エピデミック (角川文庫 か 42-4)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043748044

作品紹介・あらすじ

首都圏通勤圏内、農業と漁業の町、崎浜。常春の集落で、重症化するインフルエンザ患者が多発?現場に入った国立集団感染予防管理センター実地疫学隊隊員・島袋ケイトは、ただならぬ気配を感じた。重症患者が急増、死者が出ても、特定されない感染源。恐怖に陥った人々は、住民を感染地区に閉じこめ封鎖を始めた。ケイトは娘を母に預け、感染源を断つため集団感染のただ中に向かう!緊迫の10日間を描く、アウトブレイク小説。

感想・レビュー・書評

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  • 川端裕人「エピデミック」http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744137-6 読んだ(のは角川だけど買えるのはこっち)超おもしろい。エンタメ、かつ疫学入門というか統計から可能性を絞り込んで源へ遡る話は研究日記的な要素もあってめちゃくちゃ没入した。研究者同士の議論も興味深い。感染地図を思い出したよ

    予言とか言われて復刊されたみたいだけど、パンデ物を数冊読んだ結果、そういうことじゃなくてこの手の疫病拡大はパターン化できてとことん科学的に分析予測できるってことなんだと理解した。だから台湾があそこまで完封できたわけで。こういうとこに国の知力とリーダーシップの差が出るんだ…

  • コロナ禍を越えて読むとすごい
    そんなことあったな…そうそう…と。
    もはや予言書?と思うくらい。でもCOVID-19ほどの規模ではないにしろ、新興感染症周辺の動きは過去から変わらないんだなと感じた。
    序盤から、感染源として怪しいものがどんどん出てくるのが緊張感あって良かったな。

  • 私が読んだのはハードカバーの本で、表紙はアンリ・ルソーの「戦争或いは天翔る馬』の絵が不気味に描かれていた。
    新コロナウィルス流行の現在、些か不真面目ではあるが、この本を手に取った。
    エピデミックとはパンデミックの一歩手前のあるコミュニティー全体で爆発的に感染が起こる状態。この本は東京から近いC県のT市の一部で起こった新型コロナウィルスのよる騒動を描いたもの。
    医学と別の分野に疫学という分野があり、その手法が素人にも分かりやすく書いてあってその点では興味深かった。疫学は原因となるウィルスを研究するのとは別に、極めて統計学的手法で感染の『元栓』を見つけ、それを『閉める』学問であることが分かる。

    内容的には10日間の出来事が描かれているのだが、冗長で、それでいて場面転換が頻繁で読みにくく、すっと頭の中に入ってこない。疫学の部分を除けば話の筋は見えているし、面白くなかった。

  • コロナウィルス流行の今、良いタイミングで読めた。

  • 感染原因を調査する過程の話。理論立てて感染源を調査していき、徐々に判明していく事実に驚く。登場人物も個性があって読みやすく、多少腑に落ちない部分はあるものの、長編だったが勢いで読んでしまった。疫学(エピ)の知識が無くても、パンデミックの危機感は伝わってきた。と知ったかぶり。

  • 首都圏通勤圏内、農業と漁業の町、崎浜。常春の集落で、重症化するインフルエンザ患者が多発?現場に入った国立集団感染予防管理センター実地疫学隊隊員・島袋ケイトは、ただならぬ気配を感じた。重症患者が急増、死者が出ても、特定されない感染源。恐怖に陥った人々は、住民を感染地区に閉じこめ封鎖を始めた。ケイトは娘を母に預け、感染源を断つため集団感染のただ中に向かう!緊迫の10日間を描く、アウトブレイク小説。

  • 昨今、ウイルスによる被害が深刻化しているが、いかに防ぐのが難しいのかなど疫学に関することがわかります。著者の本は殆ど読んでいるが、色々な世界を見せてもらえます。

  • 疫学というものがどんなものなのかまったく知らなかったのですが、本書を読んで理解が深まりました。私は最初のあたりで「元栓」はピーンと来たのですが、さらに元栓の元栓まで踏み込むのは、疫学の範囲を超えるということで追求なしだったのが、ちょっと残念。

  • 川端作品はいくつか読んだが、昔よりは読みやすくなった。けれども、相変わらず難しい。情報量が多すぎる。フィールド疫学の概要がピンと来ない。難しい。

  • いつもは膨大な情報量がきっちり物語の中で消化されていて大好きなんだけど,本作はやや消化不良。
    最近少し登場人物が多くて書き込めていない気がする。

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著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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