ブクログ大賞

つきのふね (角川文庫)

  • 4733人登録
  • 3.58評価
    • (386)
    • (559)
    • (1027)
    • (100)
    • (14)
  • 578レビュー
著者 : 森絵都
制作 : 国分 チエミ 
  • 角川書店 (2005年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043791026

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

つきのふね (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 中学生の繊細でアンバランスな心の動きがリアルでした。
    露木さんの手紙には、苦しみを乗り越えた心の強さを感じました。
    女の子たちに比べて無邪気さの残る勝田くんがいい味を出してるなぁと思います。

    『人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれもってるものなんだよ』
    ここのフレーズに勇気をもらいとても励まされました。

  • 中学生の少女さくらは、素行の良くないグループにいる友達・莉利との関係に行き詰まり、疲れ、万引きの現場から助けてくれた青年・智の部屋に逃げ込んで癒しを得る日々を送っていた。
    そんなさくらと智の間に割り込んできたのが、莉利のおっかけをしていた勝田くん。勝田くんはさくらと莉利を仲直りさせようと奮闘するが、さくらは放っておいてほしいと思う。
    そんな中、街では放火事件が相次ぎ、莉利が補導され、智は心理的な病を抱えて自傷するようになる。

    最初は智に守られている感じだったさくらが、最後は命を放り出してでも智を助けようとするという構図の逆転が素晴らしいと思った。
    その過程で、さくらは勝田や莉利とのかけがえのない絆に気が付いたんだと思う。

    中学生は、たぶん大人よりも色々なものや些細な言葉に敏感で、いろんなことを気にしていて、だから傷ついたり迷ったりする。
    だけど文中にもあったように
    「人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれもっているものなんだよ」
    ということ。
    多分中学生は、大人よりしっかり物事を考えていたりすると思う。大人になると立たれてしまうような回路が頭の中にあるんだよね。あの頃は。

  • 切ない、とっても切ない。
    どうして人生には、
    こんなに切なくて、心のよりどころが
    なかなか見つからないのでしょうね。

    主人公のさくらは
    大切な友達だった梨利を
    とある事件のために関係をこじらせてしまいます。
    結果、彼女は孤立することに。

    夢もなく、ただ暮らす毎日。
    そんな彼女には
    彼女のよりどころでもある、一人の青年がいました。

    だけれどもその青年も
    だんだんと様子がおかしくなっていき…

    やがてちらつく放火犯と
    さくらの心を揺らがした友達の事情聴取。
    彼女の心の揺れ動き…
    その全てが心にちくちく刺さるんですよね。

    で、最後に全部持っていったよ。
    あの文はアカンです。

  • 生きることはすごく大変だけど、一生懸命生きる姿は綺麗だと感じた。

  • 人に薦められた本を読む第18冊目
    職場の先輩に薦められ。結構好きだったのにもう内容を忘れそう。万引きをきっかけに親友を失った中学生の主人公。唯一の心の拠り所として、同時期に知り合った青年の元に入り浸る。彼は全人類を救う宇宙船の設計図の作製に没頭する心優しい人だった。だが、彼の心は既に精神の病に侵され始めており、主人公と彼女に纏わりつく腐れ縁の幼馴染の手に、彼の安否は委ねられたのだった。最後の、青年が幼い時に友人宛に書いた手紙のパートで涙がぶわっと出た。ヤングアダルト小説との事だが、変に内容を「子供向け」にソフトにしていない点が好感が持てた。大抵の日本のYA小説は読者を馬鹿にし過ぎ。ノストラダムスの大予言に触れているのが、個人的には懐かしかったが、今の若い子達には確実に伝わらないので残念。

  • 寝る前に少しだけ読むつもりが、一気に読んでしまった。

    適度な描写が空想に幅を持たせてくれるので、読んでいて世界にはまることができた。筆者が作った世界に、自分の色を付けて自由な空想ができる。

    心のやまいについての話があり、今の自分にとって染みるものがあった。心のやまいは珍しくない、よくあることなんだ、つらいのは自分だけじゃない、そんなメッセージがあったような気がした。

