ラスト・イニング (角川文庫)

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  • 角川グループパブリッシング (2009年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043721085

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有効な左矢印 無効な左矢印
あさの あつこ
有川 浩
有効な右矢印 無効な右矢印

ラスト・イニング (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 野球の才能に嫉妬する気持ちがリアルすぎる。なんでここまでリアルに書けるのか。

  • 誰もがスポットライトを浴びるわけじゃないし、自分がそういう器じゃないこともわかってる。だから自分のできることをやって、それなりに評価はされている。十分なはず。
    でも、自分が心から好きな野球で成功している門脇や巧、そして彼らの背中を、今もこれからも後ろから見つめ続けるであろう自分にもほとほと嫌気が差す。
    理想を夢見ることは捨てた。けど、吹っ切れない。
    すべてに中途半端な自分に、また自己嫌悪。
    この矛盾、自分への反駁、絶望、のスパイラル。共感せざるを得ない。
    野心があるからこそ、隠したい、見せたくない、という複雑な心境。
    自分を偽ってまで器用に生きようとするしんどさ。
    そんな子供じみた意地と葛藤の末に、瑞垣が選んだ答えが、素直でよかったと思えた。

  • 諦めることの修辞に潔いなんて、使いたくない。諦めることは、いつだって無様で痛い。

  • 「今日みたいな空の色を天藍って言うんや」

    ※※
    「バッテリー」のサイドストーリー、というのか。

    作中でライバルと描かれる横田二中の天才打者、門脇秀吾。
    その幼馴染で、ひねくれ技巧遊撃手、瑞垣俊二。

    本作の主人公ではなく、瑞垣にスポットを当て、
    天才打者と自分の比較をしながら、自己の中での葛藤を描いていく。

    「お前が負ける姿が見たかったんや」

    あの試合のあとの、その後のお話。


    個人的には、「バッテリー」の終わり方で良かったので、こういうその後の話の展開はなくてもいいんですが、、

    あさのあつこの描く、こどもからおとなになる思春期の人物が抱える葛藤の表現が、爽やかさを超えて、凶暴で艶めかしくて、読んでると「今の自分」に向かってくる。

    中学生とかって、自分の関係している世界が狭いけどそれがそのときのリアルで、その中で足掻くから今ならなんでもないようなことが、深刻に自分自身に迫ってくるんだな。

    ※※
    なぜ人はこうもぺたぺたと他者にレッテルを貼りたがるのか。

    …思いも感情も精神も性格も雑多に混ざり合い、溶け合い、万華鏡のように刻々と変化する生命体にたった一枚のラベルを貼り付けて、色分けし、囲い込む。

    お前はこの枠、お前はこの色。

    ※※(本文より一部抜粋)

    大人になるって、逃げ道を見つけることなのかもしれない。

    己の欲するものを己の手で取捨選択する、
    そんなおとなに早くなりたいですね。

  • 高校2年くらいに読んだ気がする。

    バッテリーの続き。
    あさのあつこさんは
    キャラ立てがすごく素敵で青春を書く本でこんなに個人個人を立てられる物語はすごいと思う。

    でもいつも思うけど
    キャラに目がいちゃって本質まで見れないときがある。特にこのシリーズはそう。

  •  文庫版全6巻+『ラスト・イニング』まで読了。

     じきに中学一年生になる原田巧は、幼いころにボールに魅入られて以来、これまでただひたすらに、いい球を投げることばかりを考えてきた。マウンドからキャッチャーミットまでの18.44メートル。その距離を割いてミットに飛び込む白球。巧にはときどき、ボールが生きて鼓動を打っているように感じられる……。
     ピッチャーとしての素晴らしい才能に恵まれ、ほんの子どもの頃から日々の練習をたゆまず己に課して、野球のことばかりを考えて生きてきた巧。野球だけが大切なことで、そのほかの雑事は何もかも、わずらわしいと思ってきた……。
     父親の転勤に従って、中学進学と同時に引っ越して祖父宅に住むこととなった彼は、中学に入る直前の春休みに、ひとりの少年とであう。永倉豪と名乗る、その同い年の少年は、よく手入れのされたキャッチャーミットをもっていた。

