バッテリー (4) (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043721047

作品紹介・あらすじ

「戸村の声がかすれて、低くなる。『永倉、おまえ、やめるか?』身体が震えた。ずっと考えていたことだった…」強豪校・横手との練習試合で打ちのめされ、敗れた巧。キャッチャーとして球を捕り切れなかった豪は、部活でも巧を避け続ける。監督の戸村はバッテリーの苦悩を思い決断を告げる。キャッチャーを吉貞に-と。同じ頃、中途半端に終わった試合の再開を申し入れるため、横手の天才スラッガー門脇と五番の瑞垣が新田に現れるが!?三歳の巧を描いた文庫だけの書き下ろし短編「空を仰いで」収録。

感想・レビュー・書評

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  • ああ、ハラハラもやもやした。
    姫さん姫さんゆーてイライラした。
    立ち直れて良かったー!

    こういう崩れ方があるのか、と
    切なかった。

  • 徐々に巧と豪以外のキャラクターが際立ってきた4巻。
    どの登場人物も私は好きです。

    野球がテーマだけど、よくあるスポーツの試合経過がメインのものではなく、野球と向き合う少年たちの一途な思いやそこでぶつかり合う友情、それぞれの成長がゆっくりと丁寧に描かれていて引き込まれるように読んでしまいます。

    巧と豪というバッテリーが今後どうなっていくのか。とても楽しみ。

    巻末についていた3歳の巧を描いた「空を仰いで」も
    なかなか良かったです。

  • 練習試合の後の2人の描写から始まる。何が起こったか、がだんだんわかっていくような構成。強豪校との練習試合で打ち負かされた巧とキャッチャーとし負けた豪。彼らが自分の弱さを認めて前を向こうとする今作だった。
    また、最後にライバルたちを交えて野球という遊びをしていたのが印象的だった。

  • 3.6
    →巧と豪のバッテリーが崩れてしまったのは衝撃的でした…毎回上手くいくのではなく、失敗しながらも成長していく姿がすごく良かったです!

  • 季節が変わる巻だったが、情景の描写が丁寧で自分も新田に行ってみたいと思えるほどだった。それぞれの思いが出てきて、上手く伝わらない、伝えられない葛藤があって、のめり込めるものがあるっていいなぁ。と思った。これからどんな展開になるのか気になる。

    ★自分をさらけ出せない人間は、脆いのだ。跪いて泣いて、弱さももろさもさらけ出せる者の方が、強くてしなやかなのかもしれない。

    ★野球が好きだと言う単純な想いをみんな、それぞれで形にしていく。

    ★いつ、どこで、何に、誰に出会うかなんて、わからないじゃないか。予測どおり、計画どおりの未来なんて、4見捨てられた広告ビラみたいに、意味なくて頼りなくて、どこかに飛んでいってしまう。ここを行けば安全で豊かな将来があるからと教えられた道が、色褪せて、薄れていく。足場もない岩壁と高くそびえる山の頂を見てしまった。もしかしたら、この壁を登れるかもしれない。そう思ってしまった。

    ★自分に向かい合うことが1番、しんどい。向かい合わなくてすむのなら、自分の限界や弱さから、目を背けることができるのなら、幸せだと思う。

  • 野球って楽しいだけじゃなくてつらくてくじけそうになる時もあるんだと知れた

  • この物語を読み始めて気がついたら巧には絶対的な力があると思い込んでいた、豪や門脇と同じように。門脇が豪快に三振したにも関わらず、瑞垣には打てるのだ。そもそも絶対的な力、誰にも打たれない球ってそうそうないような気がする。誰かにとってとても苦手なことが、他の人にとっては得意なことだたったりする。誰かと比べて何かが秀でている。そういういことじゃないかな。沢口や東谷、吉貞は巧が豪速球を投げれることしか取り柄がないことを知っている。それ以外はまるでダメなのだ。でもこの物語はそんな偏った天才ピッチャー巧を簡単に十三歳の少年にはさせない。楽しい野球を知らない巧は伝説的な選手になるか、ごく平凡な人になるか、どっちかだ。瑞垣って、あさのあつこ自身じゃないかなって思う。自分が描く主人公の力を試すように。

  • 2、3歳で巧と豪が、会っていたとは、ビックリした。

  • 5巻へつづく

    だからこの表紙なのかあ、、

  • 端垣ーーーーーー!!!!!

    ってなります。序盤から最後まで本当に。

    豪は真面目なんだよなーとつくづく思ってしまいます。見て見ぬふり、わかったふりをすればいいところをできない。物分りがよすぎるのか、悪いのか。真面目でやっぱりまだ中学1年生なんだよなと。
    端垣の言われた言葉がこんなに豪に重くのしかかるとは……。でも遅かれ早かれな気もしました。
    そして巧は本当に不器用!!!!お前は!なんでそんな不器用なんだ!とずーーーーっとはらはらしてしまいました。

