バッテリー 3 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043721030

作品紹介・あらすじ

「巧。おまえにだけは、絶対負けん。おれが、おまえにとってたったひとりの最高のキャッチャーだって心底わからせてやる」三年部員が引き起こした事件によって活動停止になっていた野球部。その処分明け、レギュラー対一年二年の紅白戦が行われ、巧たちは野球が出来る喜びを実感する。だが未だ残る校長の部に対する不信感を拭うため、監督の戸村は強豪校、横手との試合を組もうとする…。一方、巧と豪の堅かった絆に亀裂が入って!?青波の視点から描かれた文庫だけの書き下ろし短編「樹下の少年」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 大好きです。
    めちゃくちゃ熱くなる。

    小町グイグイくるなー!

    青波めっちゃ可愛い。

    沢口ナイスやし、東谷もいい。
    吉貞も面白いしな。
    野々村もいいわー

    展西にもスッキリした

    やっぱバッテリー最高

  • 面白かったけど2巻と4巻のつなぎ的役割な気もしました。

    巧みたいな中学1年生って本当にいるのかなーと、読むたびに思います。
    でも、中学時代に入り込むことのできなかった男の子の輪というか、世界みたいなものを垣間見るような面白さがありますね。

    気になるのは、青波の成長っぷり。
    どうなるのでしょう、彼と巧の力関係は。

    もちろん、野球部の動きも気になるところ。
    こちらは4巻を早く読まなくちゃ、ですね。

  • 4.1
    →少しずつ巧が自分のことだけでなく、仲間の事を考えられるようになってきているのを感じました。野球の試合の展開も、巧の成長にも目が離せず、とても面白いです!

  • 本格的に物語が進む中、読みやすい文章で想像しやすく、さらに読みやすかった。続きが気になる。

    ★制服の下に、ユニフォームの下に、誰もが、それぞれの身体と意志と誇りを潜ませている。

  • 夏休み明けの一年生の秋から。
    二学期が始まると同時に前巻で起きた事件による謹慎期間が終わる。そこで待ち受けていたのはレギュラーと一年生の紅白戦。巧と豪にとってはバッテリーのデビュー戦となる。
    心理描写が細かいもののテンポよく読みやすかった。次の強豪校との練習試合はどうなっていくのか。
    読切の青波視点の話も良かった。巧、ちゃんと優しいお兄ちゃんやってるなーっというのが青波を通じて随所に感じられた。

  • 部活動禁止が解け、部内で紅白戦をしたり、他校と練習試合をしたりする。

    こんな中学生居ないだろうと思いつつも、主人公らの内面の描写が丁寧に書かれているので、一々共感してしまう。巻末の青波を主人公とした短編も中々良かった。

    それは願望でもなく夢でもなく、意思なのだ。自分の中を真っ直ぐ貫いていく一つの意志。掴み取ってみせる。

  • 感性豊かな青波からの描写が美しい
    巧と豪のまだ幼さをみながら読んできたが、青波からの視点で読むと新鮮で感動
    巧豪が大きく尊く頼もしく見える

  • 少年たちの息づかいと、空気の透明感と、昆虫たちとの距離がすごくリアルでふいにタイムスリップして昔に戻ったかのような感覚に陥ります。
    あさのさんの言葉選びがすごく好きです。

    さて、白熱した紅白戦もおもしろければ、例の試合もわくわくするし、野球って楽しいかも・・・!と素人にも思わせてくれます。年に1回くらいは野球観戦に行きますが、こんなに近い目線で野球を感じることってないですからね。
    これがまた新鮮です。小説ならでは。

    私はちいさい頃、はやく大人になりたいなぁってずっと思っていました。みんなで同じ授業を受けて、やりたくもない教科をやって、学校が嫌いなわけではなかったけど、窮屈だなあと思っていたのを思い出します。
    なにせ、子どもは制限が多いですよね。
    もちろん保護が必要なこともわかっていますがそれでもね。巧たちが感じるままならなさは、私も昔感じたものとまったく同じ。
    それでいて、私はぼんやり窓の外を見ながら大人になる日を夢見ていたのに対し、巧たちの強行突破にも近い猛進具合に微笑ましさを通り越して憧れすら感じます。

    巧と豪の絡みも濃くなってきましたね。
    自我が芽生えればぶつかり合うこともあるでしょう。
    今後は巧と青波の絡みも増えていきそうですね。

    こちらの文庫版、何が素晴らしいって、文庫版だけの書き下ろし短編として青波目線で描かれた「樹下の少年」が収録されていること。
    かわいい青波から見た世界はやっぱり透明感を持っていて、それでいて実は誰よりもしなやかで強いかもしれない逞しさが根底にはあって。
    いつまでもかわいい青波ではないんだろうなと思うと、ちょっとさみしですね。既に親目線ですが。

    続きが気になるところで終わっていてはやく先が読みたいのですが、購入済みなのはここまで。
    はやく続きを買わなくちゃ。

  • 周りを変えてく巧。
    中学生って、子供だけど大人なんだよな。周りの大人はうざったいし。
    忘れてた感情を思い出した。

  • ちょっと(笑)
    今気づいたけど、豪と巧、初めての試合じゃん!
    展開おっそ!!
    なのに読んじゃうって言う、シリーズ物の罠(涙)
    ちなみに第3巻は、夏の終わりから秋の初めまで。
    次巻は初対校戦!

