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不自由な心 (角川文庫)

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著者 : 白石一文
  • 角川書店 (2004年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043720026

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不自由な心 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • すこぶる胸糞悪い小説だった。次から次にろくでもない男ばかりでてくる。ちなみにすべて不倫。
    身勝手で独善的で、ばっかじゃないの?と思わず吐き捨てたくなるような愚かさのオンパレード。
    でも、それを知っていてもなお、そんなろくでもない生物をどこか愛おしく思えてしまうのは何故だろう。
    既婚男性と尻軽独身女性の組み合わせばかりだからありきたりでチープに感じてしまうけれど、男も女も似たようなものかもしれない。
    誰だって自由に生きたい。誰がどう思おうが誰がどうなろうがどうでもいい。愛する人と一緒にいたい。でも愛する人はころころ変わる。
    そんなもんでしょ。所詮みんなゲスなんですよ。
    と私はこの本を読んで思いましたね。

    極め付けは表題作の「不自由な心」。
    作家自身が、この話に入り込みやすくするために前の四編を書いたっていうぐらいの渾身作。
    不倫で盲目になって相手と一緒になろうとしてそれに発狂した妻が自殺未遂をして、それで頭が冷えて家庭に戻ったものの、ほとぼりが冷めればまた別の人と不倫にはしる江川。
    妹の旦那がかつての自分と同じように不倫の果てに離婚しようとするのを引き留めるが、なんの説得力もナシ。妹の旦那に説教した内容ぜんぶ江川本人が自分に言い聞かせてきただけの薄っぺらいものだ。
    半身不随になってしまった妻を石塊呼ばわりまでして、あのとき死んでしまったら良かったのにだなんて、クズすぎて言葉がでてこない。
    こういうタイプの人間は本当の意味で誰かを愛することなんてできやしないんだ。結局自分のことしか愛せない。
    社会的に理性的に生きていかんとするならば、不自由な心をどうにかなだめすかして飼いならして、押し込めて、なんなら首を捻り上げて、そうやってやっていかなきゃならないんだ。

  • 読書会のお題が 「異性がわからなくなった」本は?
    そんなの、考えたこともなかったーーだって、そもそも異性って異物じゃないか?
    わかるんか??
    困り果てた挙句に、初期白石作品=男の身勝手本だよ という情報を得て、表題作のみ読んでみた。

    なるほど、わからんわ(笑)
    まさに男の身勝手本。
    身勝手な上に、この主人公は自分のことすらわからずにぐらぐらし続けてるだけなんじゃないか?

    そこそこの会社に勤める35歳の男性が主人公。
    彼の妹が離婚するんだと言ってくるところから話がはじまる。
    妹の夫は、主人公が紹介した彼の5歳下の部下。
    離婚なんて冗談じゃない、と腹を立てるのだけれど、ご本人は結婚してからも次々に会社の女の子をつまみぐい。
    それが原因で妻は自殺未遂で半身付随になっているのに、自分は運が悪かったと思っているーーーで、子も妻もなくして、後を追うように死んだ友達を理想化しちゃってる。
    挙句の果てに、妹の夫を追いんで、ごつぅ暴力ふるって「でも、急所ははずしてやったぜ」ヲレ、いい奴だよね、か?

    こういう男にひっかかる女って、いるんだ .....

    主人公が九州出身の男であるのに対して、妹の夫が都心の私立でエスカレーターのぼんぼんという対比が、たぶん、主人公の ”結婚とはいったん籍を入れたら離婚さえしなきゃカッコがつくもの”というガチガチかつボロい固定観念=不自由な心 を浮かび上がらせる装置になっているのだろう ...... と、途中までは思ったが、暴力締め/しかも自己満足。

    要するに子供の頃はそこそこデキが良くて、都会にでてきたはいいが、ただの人だったという事実と向き合えないガキじゃん、という感じ。

    なにが人間の心の深淵だか?
    まぁ、たしかに 評判通りの身勝手な話でした。

  • 重すぎず、軽すぎず。劇的なストーリーではないけど、人の格好悪さも含めて、極めて現実的なので、「人ってこんなもんだよなぁ」と思わせる。あとがきで、「実は、こうした誰しもが持つ自分自身の生きている姿そのものへのある種の肯定にこそ小説の基盤がある」と言っている作者の姿勢が、一貫して表出している(談志みたい)。30代から40代の会社員が主人公の短編集。

