彼岸の奴隷 (角川文庫 お 45-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 192
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043706020

作品紹介・あらすじ

手と首を斬り落とされた女の死体が発見された。捜査一課の蒲生信昭は、所轄の刑事・和泉龍一と組み、捜査を開始する。だが、被害者の娘、大河内涼を見たとたん、和泉の様子がおかしくなる。和泉を疑い出した蒲生は、彼の過去を調べるが…。血と暴力に彩られたあらゆる罪悪が襲いかかる狂気のクライム・ノベル。鬼才・小川勝己が描く、救いのない、背徳的な快楽に満ちた世界から、あなたは抜け出せるか-。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。記憶なし。読んだ時期も悪かったのだが、ここで死にたくないのにどうにもならないまま死ぬって事もあるんだなと再確認。意外と戦えるなと思った矢先だったので、撃沈した。

    途中、共感できる人やものが無かったので、何を伝えたくて描いた?と思っていたら、あの銃撃戦の事実がすっかり捻じ曲げられ伝えようとされていた事にびっくり。
    死人に口無しとはよく言ったものだ。
    生きている人に都合のいいように事実は塗り替えられ、世の中は回っていくんだ。と気付けたから読んで良かった。世の中は生きてる人の為にある。

    解説では作者は横溝正史の『白と黒』がお気に入りだそうで、ちょっと納得。歪んだ世界を描きたいというのはわかった。

  • やくざ系の拷問?はグロいいいー!

  • 「建物の中には狂人までいるらしい。」
    いや、お前が言うかね!!
    っていうツッコミが自分のなかで百花繚乱。狂人のオンパレードストーリー。

    なんか狂い具合と描写がスゴすぎて、犯人が誰か、とか事の真相、とかが頭の隅っこに追いやられて埃にまみれちゃうという………。

    感情移入できるシーンもキャラクターも一切なくて疲れました。
    でもなんでしょうね、両手で目を覆っているけど、指の隙間からつい覗き見てしまうこの感じは。

  • 登場人物ほとんどキ××イのスーパーエログロノアール。
    少しはミステリ的な味付けもあるが
    全篇を覆い尽くす酸鼻極めた悪夢の様なお話しは
    もう地獄絵図・・・・・
    あまりに現実離れしている点が逆に救いではあるが・・。
    戦慄のヴァイオレンス映画としてどっかの誰かが
    映像化したら絶対観たいかも・・・・

  • 絶対に巻き込まれたくない世界。今まで読んだ中で間違いなく一番えぐい。ちょいちょい具合が悪くなったけど、先が気になりすぐに読破。まともな人が一人も出て来なかったな...

  • ストーリー自体は普通のクライムサスペンス。だが、主要登場人物が皆鬼畜であり、普通とは一味違って面白かった。久しぶりの一気読み。エログロな表現が多く、読む人を選ぶ内容でありお勧めはできないが、彼岸な行為すぎてある意味リアリティがなく、思ったほど胸糞ではなかった。

  • 刑事物の中では一番好きです。大好き。
    ミステリーも捨てたもんじゃないですねぇ、あれ?これミステリー。。。?

  • グロテスクでクレイジーでカオスティックなエロスハードボイルド。人間の想像し得る中で最も狂った世界を楽しみたくて、そのような小説を探していたのだが、その本意は無事、遂げられた。型破りで病的な世界だ。

    物語の設定において、読み手のスムーズな理解を促すためには、登場人物にブレの無い一貫性が必要であり、仮に登場人物が途中で変異した場合は、ストーリーの中でその説明がなされる。しかし、登場人物が自然な基地外であった場合、理由などなしに、ころころと様相が変わってしまう。物語には、一貫性が必要とされなくなるのだ。この小説には、まず、その前提がある。その上、ミステリー仕立てになっている。論理的筋道を要するミステリーなのに、ストーリーを進める登場人物が基地外。つまり、多少の強引さは仕方なしに楽しむしかない。しかし、この小説には余りある楽しさが存在した。

  •  『葬列』のラストもハチャメチャ感を多少感じたが、この小説は半端なくハチャメチャで乗り乗りであった。ストーリーの本筋からはなれた、登場人物の小話などから判断して、常人はひとりも登場しないのである。狂っている人々が織り成す事件の結末は些細なことであり、著者は何を読者に伝えたかったのか謎である(笑

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