いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

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著者 : 森絵都
  • 角川グループパブリッシング (2008年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043791057

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)の感想・レビュー・書評

  • 日常描写と心情表現がリアルで登場人物にスムーズに感情移入でき、登場人物と同一目線で読み進めることができました。

  • 2017/1/7
    父親が事故で亡くなり、父の部屋からひみつ道具ぎ多く発見されたことをきっかけに、疎遠だった三人の兄妹たちが集まり、自分たちのルーツについて調べていくという話。
    父が生前言っていた暗い血というのが一体なんのことを言ってるのか、父が亡くなった後に、野々にわざわざ話をしに来た女性の言ってたことは本当のことだろうか。色々気になるところが最初は多いけれども、読み進めていくごとにだんだんと解決していきます。
    実際に父親の故郷である佐渡に訪れた三人の描写についても、父親が一体どういう人物だったのかを親戚に聞いて回る描写があった。

  • 自分をがんじがらめにして来た父が死んだ話。最後はきれいにまとめられていて後味の悪くない話だった。死者に対しては皆んな寛容で優しい気持ちになるのか・・不条理だ!と思ったけど、それはそれで事実なのかなあと思った。

  • なんとなく好きな話ではないかも、と思いながらの序盤・中盤。
    島に行ってから終盤にかけては、どこまでも暑くて青い島の空気が心地よかったり、ちょっといいなと思える言葉たちがいたりして、最終的にはそんなに嫌いでもないかも、という印象。

    いろんなことがあっても、いつか死んでしまって、周りのひともいなくなってしまったらご破算になる、という考え方は、それはそれでいいのかも、と思えた。

  • なぜか森絵都さんの小説は、大人が主人公の物ばかり手にとってしまうのですが、本作もやはり自分の好みにドンピシャでした。

    厳格と思われた亡き父の、思わぬ過去。その謎を解き明かしに子供達は東奔西走-と言ったところが大まかなプロット。しかしその彷徨はいつか自分探しの旅へと変じ、誰もが抱えていた屈折や避けていた壁を直視し、そっと歩き出す。その過程が丁寧に、リアルに、そしてユーモラスに描かれた傑作です。

    家族って、恋って、そして人生って何だろう。あまりにも普遍的で、でも答えの出ない命題に、読者である自分もまたもう一度向き合ったような気分でした。

  • うまくいかないことを誰かのせいにしても仕方がない。終わったことはいずれ風化するので前向きに行こう!と元気をくれるお話でした。娘に読んで欲しい小説です。しかし性にあからさまばところもあるので、気恥ずかしくてオススメしにくいは難点。

  • 森絵都が初めて大人向けの小説を書いた。
    性描写をも含むこの小説は、昔からのファンを驚愕の余りのけぞらせてしまったと、ひところ話題になったものでした。
    でも実際に読んでみたら、あらやっぱり森絵都は森絵都だわ。いい意味で。

    厳格でも怠惰でも、親っていうのは子どもにとって絶対だ。
    「こんな親はいやだ」と思っても変更不可だし、涙を呑んで理不尽に耐えるしかない。

    だけど大人って子どもが思うほど大人じゃない。
    ましてや自分の親なんて聖人君子じゃあないし、欠点はいくらもある。
    そういうことを理解しながら、子どもは大人になっていくのだ。多分。
    なのに親の方がいつまでも絶対者として子どもを支配しようとすると、親子関係はぎくしゃくしてしまう。

    柏原家の3人兄弟(春日、野々、花)は、それぞれに上手くいかないことを「厳格すぎる父」のせいにして生きている。
    もう成人して、世間的には大人であるはずの彼らは、未だに「厳格すぎる父」の陰で、成長できない自分を甘やかしている。
    父親が厳しすぎたから、自分は世間から少しずれてしまったと思っている。
    大人の殻の中で、膝を抱えてじっと息をひそめている子ども。それが彼らだ。

    “愛しても、愛しても、私自身はこの世界から愛されていないような、そんな気が心のどこかていつもしていた。
    受けいれても、受けいれても、私自身は受けいれられていない気がしていた。”

