堕天使の島 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 174
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043702053

作品紹介・あらすじ

義父に陥れられ、絶海の孤島にある更生施設に連れてこられた秋生の運命は……逃げ場のない空間に置かれた少年たちの愛と官能を、時に繊細に、時に荒々しく描き、読者から大きな支持を得た傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 義父の陰謀に堕ち、絶海の孤島に送られた秋生。そこは表向きは更生施設と呼ばれていたが、実際は少年達を酷使し麻薬の原料を育てていた。高貴な美貌と邪悪なほど淫らな雰囲気を持つロシア系の美少年クリス、手負いの獣のような激しさを秘めた海人。性と血の饗宴が繰り広げられる、逃げ場のない島で出会った孤独な魂。切ないほどに互いを憎みそして愛する、絶望の日々の先にあるものは…。耽美の女王代表作、待望の文庫化。

    ただのゲイもののエロ小説だった。表現の仕方はエロかったけど、中身自体は空っぽだった。結末も予想通りだった。
    作者のことを調べてみるとこういうゲイものの小説をよく描いている人みたいで、それで納得した。

  • 内容はさすが、といったところ。
    でも帯やあらすじからはあの濃さは読み取れないので、書店側は作者の名前を初めて見る人のことも配慮すべき。
    背徳の聖者たちシリーズに出てくるクリスの過去が明かされています。本当はこっちのほうが先に出版されていたみたいですけど、私は背徳〜から読んでたので、どうにも謎な存在だったクリスの正体?がようやく分かりました。

  • うわっ…、クリスがめちゃくちゃ妖艶でヤバい。その魅力たるや、たまんない…。しかも彼はただの男娼ではない。そこがまたそそられる。海人や秋生や所長など獰猛な野獣たちに翻弄されているように見せかけて実はその野獣たちを手中に収め踊らせている。そんなクリスの魅力に私もがっつり撃ち抜かれた…。終盤、秋生がクリスに心から愛の告白するシーン、あれはよかった、グッとくる。最後の一文、あの三人目ってやはり海人のことなんだろうか。秋生も不本意とはいえ、これからの人生に海人を排除することはできないということなのだろうか…。

  • すごく良かったです!
    紫姫子先生の本を読むのは初めてでしたが、一般レーベルから出ているものでここまで描写していいんだ、と少し驚きました。

    (男性同士の関わりや情事が苦手な人には、おすすめできないかもしれません。かなりの文量をその描写に使われています。)

    SM描写があり、鞭などが登場しますが、かわいそうで見ていられない、ような感じとは少し違っていて、あまり痛々しいのが得意でない私でも読めました。
    綺麗な隠喩などはあまり使われておらず、生々しい描写のはずなのですが、読んでいると何故か、美しくて魅入られます。

    クリスは絶世の美少年ですが、攻めに守られる儚いタイプの受けではありません。ちなみに、クリスは攻めもできますが、主人公に攻めをしたのは初めの一回だけです。正確にはそうですが、その後の形勢から、私はリバではないと言えると思います。

    それから、シリアスでイレギュラーな状況下ですが、意外と、ちゃんと恋心のようなもの(や、その動きのための段階のような…)があります。
    誠実さ、と言うのでしょうか、「片方は本気だか、もう片方は、誰でも良くて、遊びで情事をする」というのが好みではないので、それが個人的に嬉しかったです。(少女漫画レベルの誠実さではありませんが)

    表紙やあらすじから、ハッピーエンドではないかもしれないと思いながら読みましたが、予想よりもハッピーエンドでした!

  • いろいろな疑問が説明もなく、オチもなかったような。これ、シリーズものなのかな?次巻できちんと説明あるのか?それとも、官能小説としてだけ楽しめばいいのかな。

  • 2013年1月10日読了

    予想していたものよりは、割とハッピーエンド寄りだったので一安心。
    どうやって破滅していくんだろうとかこの先の展開は…と「濃いな~」と思いつつ先が気になる。もともとCCが好きなのもあるんだけど、サスペンス要素も読み進める中で大部分占めてるかな。

    描写はないんだけど、ヒロと南はデキてるのかな~?仲良いよね。
    秋生とクリスがデキるのは予定調和なんだけど、もうちょっと海人が関わってきても良かったかも?個人的には秋生と海人も見たかったかも(笑)

    面白いんだけど、相変わらずの濃密さとSM(?)っぷりが重い。
    SMぷれいはあまり好きではない…けれども、他の既刊が気になるのはもうどっぷりってことなんだろうかwww

  • 自分の肉体を使うこと、人に見せる時の効果の程を熟知し、惜しげもなくそれをやってしまう様・・・あからさまで、大胆で、それを「妖艶」と言う一言で表わすと陳腐になるが、読んでいる読者の感覚がそちらへ行かないような言葉選び、これから彼が見せる痴態への期待を煽る効果は計り知れない場面だった。また、読んでる私が足フェチだから余計かもしれないけども。あからさまに誘うポーズがある意味で全くいやらしく感じないのに途轍もなくエロいのだ。エロスと言うものに種類があるとしたら、クリスは一級品だ。出自や生まれではなく、相手に媚びるか媚びないか、で性的に相手を誘う行為は上級か下級かが大きく分かれると思う。エロい事に高級かそうでないかなんか屁理屈だ、やることは同じじゃないか、と言ってしまえばそれまでだが、下品と上品は絶対に存在するんだ、とクリスのあのバックショットを想像しながら思ってしまった。

  • あくまでも一般作品が許せるギリギリのラインで、本格的に濃いものは読めないと思っていたけれど、どうやら山藍作品は別らしい。

    自分でも不思議なくらいすんなり読めたし、物語や文章もしっかりしていて好み。

    ただ、精神的にちょっと疲れる。

  • 久々にこの方の本読んじゃった。お腹いっぱい。ずーっとやってる。
    物語はやはり上手いんだよなぁ。よくまとまってる。

  • さすが山藍先生、キャラ立ちが良いです!
    特に所長の変態加減とか… あのお方相手にホントよく勃たせたものだと、クリスでなくても思いました。秋生クンお疲れさまと言いたい(笑 
    予想以上に甘めでしたが、舞台の悲惨さからいけばこのくらいでバランスが取れているのかな。
    ストーリーもエンターテイメント性が高くて最後まで楽しめました。
    クリスの過去が解かって、背徳の聖者たちシリーズの続きがますます楽しみ♪
    しかし(李歐にしてもこのクリスにしても)美貌の暗殺者ってのは魅力的な事この上ない。 ことごとく惚れてしまうわ…

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著者プロフィール

1992年のデビュー以来、耽美小説の女王として君臨し、絶大な人気を誇る。著書に『花夜叉』『色闇』『アレキサンドライト』『王朝恋闇秘譚』(以上角川文庫)、『江戸繚乱』(白泉社花丸文庫)など多数。

「2011年 『堕天使の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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