  • 短編集です。通奏低音で流れるテーマは
    運命の人と一緒になれればほんとうに幸せになれたのかも…
    なんだろうかと感じます。
    それが出来なかったり、それを選択しなかった人生の様々な結末を描きつつ、幸せな人生とは…を問うたような作品です。

    運命の人…だと思える人と出逢う。
    いつ出会えるかは全くわからないんですよ。結婚する前ならいいですよ。そのまま流れに身を任せておけばいいんだしね。後ろめたさも、後ろ指さされる心配もありませんもんね。
    でも結婚した後だったり、子供を持った後だったりする場合もあるんですよ。その場合…どれほど苦しまなきゃならなくなるか…

    自由な心で思うままに生きられれば…誰しもそう願うでしょう。
    でもそれが本当に幸せなのかどうかは、簡単に答えられません。

    不自由な人生だとしても全てが否定されるばかりではないし、
    自由な選択、自由な人生であったとしても幸せとは限らないのではないでしょうか?

    自分の人生を生きる…難しい命題です。

    本作は白石さんのデビュー二作目何ですね。以後の作品をいろいろ読ませてもらってますが、デビュー当初から男女関係や人生のあり方に疑問を投げかけるような作風なんですね。

    今年は彼の作品を全て読破するつもりです。次はデビュー作をチョイスするつもりです。楽しみです。

  • 作者の精神性に上手くついていけず、評価なし。しかしあとがき(あとがきにかて)がこの本の意義を雄弁に語っていて、ようやく腹落ちした気持ち。

    この前に向田邦子と辻仁成を読んでたけど、やっぱ男性が書いたか女性が書いたかって文章に出るのね。

    この本の筋とは関係ない話になるけれど、作品集(に限らず、CDアルバムとか個展とかでも)を作る時って順番とか、並べ方までちゃんと作者の思いがあるんだなぁ。短篇集なんかそのへんふわっと気にせず読み流しちゃったりするけど、今後そのへんも楽しみになりそう。

  • 色んな意味で考えさせられました。

    共通したテーマの如く「不倫」が出てきますが、、、さほど嫌な感じは受けず、さらっと納得、不思議な程に最後は収まるところに収まって安定感がありました。

  • 直木賞親子受賞の白石一文、その15年以上前の短編集。僕らがちょうど社会人になった頃の作品だから、オフィスの風景が懐かしさを覚える。それにしても全編の主人公のなんと勝手で甘ったれたことか。でも、響く部分がないわけでもなく、困ってしまう。それはとりもなおさず、自分も同じで、他から見ればそう見えるということなのだ。情けない。
    あ、あとね、僕ヒコーキのなかで読んだのですが、別の意味でオススメしません。地に足着けて読みましょう…。

  • 人間存在の根源を見つめる…と裏表紙の解説に書かれており、確かに作者の人生観や恋愛観など、深く考えて描かれていると感じた。4作を通じて読むことで、さらにそれが深まっている感じ。
    しかし、いかんせん不倫ばかりで、当の主人公は全く罪悪感もなく、不倫を正当化しているだけであり、同感できないという感じ。ドライに捉えているようで、単なる甘ちゃんでは。特に不倫を題材にしなくても同じメッセージを込められたように思うけど。

  • 短編小説の最後の本の題でも、不自由な心は。。。かなり深い。死について考えさせられるものだった。そして、解決のつかない思いが残った感じ。暫くは、男と女についたアレコレと考えしまいそうです(。-_-。)

  • 「いくら真面目で一生懸命に生きてみたところでたしかにそれきりでは、ただの自分勝手、ひとりよがりでしかあるまい。『一人きり』とは、他人に対する思いやりや慈しみをどんどん喪失してゆく、単にわがままで貧しい行為にすぎないのではないか」

  • このテーマでタイトルが「不自由な心」ってなんとも言い得て妙というのか、舐めてるのか

    男の勝手な言い分をここまで書き連ねると、男の読者である俺でも辟易としてくる。ほんでまた都合エエんだ。自殺したり飛行機が堕ちたり、個人的な出来事について自分が主人公気取りで勝手にクライマックス盛り上がってるのを傍から読まされるの正直ツラいねんなぁ。