     豪と出会い、仲間たちと出会って、それまで野球以外のことはどうでもいいと思っていた巧が、少しずつかわっていく。
     悪い人間ではないのだけれど野球に無理解な両親、体が弱くてムリをするとすぐに熱を出すのに、自分の真似をしたがる弟。野球とぜんぜん関係のない、納得のいかない指導を押し付けてくる監督……。

     何度となく涙腺が熱くなりました。鋭く尖った、清冽な文章もよかったのだけれど、なにより、キャラクターとその変化が、すごく魅力的でした。
     主人公の巧もだけど、キャッチャーの豪も、弟の青波も、チームメイトもライバルも、それから大人たちも。それぞれに悩み、傷つき、少しずつかわっていく姿に胸が熱くなります。野球以外のことはどうでもいいといいながらも、人を傷つけてしまうたびに、自分も傷つく巧。いつかついていけなくなって、巧の球を捕ることができない日がくるのではないかと悩む豪。兄に憧れながらも自分の弱い体と戦い続ける青波……。思春期の、鋭く尖った感性と、傷ついてもそれを飲み込んで乗り越えていく柔軟さと。
     野球小説として、青春小説として、友情ものとして、あるいは親子の、兄弟の絆を描いた作品として。読んでよかった!

     あと、どうでもいいけど年々青春小説(マンガ)に弱くなっていく自分を感じます……か、加齢のせいにはしたくない。

  • 中途半端なのだ

    時系列を行ったり来たりするのも
    イライラしてくる

    「こんなことはどうでもいいんだ
     あの日の試合をちゃんと教えてほしい」
    ただそれだけなのだ

    描くならちゃんとした続編が読みたい
    それぐらい「バッテリー」が好きなのだ

  • 本編の脇役視点で語られる本作
    瑞垣、ほんとにいい味出してる
    きっと彼が一番分かりやすくて、大人だ

  • バッテリーが大好きで、番外編のこちらも読みました。気になっていた試合の結末も分かり、巧と豪たちのその後も分かり最高でした。個人的には『炎陽の彼方から』が大好きです。ラスト3ページが特に。思わずこれからの2人をもっと見ていたいと願わずにはいられません。

  • 巧、豪、海音寺、端垣、門脇…彼等と共に自分がそこにいて、一緒に悩んだり苦しんでいるような息苦しさを覚えた。1巻から6巻+このラストイニングまで、一気に読みました。あさのあつこさん、こんな素晴らしい本をありがとうございます。

  • 文庫版の『空との約束』『炎陽の彼方から』を読みたくて古本屋で購入。青波と巧のキャッチボールの場面にそれぞれ成長したんだなと思いました。

  • 2010年1月19日読了。

    伝説の試合結果。って結構大げさな帯だけど、まぁそうね。
    巧と豪の新田東中。その対戦相手の横手二中から見たバッテリー。瑞垣は高校に入って野球を辞めるとかいうし、門脇は推薦蹴って地元高校に進学するとかいうし、どんだけなのよ新田バッテリーの力。そしてスゴイのはピッチャーでなくキャッチャーの力であると確信する瑞垣。

    その鋭さの裏づけが同時収録の話に。短編いつもほんわかするんです。青波の穏やかだけど隠れた熱い気持ちに触れられるから。でも豪の話はさらに熱かった。そんなに前から見ていたこの一球。

    思うんだけど、わざと計算されてるのかもしれないけど、どうやら腐受けな内容だと思うんですよ、あさの作品。どんだけ辛い片思いなんですかって。書き方、表現方法? だけど一途に純粋な気持ちは嫌と言うほどわかるから、その辺は見ないことにします。

  • あさのあつこ氏の作品を読むのは「ランナー」に引き続き2作目である。
    同作品では、選手の感情、特に葛藤を上手く表現できていた印象があったので、他の競技作品についても読んでみたく、手に取った次第である。