    端垣によって崩されたバッテリーがどう復活をとげ進化していくのかが楽しみですね。

    端垣も門脇の傍にいることでいろいろと抱えていたものがあるからこそ豪にああいうことが言えたのかな。バッテリーを壊したのも復活のアドバイスをくれたのも端垣。

    端垣結構好きなキャラです。
    あと海音寺と端垣の会話いいですね。好きです。飄々とした端垣を戸惑わせる男海音寺。もぉ1度絡んで欲しい気もしますね。

  • 野球に正面から向き合う永倉を混乱させた瑞垣にムカつく…
    などと登場人物に感情移入しまくりながら、第4巻を読む木陰の向こうからは野球部の練習の掛け声や打球音が聞こえてくる。

  • 回を経るごとに大好きな作品になってくれる。
    眩しすぎて、純粋すぎて見てられないくらい、もどかしくて苦しくて、でも熱くて輝いてる。
    今まで読んだ本の中で、1番巧や豪君達が生きていると感じるのはどうしてなんだろう。

    なんか、鼓動を感じるというか。
    息遣いとか、肌の熱とか、生々しさとも違うんだけど、命の輝きみたいなものを感じる。

    この先も楽しみ、明日読もうと思います。

  • まるまる一冊、すれ違いのバッテリー。
    とうとう未知のストーリーに入ったわけですが
    なかなかに、本当なかなかに渋い展開だった…!
    どうしてここまでこじれるのか、
    色々考えたりしたけども
    まだ巧と豪って出会って一年も経ってないし
    むしろあの粋がってた入学当初、
    まだ出会って1ヶ月そこらで
    バッテリーとして試合にも出てなかったのに
    俺の球はあいつしか取れない、あいつの球は俺しか取れないって信じきっちゃうほどにめろめろだったわけですか………
    それが拗れに拗れてここまでくるの、分かりすぎる。
    豪ちゃんといい、ライバルチームの門脇といい、
    あそこまで感情を揺さぶるピッチャー・巧の存在。
    本当にずるい…!ずるいけど目で追ってしまう!
    そこに浮上するキャッチャー・吉貞案。
    監督はムゴいことをするなぁぁぁ。
    でもそれがチームのため。
    でも巧はチームのためじゃなくて、
    ただただボールを投げたいから案を飲む。
    その対比もいい、、、あーーーー4冊目も最高でした。

  • 「どんなすごい球を投げられても、打たれちゃおしまいじゃ。まあまあの球で、一試合、ちゃんと投げきったとうが、なんぼかチームのためじゃねえか。原田の力を百パーセントひっぱり出すことなんか、必要ねえんだよ」
    「今、うちのチームに必要なキャッチャーはな、十割の球を要求するキャッチャーじゃない。七割の力で、相手打線をおさえるリードをするキャッチャーなんじゃ。あいつなら、7割で充分。高槻さんだっておる。ええか、東谷、キャッチャーってのは、ピッチャーよ最高の球を捕るために、おるんじゃねえ。勝つためのリードとキャッチングをするために、おるんじゃ」

    野球とは、他の何にもすり替えることは、できない。チームのために、名誉のために、根性や精神を養うために、金のために、内申のために、友達のために、家族のために、国のために、、、。なんのためでもない。体がかかえこんだ本能だった。

    秀吾が嫌なやつなら、野球が天才なだけのアホなやつなら、軽蔑もできた。それが、どうだ。単純でおりこうさんでマジメくんだ。鼻持ちならない傲慢さも、他人を見下す愚かさも、ない。天才で、けっこういいやつで、幼なじみだ。最悪だろう、海音寺。

  • 映画では描かれなかった巧と豪。ある意味何の成果も出してないんだが、これまでの中で一番好きな巻やわ。そして、今回は吉貞や瑞垣などサブキャラが魅力的やわ

  • 面白いだけじゃなく周りをよく見てる吉貞、好きだな。

  • シリーズ第4巻。

    中学生男子が主人公の小説で、これほど夢中になれるとは思わなかった。みんな世の中の中学生より大人な印象なので、中学生の話だけ熱中できるのかもしれない。

    バッテリーの面白さの一つは、突然脇役と思っていたキャラの視点になるところ。瑞垣が登場した時にはまさか彼視点で話が進む箇所があるとは想像もできなかった。

    4巻は今までと違い、クスッと笑えるところがあり、それも含めて面白かった。

  • 吉貞っていいよね。

  • 苦しいな。天才のそばにいる人間の苦悩。功にも悪気はない、本当にわからないのだと思う。自分にとっては一大事でも、他人にとってはたいしたことないことだったりする。それに気づくと気持ちは楽になる。

  • 野球の勝敗が大事か、打者を打ち取る事だけが大事か。。。

  • バッテリー4作目。
    表紙の絵の通り、豪の章だなぁと思って読んでいたが、海音寺も、吉貞も、俊二もいい。
    吉貞と俊二、3作目まではキャラかぶりだなぁ、書き分けれてる?キャラ出し過ぎて限界?なんて思ってたけど。
    なんのなんの、俊二のキャラの底が見えてきて、吉貞とは全然違う根っこの人物だ。

    随分前に、読んだことがあるけど、おおかた忘れてきて2度目に読んでいる。
    けど飽きることなく、楽しませてくれます。

    巧のランニングから始まり、巧のランニングで物語が終わる。日課のランニングに出かける巧の心情が始まりと終わりで180度違う。
    その構成も、なんとも素敵でした。

  • あさのあつこさんの周りの中学生はこんなに大人っぽかったんか。高校生くらいの意識と経験があるようだ。中学一年生なんて、ついさっきまで小学生だったじゃんという感覚があるから、彼らの言動の熟成さ加減にお見事!と思ってしまう。

    青波もいい味、欠かせない。彼は妖精か!