    暴力事件主犯の先輩が、部活をやめていきます。
    多分スポーツやっている子なら誰でも遭遇するであろうシチュエーション。
    才能の有無にかかわらず、ふとした瞬間に熱意が冷めたり、ちょっとしたきっかけから未来が見えなくなったり。
    去っていく人を引き止めるのって、すごい難しい。

    先輩ほど露骨じゃないにしろ、今はチームメートでいるけど、沢口や東谷もいつか野球をやめる時が来るんだろうな。
    その時、豪や巧はどういう反応をするんだろうね。

  • 3巻まであっという間に読みました。のこり3冊。早く読みたいけど、一気に読むよりゆっくり楽しんで読んだほうがいいかなぁ。でもやっぱり一気に読みそう。

    こども向けの本だとずっと思ってたけど、読んでみるとこども向けとか大人向けとか全然関係ない。ただただ面白いです。

    私は女だし野球には興味もないし、運動部にも全然縁がなかったけれど、それでも少年たちの熱い気持ちには本当に心を動かされるし共感できます。通勤電車内で何度も熱い涙がこぼれそうになったほど。。
    巧の強さには驚かされるけど、豪のふところの広さや大らかさが素晴らしいと思う。だんだん読み進めるごとに、このバッテリーの二人だけでなく、ほかのチームメイトや、家族や先生たちもすごく魅力的になってきた。
    ますます続きが楽しみ。

  • 大人は子供のことをわかってるつもりで
    子どもは自分が大人と対等に話せると思ってる
    そのへんの食い違いがいろいろ辛くて大変なんだよね・・・
    青波くんはお兄ちゃんへの憧れとか体弱いことの悩みとかいろいろ考えるといいと思う 
    いや、もう考えすぎてるのかな・・・

  • バッテリー? もおもしろかった。野球小説としておもしろい。

     そして,また次の部分も。まず,抜粋します。


     (紅白試合のあと校長先生が語ります)

    「(前略)そう、学生のやるスポーツというのはそうでなくちゃいかんのだ。みんなで力を合わせてやりぬく。ひとりじゃできないことでも集団ならできる。集団を生かすためには、自分の欲や思いを殺さないといけないこともある。それがチームワーク、チームプレイというものだろう。きみたちはそれを学ぼうとしている。そうですよね、戸村先生」
     (中略)
    「技術的なことを言ってるんじゃないんです。精神ですよ。懸命に何かに打ち込むことで得られる協調と助け合いの精神、それが学生スポーツの神髄でしょう。その精神が、野球部には、芽生え始めていると感じたわけです。友情や努力も・・・・」

    (その後,ちょっとしたトラブルそして,3年の展西が原田に言う。)

    「なあ、原田・・・おまえ、ほんまに大会で優勝したいとか、チーム全本が強くなったいいとか、そんなこと思ったことあるんかよ。みんなで力を合わせて、仲間と信頼深めてがんばって・・・それでみんなで喜んだり悲しんだりして、そういうこと思って、野球してるんか」
    展西の問い方は穏やかだった。答えを聞きたいのだという穏やかな響きがあった。
    「思ってません」
    答える。隣で、豪の身体がぴくりと動いた。
    「けど、ひとりじゃ野球はできないってことぐらい、わかってます」
    (中略)
    「ただ、試合の勝利とかチームの成長とかのためより、自分の最高の球を投げるためにやっているというか・・・」
    (中略)
    「これは、また、ずいぶんと自己中心的な考え方だねえ」
    校長は首を横に振り、眼鏡を押し上げた。
    (中略)

