疾走 上 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 9165
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043646029

作品紹介・あらすじ

重松清は、作風としては穏やかで心が安らぐことが多いですが、この疾走 上は少し感じが変わります。
少年を主人公に、さまざまな世界が描かれていきます。
大人の世界の残酷さが、非常な文体でテンポよく小説は進んでいきます。
最後まで、どのような展開になるのか予想ができない面白さがここにはああります。
また、違う作家の顔を見ることができる作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 普段読む重松清とは少し違って暗い印象でした。読み始めたきっかけは表紙のインパクトが強かったからです。詳しい感想は下巻にのせます。

  • 下巻へ。

  • ラスト2ページがなかったら何も救いがないままだったのでは?

    環境で人生って底なし沼の様に堕ちていくものなんだなと思った。シュウジの環境は厳しすぎた。
    住んでいた場所が悪かったのか、生まれた親が家族が悪かったのか…悪い連鎖は止める事が出来なかった。誰も、神様だって止められなかった。
    遠藤周作の「沈黙」を思い出す。
    今だって救えない子どもたちはたくさんいる。少しでも救いがあるといいと思うなんて、言葉が軽すぎて嫌になる。

  • 重い...暗い...

    読んでると、どんよりしますのぉ
    :(;゙゚'ω゚'):

  • 重松清の語り口はいつも独特の雰囲気がありますが、この突き刺すような冷たいようなのは最初ドキッとしました。
    にんげんの愚かさと怖さは、その辺のホラーより遥かに恐ろしいものがあります。暗澹たる雲行きを感じますが、下巻のシュウジのこれからの生き方が気になります。

  • 中学生のときたしか友達に借りて読んだ。
    好きだったNEWSの手越くんが主演で映画になっているから、という軽い気持ちで読んだらとんでもない小説で、脳を金槌で殴られたような衝撃がはしったのをよく記憶している。13歳の頭で、生きるってなんなのか?と必死に考え思い悩んだ。
    孤高、という言葉もこの小説で覚えた。徹夫が教えてくれたすこし難しくて誇り高い言葉。
    孤独と、孤立と、孤高。シュウジも、徹夫も、エリも。
    にんげんはみんな「ひとり」なんだと、もしかしたら私はそのとき初めて知ったのかもしれない。教室の中でたくさんの同級生にかこまれていても拭えなかった違和感、居心地の悪さ、多分そういったものの正体に気付いた瞬間だった。
    「ひとり」は寂しいけれど、でもみんな「ひとり」と「ひとり」と「ひとり」が集まっているだけなら大丈夫だと思ったし、だったら自分はエリのように在ろうと誓った。13歳だった。

    ゆうに15年過ぎた今でも、ちっとも損なわれずに甦るそのときの衝撃と決意の鮮やかさが眩しい。
    当時はアカネというおんなが得体の知れない恐ろしいもののように感じていたけれど、私もずいぶん大人になった今では彼女の気持ちにもだいぶ寄り添うことができるようになった気がする。
    徹頭徹尾、どこまでも重苦しくて暗い。この世には〈浜〉と〈沖〉しか無くなってしまったのかと錯覚する閉塞感に息が苦しくなる。
    でも神父さんが祈るのと同じように、穴ぼこの瞳になってしまったシュウジにどうか生きていてほしいと、強く、強く願わずにはいられない。
    とにかく下巻がはやく読みたい。

  • この作品は今まで読んできたものとは違う まさしく衝撃作でした。
    伝えたい事はよくわかるのですが、性的な表現や暴力的な表現がきついので、読んでいて辛くなりました。
    読み始めの頃に映画化もされていることを知り、DVDも買ってしまいました。
    今は観ようか 迷っています。
    次は 少しほのぼのとした作品を選んで読みたいと思います。

  • 著者の作品は、好きでよく読みます。ほのぼのとした作品。涙を誘う作品。大人の御伽噺のような作品。おじさんである著者が、どうして少年少女の気持ちがわかるのか不思議にさせる作品。共通する部分は決して居心地の悪い、不安感を誘うような作品は読んだことがありません。私が知らないだけかもしれませんが。この作品は、ズバリそんな作品だなあと感じます。上巻を読み終わった段階では全く救いがありません。でも、著者の筆力は読ませます。違和感から逃げることができずに読み進めます。下巻でも展開が楽しみです。

    • きのPさん
      ハートフルストーリーの多い重松清の作品の中で、この本だけ別の人が書いているような、、、
      それだけの異彩を放っている作品だと思います!!

      下...
      ハートフルストーリーの多い重松清の作品の中で、この本だけ別の人が書いているような、、、
      それだけの異彩を放っている作品だと思います!!

      下巻もお楽しみ下さい(^^)♪
      2021/04/15
    • yhyby940さん
      コメントありがとうございます。なんとも胸騒ぎをさせる上巻を読み終えて、下巻がどのように物語が進むのか興味津々ですね。
      コメントありがとうございます。なんとも胸騒ぎをさせる上巻を読み終えて、下巻がどのように物語が進むのか興味津々ですね。
      2021/04/15
  • 下巻と合わせて、何回も何回も読んでいる。
    正直、何回読んでも主人公の救いのない人生に切なくなって苦しくなってしまうのに、どんどん読み進んでしまう。
    この本だけは何回読んでも途切れることなく完走して読む。

  • 最初から最後まで、ずっと悲しい本。私は好きです。最後はほっこり、とか無いです。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

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