ロマンス小説の七日間 (角川文庫)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2003年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043736010
感想・レビュー・書評
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初三浦しをん。
海外ロマンス小説を翻訳する主人公あかりと彼氏の神名の現実とあかりが翻訳する中世騎士ロマンスが交互に描かれる構成。何を考えてるのかわからない女子まさみの出現や神名が仕事を突然辞めてしまうとか、ロマンス小説ほどドラマチックではなくても、あかりの心境が波立つと同時に訳していた小説がいつのまにか創作になっていく(笑。
作者の心境が作品に影響を与えていくのはキングの『ミザリー』内のロマンス小説にも似ているけど、こちらは翻訳だから、創作しちゃダメだから! でも面白かったけど。
で、現実の神名とあかりはどうなっていくのか?ハッピーエンドとなるのか? それは読んでみてください。
短い(300ページ弱)のであっちゅう間に読めます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
翻訳家の主人公あかりは、中世騎士ロマンス小説の締め切りに追われているのに、自分の周りでは彼氏からの爆弾発言やら浮気疑惑、おまけに父親は腕を骨折するし、どうも騒がしくて仕事に集中できない。そのうちハッピーエンドで終わるはずの翻訳中の小説が、いつの間にかあかりの創作になってきてしまいます。
あかりが翻訳&創作中のロマンス小説とあかりの実生活が交互に7章/7日分で描かれています。
あかりと一緒に彼氏、神名の爆弾発言にドキドキしながら読んでました。ハーレクインばりのなんとも言えぬ比喩表現があったり…電車の中で赤面と笑いをこらえるのに必死でした(爆) -
ハーレークイン的な小説を翻訳している主人公のところに、「仕事を辞めてきた」と言う彼氏登場。そこから始まる不和によって、翻訳が脱線し始める話。
それやっちゃダメでしょw!
と思わず声に出して笑ってしまったw
5年も付き合った慣れもあるんだろうけど、ケンカもするけど着地点の温度が低い。
三浦さんも「燃えるような恋を描写できない」と言ってるくらいだし、書き手の傾向なんでしょうね。
さらっと読めて面白かったです。
あとがきの比喩表現のメモも面白かったw -
ロマンス小説の翻訳を職業とするあかりとカンナの関係が、ロマンス小説の翻訳に影響を及ぼしてしまうお話。しをんさんの男性像ってどうしてこうもフラフラしてしまう方が多いでしょうか。でも愛着があって、読んでいてこんな彼氏許してしまうなと思ってしまいました。主人公のあかりもさばさばしていて好きです。作中に出てくる創作話が面白かった。
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かなり初期の作品ですが、たまたまた『星間商事~』と前後して読んだら、『舟を編む』よりむしろこっちのほうが、『星間~』のテイストに近い気がしました。この作品における、あかりと神名の関係が、『星間~』の幸代と洋平に発展したのだなという感じ。小説内小説があるのも共通してますが、こちらは最初から恋愛小説、というコンセプトが明確だし、小説内小説の出来もこちらのほうがずっと必然性があって良かった。
ただ、単純に面白くは読めましたが、三浦しをんという作家に恋愛もの作品はとくに求めていないし(恋愛ものでも短編には佳作がたくさんあるのでそこは好きですが)、恋愛小説が読みたい!と思って小説を読むことがないので、これが他の作家の作品だったらあえて手にはとらなかったかなあ。 -
三浦しをんって、こんな軽快なお話も書けるんだ!
…というのが、一番に率直な感想。
構成が独特で面白い。
主人公が「翻訳家」を仕事にしているからこそ実現できる、非常に面白い、本好きにとっては喜ばしい(?)構成です。
歴史物なのか!
しかも中世ロマンスかよ!
騎士とお姫様の恋かよ~!
と最初は突っ込みを入れたのですが、
オイオイ、現代恋愛小説だったのか!
と突っ込みを入れる羽目になる、2つ(厳密には3つ)のストーリーを楽しめる小説でした。
なかなかないので面白かったです。
あかりも神名も人間くさくて、愛すべきバカって感じ。
人は往々にしてこういうもの。
そして、恋愛中の本人にとっては至って真面目な行動というのは、他人から見れば、笑っちゃうようなものだったりする。
そんな感じ。
この小説は、すごく軽い。
肩の力を抜いて読める、純粋に楽しい小説です。 -
ロマンス小説・・・という題に引っかかったが、三浦しをんさん著だったので手にしました。
これがいきなり、中世の城を舞台に姫と騎士とのロマンス小説が登場します。それがなかなか面白いです。
翻訳している主人公は、仕事を辞めてしまった彼に翻弄され、わりと現実派。自分の精神状態で、小説の中の姫の旦那となったばかりの騎士を殺してしまったり、浮気になったりとハチャメチャな方向に書き込んでしまったり。とんでもないロマンス小説になっていきます。
翻訳家が原作のストーリーを無視してこんなに創作してしまっていいのか・・と笑えました。そして本格的なキラキラしたロマンス小説が読みたくなりました。
余談ですが、三浦しをんさんの表紙センスがアップすると嬉しいな。。 -
中世を舞台にしたアリエノールとウォリックとシャンドスの物語が、現実の神名とあかりの恋愛と精神状態によって、ストーリーが超翻訳へと変貌していく展開が面白い。それにしても、あのまま出稿して欲しかったなあ。ファンタジー好きで、中世設定に抵抗なければ気軽に読むにはもってこいの作品ですね。
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おもしろかった!
今の私にベストヒットした!笑
あかりすきだな、あかりの気持ちすごいわかった。
久しぶりに本読めて、元気でた!研修がんばろう。笑