    って「駄作掴んだ」と思ったら、最後に載ってた表題作でちょっとだけ盛り返した。それでもやっぱり身勝手を言い訳してる範疇からは越えられてないなぁ。

    人間だれでも身勝手なもんで、他人様が身勝手なことをしてもお互い様、本来そこを責めるのは筋がちゃうっていうたらちゃうんだけど、身勝手だから自分以外には厳しくなってしまう。で、身勝手な自分が誰かに責められて「俺はなんて不自由な境遇なんだ」と思う。

    そういう道筋で考えたら、タイトルの意味は分からないでもないが…しかし、身勝手だなぁ、俺が思うんだから相当身勝手だ。

  • どうして不倫男というのは自分が一番の迷惑な存在のくせにああなんて俺は不幸で罪深いんだとうじうじうじうじうじうじうじうじ嘆きながら実は女を不幸にしてきた武勇伝を自慢したいだけで結局なにも解決させないまま終わるバカばっかなの?

  • 内容がいいかというとどうかという感じなんだけど、とにかく情報量が多くて、読むことの悦びを感じる。
    電車が終点に着いたのに気づかず、折り返してしまいそうになったくらいに、没頭できた。

  • 人は何のために人を愛するのか。人は何のために生きていくのか。そして、人生の本当の幸福とはいったい何なのか。愛と命をテーマに描いた中・短編5作を収録。デビュー作「一瞬の光」に続く書き下ろし作品集。

    自分の不倫相手。結婚の噂。相手は50代の独身。癌にかかっている。
    3人で話し合う。ジャンケンで決めることに。支店長として仙台に転勤。
    ジャンケンに勝ったので早速、会社を辞めて仙台に呼ぶ

    不自由な心
    妹の旦那(会社の後輩)が浮気。説得するが、開きおなる。腹に一撃。
    空手の選手だった友人。幼い子と死別、妻も後を追うように死んだ。
    最後は自殺のように死んだ。

  • 不倫の短編集。
    男の人目線の。

  • 幸せのない話。
    読んでいて辛い。
    人の真実を描いたのかもしれないが、特段知りたくない真実。

  • 現実的なストーリー背景を持つ作品を書く作家さんの作品を読みたい、そう思い読み始めた本作。
    本作の根底に流れているのは

    “「死」を眼前にしたとき、ヒトはどう変わるのか?”

    というテーマだと思う。
    『夢の空』では極限の状況下に陥らなければヒトは自分の本音に気づけないということ
    表題作である『不自由な心』では 「愛」と「死」がいかに相関的な関係を示しているか
    それがわかった気がした。

    数年後、改めて読み返してみたいと思えた作品だ。

  • 不倫が共通のテーマになった中編集。
    不倫自体は全否定しないのですが、不倫を通して生き方を理屈っぽくグダグダいうのは共感できない。

  • 短編集なのですが,底辺に流れているテーマは共通しています
    楽しめました

  • 20130323読了

    表題作がいまいち

  • この作品の中の不倫は、遊びではなく本気の恋愛の不倫。結婚もしてないので、不倫については想像するしか出来ないが、こんな面倒な事は経験したくもないが、いつか味わってみたい様な気もする。
    最後の作品の主人公の思考が自分と同じ過ぎて、あまり人には言えないな。

  • 「不倫」をキーワードに、"生きること"をテーマにした短編5作を収録した作品。この作品の中の不倫は、遊びではなく本気の恋愛の不倫。結婚もしてないので、不倫については想像するしか出来ないが、こんな面倒な事は経験したくもないが、いつか味わってみたい様な気もする。
    最後の作品の主人公の思考が自分と同じ過ぎて、あまり人には言えないな。

  • そうなんだよね…
    彼処に始まり彼処に終わる。
    ははは

  • 死について考察された箇所が興味深い。

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不自由な心 (角川文庫)の作品紹介

大手企業の総務部に勤務する江川一郎は、妹からある日、夫が同僚の女性と不倫を続け、滅多に家に帰らなかったことを告げられる。その夫とは、江川が紹介した同じ会社の後輩社員だった。怒りに捉えられた江川だったが、彼自身もかつては結婚後に複数の女性と関係を持ち、そのひとつが原因で妻は今も大きな障害を背負い続けていた…。(「不自由な心」)人は何のために人を愛するのか?その愛とは?幸福とは?死とは何なのか?透徹した視線で人間存在の根源を凝視め、緊密な文体を駆使してリアルかつ独自の物語世界を構築した、話題の著者のデビュー第二作、会心の作品集。

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不自由な心 (角川文庫)のKindle版

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