密林 (角川文庫 と 11-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 68
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043731015

感想・レビュー・書評

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  • 【本の内容】
    沖縄・やんばるの森は、人の手の入っていない自然がいまだ残る原生林だった。

    昆虫採集家・松崎と柳沢は、ギネス級に成長するオキナワマルバネクワガタの幼虫を求め、森へと踏み入る。

    台風の襲来により荒れ狂う森で、二人は軍から脱走した米兵と出会い、森に財宝が隠されている事を知る。

    傷ついた米兵から、難解な暗号で書かれた財宝の地図を残された二人は…!?

    米軍、ハンターと二人の三つ巴での、命を懸けたサバイバル宝探しゲームが始まる!!

    奄美大島で生物観察を続ける鳥飼否宇が描く、迫真の大自然アドベンチャー。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    鳥飼否宇というと、横溝賞を受賞した「中空」のイメージが真っ先に浮かんできます。

    (あの雰囲気はいままで読んだ本で味わったことがなかったので本当に新鮮な気持ちで本と向き合えた作品でした。)

    そんな強烈なインパクトを私に与えた作家さんの今回の書き下ろし、舞台は「沖縄」。

    オキナワマルバネクワガタの幼虫を探し求める昆虫商の松崎とその相棒の柳沢は、原生林の中を進んでいた。

    季節はずれの台風が接近していて、風が強く、視界も悪い。

    そんな中、二人は米軍基地から脱走してきた米兵と出会う。

    一方で、渡久地という猟師は脱走した米兵が隠したとされる「宝」を探していた。

    米兵・昆虫商・猟師、4人は台風のなか出会い、そして「宝」を示す暗号を前にサバイバルゲームを開始する。

    この作品、一筋縄ではいかないところがたまらない。

    サバイバルゲームを描いたようで、じっくりとミステリを味わうことができます。

    劣悪な気候条件・宝・暴力。

    極限状態で繰り広げられる謎解き。

    この作品はこの作家さんにしか書けなかっただろうと、しみじみ感じる一作。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 子供のころから昆虫採集を趣味としていた松崎と柳澤は沖縄、やんばるの森へ来ていた。
    オキナワマルバネクワガタの幼虫を探して米軍演習林に不法侵入をしていた二人は脱走兵らしいトム・コールマン曹長と出会い、宝があるという彼と3人でそこへ行くことになる。
    ところが1月というのに時期はずれの台風がやってきて遭難しかけてしまう。
    その途中見つけた洞穴にいくと宝を狙う猟師と一緒になるが、猟師はトムが宝の地図を書くと彼を射殺してしまった。
    残された地図は暗号で書かれておりすぐには宝の場所がわからない。
    しかし、森を熟知している猟師は宝を探しにでかけ、残された二人は森を出ようとするが、殺されたはずの曹長が生き返り。。。

    というのが第一部。第二部では鳶山さんが出てきて謎解きをしてくれます。
    でもちょっと第一部が長かったかなぁ~。
    松崎が情緒不安定ですぐにパニくるのですが、この描写もとても巧いのですが読むのがすこししんどかったです。
    第二部、トビさんがでてきてやっと話が進みだすという具合。

    森の描写やそこに棲む生き物たちの生態なども詳しく説明されており、一緒にさまよっているような気になります。
    ただ生き物たちの姿がわからないのでこれはぜひカラー写真もつけて欲しいところです。

    今回はじめてお写真を拝見しましたが観察者らしく日に焼けていらっしゃいます。
    ちょっと丸山弁護士チック。愉快そうな方ですね。

  • 沖縄・やんばるの森は、人の手の入っていない自然がいまだ残る原生林だった。昆虫採集家・松崎と柳沢は、ギネス級に成長するオキナワマルバネクワガタの幼虫を求め、森へと踏み入る。台風の襲来により荒れ狂う森で、二人は軍から脱走した米兵と出会い、森に財宝が隠されている事を知る。傷ついた米兵から、難解な暗号で書かれた財宝の地図を残された二人は…!?米軍、ハンターと二人の三つ巴での、命を懸けたサバイバル宝探しゲームが始まる!!奄美大島で生物観察を続ける鳥飼否宇が描く、迫真の大自然アドベンチャー。
     .。☆。.。☆。.。☆。.。☆。.。☆。.。☆。.。☆。.
    沖縄にひかれて手にした一冊。コールマン(弟)死なせないで欲しかった。。。しかも最後が私的にはなんかあっけなかった。
    主人公・松崎の現実逃避してる時の思考も読みにくいし、自分の趣味には合わなかったみたい。

  • この本は、サバイバル的なことに興味がある人はかなり面白いと思います。最初は幻の昆虫の幼虫を手に入れるために仕事を休み沖縄のやんばるに出かけていた。しかし、その森でいろんなことが待っている。そこはアメリカ軍の演習地帯であったりではらはらする一冊になっています。

  • <観察者>鳶山シリーズの序章みたいな感じの作品。



    ****** 再読記録 *******

    2009.07.17

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著者プロフィール

1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。主な著作に「観察者」シリーズ、「綾鹿市」シリーズなど。碇卯人名義でテレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞【小説部門】を受賞。

「2021年 『指切りパズル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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