    校長の声が荒くなる。
    「スポーツ活動は、教育のー環です。健全な精神と肉体を養うためにあるのでしょう」
    「おっしゃるとおりです」
    「あなたは、長年、野球部の活動を指導してきて、子どもたちに学校スポーツの基本も教えられなかった。責任問題です。野球部の活動再開も考え直さないと・・・」
    「なんで、そんなこと、あんたが決めるんだよ」
    巧は叫んでいた。
    「おれたちのやることを、なんで、勝手に決めるんだよ」
    (中略)
    (キャプテンの海音寺が言う)
    「先生、原田の言うとおりです。許可するだのしないだの、勝手に決めないでください。いろいろ、ごちゃごちゃあっても、部員はみんな野球が好きで、都活ができるようになって喜んでるんです。おれたちの部なんですから、やらせてください」
    校長は海音寺の顔を見つめ、かすかに目を細めた。
    「海音寺くん、ちがうんだよ」
    「は?」
    「学校内にある部というのは、文化部、運動部を問わず、全て学校活動に組み入れられている。新田東中の野球部は、新田東中という中学校のものなんだよ。むろん、きみたちのものだ。けれど、きみたちだけのものじゃない。わかるね? きみらが他校と試合をする。そのとき、きみらは新田東中の名前を背負うわけだ。新田東の野球部は強い、新田東の野球部はりっぱだ、きちんとしている、礼儀を知っている・・・・そういう風にいつも、校名かついてまわるんだ。いいか、誤解してはいけないよ。

     ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  
     校長先生のきれいごと。それに対して,巧の素直な気持ち。

     ぼくは,きれいごとが好きではない。何かとってつけたようで,そういうのを言うのは恥ずかしくります。

     しかし,ここでも巧にこのような発言をさせるとは。著者あさのあつこさんって,どんな人なのか?


  • ぎゃぁ〜!!
    海音寺がかっこ良過ぎます!
    チームの為に怒ったり、試合を・・・ってネタバレか!?
    とにかく今回の海音寺はおススメです。
    後はオトムライが最初の印象とはガラッと変わって行ってるかなと思いました。
    巧は自分では気付かなくても、ボールとグラブだけで人に何かを影響を与えてるんですね。
    門脇達も気になるところです。

  • 野球少年の物語とあったのでそれほど期待していませんでした。私は、野球自体あまり興味がなく「スクイズ」というのが何のことなのかも知らないんです。
    そんな興味薄めで読み始めたこのバッテリー。……面白いんですよ。これが児童文学の本とは思えなかった。私は大人なので、大人の視点から物語を見ちゃうんですが、それでもとても面白い。親として「……うーん、難しい」と深く感情移入してしまうシーンもありますが、少年達の気持ちの動きも気がつくとわかる気がしてどんどん面白くなるんです。
     児童文学だからなのか、読みやすいのも良かったです。結構さらっという読後感。でも胸にじんっとくるんです。

  • んーなんというか前半あんまり印象に残るようなシーンはなかったんですけど

    ラストの門脇VS巧のところから物語が急に飛躍してきておもしろかったです

    門脇VS巧を通じて実際は巧と豪の関係性の脆さの欠片のようなものが見えてきてしまったように感じてしまって不安になりつつもおもろくてつい一気に読んでしまいました。
    次巻この脆さが生きてくる話になるのか気になります。

    ただただなんだか歯がゆさを覚えますこの2人。そういう歯がゆさは中学生同士だからなのかどうなのか。
    口達者な巧が豪に対してはなんかこう下手くそでやきもきしちゃいますw

  • 青波が野球を始めて、今後どう絡んでくるのか、気になる。あと三巻で、まさか巧と対戦…?

  • ほぼノンストップ、一気読み!
    中学に入って早々起きた事件、
    そのせいで活動休止中の野球部だったので
    本作3作目にしてやっと野球をしました。
    ほんっとうに悲しいことに、
    中学の部活ってこういうものなんだよ…。
    ただ、海音寺先輩も、展西も、それぞれの
    野球の向き合い方があって最後はそれに正直に判断できたと思えば胸が少し軽くなる、、、それにしても展西達のしたことは許せないけど。
    巧と豪の対立は、リアルで痛々しい。
    どっちの主張もわかってても自分の考えを
    捻じ曲げられないのもこの年齢が故………!
    若干のすれ違いを引き摺りつつの4作目突入で、
    しかもコミック版はここまでの内容までだったので
    次からは未知の世界ーー!
    楽しみだ〜〜〜〜

  • 巧君が相変わらずのキャラだけど、徐々に独りよがりから変わっていこうとしていて少し読んでてイラつかなくなってきた。野球だけじゃなくチームスポーツはどんなに素晴らしくても、一人じゃできないんだよなあ~ さあ、いよいよ門脇登場、映画ではかなり早い段階で登場していたが。あと、巧君と対照的にキャプテン、ええ奴やわ~!

  • バッテリー3.
    野球部の休部のため、野球ができず欲求不満へ。
    巧も自分がやりたいだけでは、野球ができなかったということがわかっただろう。
    なぜか自己中心的な巧が少しマシに思えてきたので、3冊目だからだろうか。

    ここにきてやっと初めての野球の試合のシーン。
    練習試合とはいえ、ここまで引っ張るとは(笑)
    どんどん面白くなってきたし、次は野球強豪校との対戦みたい。
    楽しみです。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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