    「空を仰いで」もいいね。じーさんの現役時代も見てみたい。

  • 吉貞いい性格してるわぁ
    青波、天使だわぁ

  • なんか雰囲気が随分変わりましたね。結構笑える場面がたくさん出てきて、これまでのストイックな雰囲気が柔らかくなりました。
    かなりの長期にわたって書き継がれた作品だと、以前の後書きにあったので、?から?の間に相当な機関があったのではないかと思いましたが、そうでもないようです。何か理由はあるのでしょうが。。。
    ただ、やや分裂気味なところはあります。思い切り協調性が無くてストイックな巧だったのですが、友達との妙に軽いやり取りがでてきたり、協調性の塊みたいだった豪がストイックになってしまったり。全体の雰囲気としては良いのですが、ある意味この小説の特徴だったところが崩れて来たような気もします。
    さて、今後はどう続いて行くのでしょうか。

  • 巧の成長がよくわかる反面、今度は豪が気になる

    大人だと思っていた子供ほど、子供だったりするのかもね

    でも実は、誰より気になるのは青波だったりして!


    (2010.3.4)

  • もう、こんなことになっているとは… (笑)
    まあ… 若いうちはいろんな経験をしなくちゃね。
     
    真っすぐで固いものが二つ寄り添っていると、片方が曲がった時、もう片方も曲がるか折れるかしてしまうんですね。

    そこで、吉貞くんのような柔軟な人間が生きてくる。
    巧が突き放しても突き放しても、しなやかに曲がって跳ね返してしまう。
    調子が狂った天才は、ほんの少し変化を見せる。

    今回、横手の選手が、巧に惚れ込んで、「愛しいい姫さん」なんていうところが面白かったですね。

    さて次回、彼らがどんな成長をするのか楽しみです。

  • 20160905 毎回同じだが、こうなっては最後まで一気に読みたい。多少、漫才的な話のところが合わないが全体の、リズムを、合わせるためには必要なのか。

  • 久しぶりのこのシリーズ。
    前巻を読んでから既に2ヶ月以上経っているのに驚きますが、ページを開けばすぐにこの世界にのめり込める。
    4巻は、触れてはいけない空気を孕んだ、緊迫した物語の始まりでした。

    待ちに待った横手との試合での、まさかの出来事。
    ネタバレを避けて感想を言うのが難しいところですが、スポーツの試合、もちろん何があっても不思議じゃない。とはいえ、残念なような、誰が悪いというものではないからこそ消化しきれないもやもや感が残る試合でした。

    思えば、野球のバッテリーというのは随分不思議な関係ですね。
    テニスや卓球のようにダブルスで組むスポーツもあるけれど、チームの中において、あんな風に1対1で真正面から向き合う関係は珍しいんじゃないでしょうか。
    確かに仲間ではあるのだけど、同時に相手と闘っているようでもあり、深い信頼関係が必要でいながらライバルのような、何とも不思議な関係です。

    ましてスポーツ。
    言葉で感覚や感触を伝える力が十分にない中で、1人きりでやる競技でない以上、とても難しい思いをしそう。
    そもそも、説明することが、言葉で伝えることが可能なものなのかすら私にはわからないです。言葉にしないからこそ伝わるようなものも、確かにあるような気がしているのですが、それは錯覚なんだろうか。
    豪と巧を見ていると、不器用さにハラハラしつつ、それでもどうか二人の関係が切れないで、この先も更なる高みを目指して欲しいと願わずにいられません。

    それにしても、横手にもまた個性豊かな人物がいますね。
    瑞垣の屈折した感じがすごく気になります。
    器用な子だからきっと、自分で自分と折り合いをつけて今まできたんだろうけど、その結果がちょっと素直じゃない、妙に軽い形となって表れてきたんだろうけれど、再びの試合でどんな風に変わるのか、門脇と合わせて気になる存在です。

    文庫の最後を締めくくるのは、「空を仰いで」という書き下ろし。何か尊いものを見たような、胸がぎゅっと締め付けられる想いです。
    縁って、きっとあるんだろうなと思わせてくれる、最高の1編でした。

  • 「お前が言わんとあかんのじゃ。ばーか。何も言わんと、こんなとこにぼけっと座って、空見ててどうする。おれが、おまえの母ちゃんだったら泣くよ。うちの息子は、だいじな友達ひとり、迎えにいけない情けない子だって泣くよ。ほんまに、ボール投げることより他のこと、なんにもできないわけ?それで、いいわけ?」
    ー吉貞伸弘

  • 停滞する心の動きの中に、道筋が、いつ見えるのか、、、と探りながら読む回。光を期待したのだけど、リアルの世界でもきっとそんな分かりやすく光や回答は出てこないだろうな、多分。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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