スワンソング (角川文庫 お 49-6)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.25
  • (18)
  • (32)
  • (56)
  • (22)
  • (6)
本棚登録 : 459
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043740062

作品紹介・あらすじ

情報誌編集部で同僚だった由香を捨て、僕はアシスタントの由布子と付き合い出す。尽くせば尽くすほど、恋愛の局面はのっぴきならなくなっていき……恋人に寄せる献身と狂おしいまでの情熱を描いた恋愛小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ハードカバーにて既読。
    http://booklog.jp/users/huitaine/archives/1/4048737899

    何度読んでも感じるのが、透明感だ。
    浮気。三角関係。痴情のもつれ。第三者が一言で表現するなら
    そんなような内容になってしまうのだろうが、そんな下品な話ではない。
    それは、登場人物たちみんなが、それぞれに必死で生きているから
    美しく感じさせるのではないかと思う。
    けして明るい話ではないのに、暗い気持ちにならない。

    会話をすることが、どんな些細なことでも楽しかったり
    別れる前は楽しかったはずのことが
    見るのも辛いものになってしまったり
    誰でも経験のあるようなことが、丁寧な言葉で綴られている。

    一方的ではなく、影響を与え合う関係に憧れる気持ちに共感した。
    別れるということが自分の人生を否定することだとは、私は思わない。
    自分の人生の過程であって、それはけしてまっすぐではないはずだ。

    何度もレッカーをされてしまうこと、美術館のシーン、
    コインランドリーでの会話など、とても印象的だ。

    多少事実ではこうはならないだろう、と思うところも無いではないが
    丁寧な心理描写が優る。

    読後に複雑ながらも温かいものが残る小説。

  • この先、何度も読む。

  • あまりにも辛く哀しい物語。由香の選んだ道も、由布子のたどった道も、どちらも悲痛に満ちている。確かに愛し合ったことが、あるいは自分を守ってくれたことが、その過去だけが頼りだったその最期は本当に山手線を降りるようなものだったのだろうか。

  • ダメダメ、気分悪い。

  • 無言電話は止めてー

  • 勝手な男の話。
    疲れている時に読んだからか、それとも私が女だからそう感じてしまうのかもしれないが、すごくイライラさせられた。
    私には合わなかった。

  • 途中で読んでて悲しくなってきた。。。でも悪くはないか。

  • これ。
    名古屋に帰る新幹線で読んでて、そのまま実家に置いて帰った。
    勝手な男の勝手な話。

  • 携帯電話がなく、連絡の手段は電話だけ。
    もちろん私の恋愛時代も当然そうだった。
    この時代、電話が鳴ると、心がときめいた。
    ただ、この物語はときめきと恐怖が隣り合わせのベルの音…。
    主人公が昔の彼女と新しい彼女の間に板挟み。そしてはっきり気持ちを伝えないために、彼女たちは心を病んでいく。
    人間の精神なんて、ちょっとしたバランスを崩したのをきっかけに、どんどん崩れていくんだと、この二人の彼女を見て、そう感じました。
    ラストはさすがに涙した私。
    こんな恋愛もあるんだと、そしてこんなに人を想うことが重いことだと…。

  • 切ない3人の恋。
    三角関係から成る見えない負の連鎖と、一向に終わることのない病的な主人公の献身ぷりが、本当にいたたまれない。
    ここまでして一体何がこの人たちのプラスになるんだろうかと、すごく疑問に思うほど、ある意味異常なほど。

    こういう愛の形もきっとあるとは思うけど、現実はとても辛いはず。
    たまに比喩表現が突飛なのもあるけれど、切ないラブストーリーとしてはありですね。

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大崎善生の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
伊坂幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×