- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043687114
作品紹介・あらすじ
将軍職は秀忠に譲るがそちには幕府を与えよう。揺がぬ天下を築け-大御所家康が死の床で宰相・土井利勝に遺したのは意外な言葉であった。しかし十数年後、一浪人の刃傷沙汰が招いた仇討に、天下は不穏な動きを見せる。幕府の行った処遇に不満を抱く旗本一統と外様大名が、この事件を巡って激しい暗闘を開始したのだ。家康の遺命を奉じる利勝は、騒乱の芽を摘み取るべく、敢えて「悪」をなすことを決意する。
感想・レビュー・書評
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上下巻合わせてこれで。
おもしろかったけど、ちょっと無理矢理感が漂う。鍵屋の辻の決闘をあまり分かっていないので、幕政のパートは面白いけど、実際の戦闘はいまいちな感じがする。
しかし、個人から幕政へ、政権中枢から個人へと、自在にズームが変わっていく小説の手法というか、筆というか、それは見事だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
将軍職は秀忠に譲るがそちには幕府を与えよう。揺がぬ天下を築け―大御所家康が死の床で宰相・土井利勝に遺したのは意外な言葉であった。しかし十数年後、一浪人の刃傷沙汰が招いた仇討に、天下は不穏な動きを見せる。幕府の行った処遇に不満を抱く旗本一統と外様大名が、この事件を巡って激しい暗闘を開始したのだ。家康の遺命を奉じる利勝は、騒乱の芽を摘み取るべく、敢えて「悪」をなすことを決意する。
「鍵屋ノ辻」という言葉だけは聞き知っていたものの、その詳細を知らずにいたのだが、この作品を読んで、その全貌を知ることが出来た。
300年の太平の世を築いた徳川幕府。しかしその成立直後においては、その後の太平が予想も出来ないほど各地に火種を孕んでいた。それは取りも直さず外様大名たちの動向が主たる火種であったが、それ以外にもさまざまな火種を宿していたことは否めない。
その火種の一つとして、鍵屋ノ辻に至る一連の事件があったのだ。
池宮彰一郎は時代小説家としては私の好きな作家の1人だが、そのスピーディな筆致は本作品でも遺憾なく発揮されていた。上下巻なので、作品としては長編だが、読み進んでいくうちに、どんどん作品世界に引き込まれ、よりいっそう臨場感を味わえる。
時代小説ファンならば、一読してしかるべき名作だろうと思う。
2005年11月/角川書店/角川文庫 -
将軍職は秀忠に譲るがそちには幕府を与えよう。揺がぬ天下を築け―大御所家康が死の床で宰相・土井利勝に遺したのは意外な言葉であった。しかし十数年後、一浪人の刃傷沙汰が招いた仇討に、天下は不穏な動きを見せる。幕府の行った処遇に不満を抱く旗本一統と外様大名が、この事件を巡って激しい暗闘を開始したのだ。家康の遺命を奉じる利勝は、騒乱の芽を摘み取るべく、敢えて「悪」をなすことを決意する。
2009.7.4読了 -
2006年に放映される正月のテレビドラマの原作。三大仇討ちで有名な「鍵屋ノ辻の決闘」までの経過を描きつつ、幕府の老中・土井利勝のスケールの大きさと荒木又右衛門の武士の美学をつらぬいた潔さが感動を沸きたてます。