    思春期の野球少年にありがちな、単純な「野球が好き」という思いから、一歩踏み込んでいるところに好感が持てる。
    実際、その競技が好きだとしても、試合の感じは好きだけれども練習は嫌いだったり、その逆だったり、部室にいる時間が大好きだったり、好きだとしてもその愛し方は人それぞれである。
    そういったものをないまぜにしてしまう作品が多すぎると思っていたので、こういった作品はもっと読まれるべきだと感じた。

    同氏の他の作品についても読んでみようと思う。

  • 「おれに何ができるんや」
    「おまえなら、何だってできるやないか」

    ボールを手の中で回してみる。白い小さなボールだ。
    知らないことがたくさんある。

    (ラスト・イニング/空との約束/炎陽の彼方から)

  • みずか。。。確かに異質だった彼。みんなが同調的に熱くなければいけないわけではない。しかし、醒めて生きるよりは、少し前のめりの方が、幸福なのではないか?前のめりのツボは人によって違っていいのではないか。今作をもってバッテリーに悪役は一人もいなくなった。せいはの物語も。誰しも社会の一隅で生きられる場所がある。

  • バッテリーのその後と、興味を持って読み始めたが・・・約40年前に中学で野球をしていた頃を思い出されるほどにバッテリーは本当に女性が書いたの?と思わされた作品のその後にしては、あまりにも現実味が無く残念でありました。

  • 元になっている「バッテリー」を読んでいなかった!
    一人の人物との出会いが人生を変えてしまうということもあるのだ。

  • 少年野球って、いや、野球少年てイイね。

  • あの試合の後日談を瑞垣俊二の視点で描いた。

    試合展開というよりは、青少年の心の有様を描いた作品だから横手が負けたという結果にしたと思った。巧と豪は散々悩んだ挙句に答えを出した。そして、本巻では秀吾と俊二が悩み答えを出す。

    原田巧という天才キャラな主人公より瑞垣俊二の方が著者は描きやすかったのではないだろうか。と、凡人の僕は思った。天才が何を考えているかなんて良く分からないし、それを一般人に伝えるのも難易度が高いだろうし。

    そして、最後に全巻通して思った事は、中学生時代、自分はこんなにも色々考えていなかった。自分以外のことにそこまで想いを馳せていなかった。

  • 当たり前の話だが、良くも悪くも「バッテリー」の世界の延長であり、受け取る肌感覚は変わらない。
    もちろん上手い。
    が、外伝のウィークポイントというか、"やっぱり本筋に比べると…"という感想を抱くこともまた事実。
    スピンアウトものであっても、オリジナルに匹敵する、あるいは超越さえもするような作品も時にはあるのは確かだが、今作の場合はちょっとだけマイナス方面に振れたような印象がある。
    あくまで後日譚であり、"熱"、のようなものが及ばないというか。
    著者特有の、少年を高みへと美化させた言い回しの数々も、少しだけ煩く感じたかも。

  • 横手との試合結果がエピローグ的に瑞垣の視点で語られる。ここまで読めば終わり方もいい。

  • バッテリーの続編 相手側の視点からの続編

  • ■ラスト・イニング
    横手との再試合内容と瑞垣、門脇の後日談。

    ■空との約束
    青波、真晴、良太5年生。
    巧、青波と約束のキャッチボール。

    ■炎陽の彼方から
    豪。巧との出会うまで。
    初めて巧を見てから二年後の夏。地区予選決勝戦。

  • 中途半端だった『バッテリー』の後日談。

  • 結末が気になって読むのにはよかった

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ラスト・イニング (角川文庫)の作品紹介

新田東中と横手二中。運命の再試合の結末も語られた、ファン待望の一冊、ついに文庫化!高校生になって野球を辞めた瑞垣。巧との対決を決意し、推薦入学を辞退した門脇。野球を通じ日々あえぎながらも力強く変化してゆく少年たちの姿を描いた「ラスト・イニング」他、「空との約束」「炎陽の彼方から」を収録。永遠のベストセラー『バッテリー』を、シリーズ屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語った、彼らのその後の物語。

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