    森絵都さんの本は「カラフル」がダントツで好きだったけれど、この本も同じくらい好きになった。

  • ちいさくてもとおといものがすくってくれる。
    智さんを諦めきれないさくらと勝田くんは弱くてどこまでも強いと思う。
    そして智さんの助けたいという願いは、小さい頃に露木くんを救ったことが自分の存在価値になっているのかもしれない。
    人の心は曖昧で少しのことで音を立ててバランスは崩れていく。
    人のことを気にしている勝田くんはとおといものであるように感じる。
    年齢に関係なく人は繋がることができるし救うことが出来る。

  • 『人間をやってるのにも人間づきあいにも疲れてしまって…』

    最初にそんなふうに思ったのは私もこれくらいの年ごろだったろうか。
    ポジティブ思考の人が増えているような感覚があるけれど、そうなるとこういう思いにとらわれる人もまた増えているのかもしれない。
    といって人間やめるわけにもいかず、ウツウツと中学生活を送るさくら。
    閉塞感の中、周囲でじわじわ起こる変化。
    万引き、ひきこもり、疑惑、放火事件…と暗くなりがちな素材を重すぎず軽すぎず、この世代特有の空気感もただよわせた読みやすいタッチで描かれている。
    一見メルヘンチックな「つきのふね」というこの言葉も、そこにいい具合に一役買っているような気がする。

    勝田くん、古文書に「いいね」押しとくよ。

  • 友達に思春期の子供に読んでもらいたい本、または読んで良かったと思った本で挙げられたから読んだけど森絵都にしては設定は過激だし、流れはうまくまとめたいのねっていうのがわかるもので、大っぴらには勧められないかなー。

  • 森絵都の本が面白かった、よかったということは一度もないのだが、わけあって読んでみた。
     まあ、中学生に人気があるのはわかる。サクサク読めるし、意外な展開が続くし、刺激的な内容だし、結局は友情って素晴らしいてなところに落ち着くしね。普通のYA作家でここまで刺激的な設定をする人はなかなかいない。学校図書館にある日本人作家の本の中ではダントツかも。
    森先生としては過渡期の本なのかもしれない。ちょっとYAでは物足りなくなってきた時期の。
     しかしあえて読みたくなるほどでなし、子どもに薦めたくもなし。そりゃ読解力がない子供でも読めるだろうけどさ。集団万引き(さらに万引き品の横流し)、売春斡旋、ドラッグ、精神病って盛り込みすぎでしょ。主人公も友人も普通の家庭の設定なのに、そこまで踏み込んでしまう心の闇は描かれていない。万引きはいいけど、横流しはだめ、そこには
    越えられない一線がある、って、万引き常習だけで十分一線越えてるって。貧しくて食べ物にも困るような家庭じゃないんだから。もう少し、大人も書かないとね。はー、つまんない。でも、30分で読めるから許す。この内容で書き込まれて読むの1時間は勘弁してほしいから。

  •  とある理由から親友を裏切ってしまったさくら。そんなさくらの心の拠り所だった智さんの言動も、徐々におかしなものになっていき……

     森絵都さんの作品は『風に舞い上がるビニールシート』以降の大人向けの作品を読むことが多いです。そうした作品を読んでから、このような初期の森絵都さん作品を読むと、伏線の回収や、内容の詰め込み具合、描写などちょっと粗いなあ、という感想もあります。

     でも、その粗さが悪い粗さなのか、と聞かれるとそうとも言い切れません。友達との不和、進路、万引きや買春疑惑などの非行……。

     そうしたものに悩み、心の拠り所だった智さんも失いそうになっていくさくらの姿を描くには、まとまっているよりも、こうした粗さがちょど良かった、とも感じられます。そういう意味では、昔の森絵都さんだからこそ書けた作品のような気がします。

