲な受領の話。
    平定文が美女に夢中になりすぎて・・・してしまう下品な話。
    様々な面白おかしい話が、古文とともに楽しめる。

  • 途中リタイヤ。

  • 角川ビギナーズクラシックシリーズは、日本の主要な古典文学作品を非常にわかりやすくかつ読みやすく解説した初学者におすすめのシリーズです。『今昔物語集』は短編集のような形でインド・中国・日本の説話を集めた古典文学ですが、角川ビギナーズクラシックではその中でも特に面白い部分が抜き出されてまとめられており、古典の魅力が詰まった一冊となっています。現代語訳付きなので読み物としても非常に充実してます。この一冊を皮切りに、ぜひ様々な古典作品に触れてみてください。

    ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA57113918

  • 寅さん(22作目)で、博のお父さん(志村喬)が読んでいたので読んでみる。
    その部分は収録されてなかったが、話にバリエーションがあり、ここから取材した小説も多いとのこと。

  • 平安末期、世は乱れ
    権力者の風流な文化人貴族は恋愛や金儲けに
    うつつを抜かし、質実剛健野蛮な武家の世への
    移り変わりがわかる。
    厄病などは医療的処置はなくただ祈祷する
    ばかりで現代に感謝、感謝。

  • 田辺聖子の「鬼の女房」の題材に今昔物語の話が多く使われていたので気になって読んでみた。
    安定の角川ソフィア文庫。現代語訳と原文と寸評のバランスが良いですね。話が長いものについてはあらすじが入ってるのでよりわかりやすい。
    初心者が読むにはもってこいです。

    インド、中国、日本の説話集。
    好きな話は、「炎に飛び込み、身を焼いて食事に差し出したウサギ」。
    ウサギの馬鹿真面目さが面白いしかわいそうになってくる。
    普段芥川作品を読まないので、ところどころで芥川龍之介がこの話に取材して〜とあったのが新たな発見でした。
    芥川作品に興味が湧いたので読んでみたいなぁと思います。
    特に藪の中がどんなお話になるのか気になりすぎる、、

    平定文の、恋い焦がれて死んでしまった話は崇徳院の和歌「瀬をはやみ〜」の落語にオチが似てるなあと思うと同時に、片思いで死ぬのは昔からよくある話なのかと思いました。ありがちなのかね。

    そして欠巻があるということで、もしかしたら今後見つかるかもしれないですね…!

  • 「 今昔物語集 」 古典を読むときは 角川ソフィア文庫から。読みやすくて 1冊で終わるので、入門書として最適。

    1冊の中に 笑いあり、驚きあり、下品あり、愛あり、人生訓ありの飽きないチョイス。説話のタイトルづけも上手い。芥川龍之介がモチーフに使った説話や インドや中国の説話も押さえている

  • 俗っぽい、ああ俗っぽい。こういうお話は男子が好きなんだろうねぇ。

  • 日本古典文学大系や、日本古典文学全集で読めば、全部読める、わけだが、あの漢字片仮名表記の本文に気持ちが萎えること早幾度。
    ダイジェストでのおつきあいばかりとなっている。

    田辺聖子さんのものは、本朝部を扱っていたと思う。
    本書では、やはり本朝部が大半を占めるけれど、天竺部、震旦部からも採録されているのがいい。
    きっと注釈をつけるのは大変なんだろうと思う。

    臨終のお釈迦さまが、息子ラゴラに愛着を示したという話、法力で争った相手を呪い殺した弘法大師の話、相手の連れてきた識神を封じ込めた安倍清明の話などが印象深い。

    後半は有名な話が多かったかな。

  • 今まで読んだ今昔物語の中で1番読みやすい!

    インドや中国の話もあるとは知らなかった。知識不足でした。

  • 聞いたことがある話から、ちょっと治安の悪い話まで幅広いです。今読んでも、笑うポイントは同じなので、十分楽しめます。

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著者プロフィール



「2015年 『生きる 劉連仁の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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