ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043611126

作品紹介・あらすじ

僕は運命を変えてみせる-。剣と魔法と物語の神が君臨する幻界でワタルを待ち受けていたのは、さまざまなモンスターに呪い、厳しい自然、旅人に課せられた数々の障害だった。大トカゲのキ・キーマ、ネコ族のミーナらとともに、ワタルは五つの宝玉を獲得しながら幻界の旅をつづける。先をゆくライバル、ミツルの行方は?ワタルの肩にかかる幻界の未来は?胸躍る場面が次々展開する和製ファンタジーの金字塔!

感想・レビュー・書評

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  • 中巻は、ひたすら亘の冒険シーン。ファンタジー特有のカタカナの多さに最初は怯んだけど、すぐに没頭できた。
    つくづくこの物語は子供よりも大人向けだなーと思う。もちろん子供が読んでも楽しめるけど、物語の深いところまでは感じられないのでは。「憎しみと怒り、優しさと勇気。どちらも等しくあなたのものぢゃ。それを直視した上で、運命を変えるとはどういうことなのか、結論を出すのぢゃ。」というバクサン博士の言葉が中巻の鍵となる言葉かなと思う。幻界は自分自身の姿を映して形をなしている、ということ。噛めば噛むほど味が出るような言葉だな。

  • ストーリーのテンポの良さが良い。亘の成長と、
    物語がマッチしている。たまに、現世との関わりが良い。そして、謎は深まりました!

  • 幻界の世界観や、ワタルの冒険のほとんどはまさにファンタジー小説であるけれど、途中に挟まれるワタルの醜い自意識の発露などは、やはりミステリー小説家としての一面も感じた。
    そして着実に幻界におけるワタルの目的に近づくにつれて、並行して起こる幻界それ自体の問題も発生し、段々と物語のラストが見え始めて面白かった。

  • 物語が動き始めた。
    幻界の在り方は亘の心の在り方だという設定が、難しいながら非常に大きな意味を持って物語に絡んでくる。誰かの幸せを願うということは、誰かの不幸を願うことになるのか。誰かが過去をやり直したいと願うとき、それは誰かの幸せな未来を奪うことになるのか。亘は旅を通して、自分が大切に思う人がいるように他の人もそうなのだと痛感する。
    何が亘を成長させたのかは正直明確に分からないが、母に語りかける亘の言葉に今までのような迷いは感じられなかった。どのような決断をくだし最後を迎えるのか、下巻が楽しみ。

  • この巻も、ミヤベ作品と思わずに、次々と繰り広げられる異世界の風景の描写と登場人物の多彩さを楽しむといい。
    時々、すりガラスの向こうのような距離感で現実世界がやって来て、冒険を楽しんでばかりいられない事を思い出す。アニメ映画では描かれなかった世界のあり方、人種差別や、宗教、歴史や伝承の歪みなどが語られる。スケールが大きくなってきた。いよいよ下巻が楽しみ。読むスピードが上がる。

  • 北の帝国や種族差別、カルト宗教、そして「ハルネラ」。本書が示す「ファンタジー」は単なる冒険活劇ではなく、我々現実社会の暗喩である。確かに仲間とともにミッションをクリアしていく様はRPGゲームさながらだ。しかし、所々強烈な現実を織り交ぜてくる。例えば毒の沼での出来事は人間の抱える闇を描く象徴的出来事だ。

    本書の中で特に印象に残ったシーンは母親と一時再開するシーン。弱くなった母親の姿をみた亘が決意する姿に、不覚にもウルッときてしまった。

    これが子ども向けとされ、実際に子どもが興味を持って読んでいるということは、、、私は大人としてまだまだということなのかもしれない。

    小学校でくだらない文部省公認の教科書をみせるより、本書を読ませたほうが数万倍有益だ。

  • 個人的には、上巻より中巻です。読み始めたら息を吐く間もあたえないほどの展開と面白さでした。
    願いを叶える旅、魅力的な仲間たち、優しさ、出会い、裏切り、真実、危険…幻界の全てが亘を強くしていきます。

  • うーん、イマイチ刺さらなかった。
    下は読めないな...

  • 中巻はまるまるファンタジー。そのままRPGにできそう。

  • 幻界での人種差別や貧富の差を前にして、為すすべもない主人公・ワタルの姿はリアルで、逆に説得力がある。
    幻界がワタルの心を映し出し形作られている、という設定が、最後に効いてくるのだと思うけれど、幻界と現世のそれぞれの課題にどう結末を付ければ、彼が納得できるのかは、まだまだ見えてこないところ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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