     背表紙の内容紹介で、”光を求めて疾走する少女を描く”という文が使われていたのですが、それがまさにピッタリと当てはまります。

     多少荒くても、登場人物たちをしっかりと光り輝く”つきのふね”へと導く森絵都さんは、やっぱり昔から素敵な作家さんなんだなあ、と思いました。

    第36回野間児童文芸賞

  • 思春期の少年少女と心を病んだ青年が、満月の夜に奇跡を起こす話。
    いくつになっても読み返したいと思う青春小説。

  • 20160410
    最後の一文がすごく好きです。

  • 悩んだり、心を病んだりしている人たちがラストに向けて集まっていく。

    ラストが、ホントにハッとさせられる名作。

  • 個人的には設定にジェネレーションギャップを感じた作品で、それが自分の中でうまく作用した部分とそうではない部分があった。読むべき年齢で、そうでなくとも世代としてマッチした状態でこの作品に出逢えていたならもっともっと寄り添えただろうにと少し惜しい気持ちになる。

    けれど、ところどころに散りばめられた格言のような台詞は、きっとどの世代の心もグッと掴んでくるだろうと思う。

  • 再読。
    やはり森さんの作品の中で一番好き。
    やはり最後はうるっときてしまった。

  • あの日、あんなことをしなければ、、、。
    心ならずも親友を裏切ってしまった中学生、
    さくら。
    進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々で、唯一の心の拠り所だった智さんも、静かに精神を病んでいき、、、。
    近所を騒がせる放火事件と級友の売春疑惑。
    先の見えない青春の闇の中を、一筋の光を求めて疾走する少女を描く、奇跡のような傑作長編!

  • 「人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれもってるもんなんだよ。」
    この一文のためにほかの216ページがある気がする。

    そして、こんなところにもウィーンが。

  • 著者が児童書として書いたというだけあって、一見いかにもよくあるような青春もののように感じる。
    しかし、万引きや薬、心の病、死、放火事件…といったワードが散りばめられていて、どことなく緊張感や危うさを感じる。特に、智の心が「静かに」壊れていく様子は、よく伝わってくる。
    しかも、そういう重いテーマを重く書くのではなく、あくまで作品全体はさらりと流れていくような筆致で、ターゲットである読者層(中高生)を意識したのだろう。

    綺麗すぎる話は苦手なので、最後の学校のエピソードや予定調和な終わり方(タイトルの意味が明らかになるところ)は、それまで作品に入っていた心が少々引いてしまったが、読後感は悪くはなかった。
    ただ、本作は長さの割には登場人物が多く、やや風呂敷が畳みきれなかった感があった。

    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-460.html

  • 「人より壊れやすい心にうまれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時にうまれもってるもんなんだよ。」
    2人の手紙がとても温かかった。

  • 思春期の中学生の揺れる心と大人にあこがれつつも、万びきや不登校、不良グループとかかわる少女たち、その少女たちを見守る少年・・・
    さらに、一人の青年が心の病でなやみ、苦しんでいる・・・
    この4人が繋がり心から助け合おうとするラストシーンには感動!
    「つきのふね」という題名の意味が、終幕で描かれていると思いましたね~

  • うーん。ちょっと内容が幼い感じかな。
    あと、こんなやつらいるのかよと現実感があまりない。

  • 人間、よくなるよりも悪くなるほうがらくだもんなあ

    資料ID:C0028090
    配架場所:2F文庫書架

  • 森さんらしい、本だなと思った
    児童書向けに書いた物語みたいだけど(森さんは結構多い)
    大人が読むから響く事もある
    それぞれが人を想う気持ちって素敵だなと
    ノストラダムスとか懐かしかったけど笑
    森さんの作品は読み終わった後に心が温かくなる

全578件中 1 - 25件を表示

つきのふね (角川文庫)に関連するまとめ

つきのふね (角川文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

つきのふね (角川文庫)の作品紹介

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々で、唯一の心の拠り所だった智さんも、静かに精神を病んでいき-。近所を騒がせる放火事件と級友の売春疑惑。先の見えない青春の闇の中を、一筋の光を求めて疾走する少女を描く、奇跡のような傑作長編。

つきのふね (角川文庫)の単行本

ツイートする