    そんな彼らに森絵都は言う。

    “なべて生きるというのは元来、そういうことなのかもしれない、と。”

    だから、怖がらないでこっちにおいで。
    そう声をかけてくれるのが森絵都。

    親は絶対者ではないし、親は理不尽なもの。
    そう割り切ったら、そういうものだと思えたら、少し自分を許せるようにもなるし、前に歩いていけるようにもなる。
    急に親を好きにはなれなくても、いつかパラソルの下で一緒に冷たいビールを飲めるようになるかもしれない。

  • 普通にありそうでリアルな感じです。
    暗い血。
    こうならない為に、そうならない為に、厳格な教育と実際ではそこから逃げ出そうと回避しようとすることで出来上がる人間性が父の急死から謎を追いかけて家族が生まれ変わる!?
    別として金山で栄えたという佐渡島に行ってみたいものです( ̄▽ ̄;)

  • やっぱり森絵都さんの文体、好きだ。
    特に、風景描写が美しい。
    佐渡に行ってみたくなった。そしてイカイカ祭りに行って主人公のごとくイカを食べまくりたい。

    「なべて生きるというのは元来、そういうことなのかもしれない」この達観した一文が光る。

    個人的に、妹のその後が気になる。
    何年か経ってまた読み返したい1冊。

  • 父親の一周忌をきっかけに集まった3人の兄妹
    彼らがゆかりの土地や、かつて交流のあった人々に出会い
    厳格だった父親の過去を紐解いていく中で
    バラバラだった家族に絆ができていくというストーリー

    起承転結がしっかりしていて、読みやすくおもしろい
    森さん独特の温かくさわやかな作品

    佐渡島が気になる〜
    イカいか祭りに参加したい!

  • 血のせいにしたって何も変わらない。
    わたしもその考え方だから、うんそうだよな、って思った。
    頭が悪いのは親のせいだとか、今の自分の境遇を人のせいにしてるのはただの弱虫が言うことで、
    今の私は過去の私からできてるんだと思う。
    けど、それって私が今何不自由ない環境にいるから言えることで野々とか野々のお父さんみたいな少し変わった環境にあると、犠牲のもとで構成されていく人生もあるのかもしれない、って思った。
    私は人に甘ったれるなよ、って思っちゃうけどそれは私が1番いいポジションにいる時だから言えることで、その人の立場になった時、私も違うことを思うのかもしれない。

  • ありふれた日常と
    少しの非日常と
    心の揺れと傷と幸せが
    たくさんつまった話だった。

    気分上々!の方が好きだけど
    これもこれでいい小説だった!

  • 柏原野々は、天然石を売る店で働く二十五歳の独身女性。
    厳格な父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出していた。
    その父も亡くなり、四十九日の法要を迎えようとしていたところ、母が最近様子がおかしいのだ、と唯一家に残っていた妹から聞いて久しぶりに半ば強制的に、兄妹が揃った。
    そこで知ったのは、母の奇妙な行動。
    そして、野々の元に母親から電話がかかってきた。
    それは、生前の父と関係があった、という女性から電話がかかってきた……というものであった。
    世間一般にはありふれたエピソードかもしれないが、柏原家にとっては驚天動地の一大事。
    あの真面目で頑固だった父がいったいどうしてそんなことをしたのか、果たしてそれは真実なのか……?
    真相を確かめるため、野々たちは父親の足跡をたどり始める……という話でした。

    という話でした。
    ちょっと大人の子供のような物語。

    こういう話を読むと、親が子供に与える影響って本当に大きいんだなって思います。
    子供は親に振り回されて、そこから精一杯学んで、そして自分も大人になっていったり、大人になりきれなかったりする。
    と思うと、親って罪深いですね。

    今回の話では、結局、親も自分たちと同じ人間なんだ……っていうことを再確認させられた旅、ということで終わったんだろうな、とは思います。
    子供の頃に恐れてたものって、正体見ると、呆気無かったりしますよね。そんな感じでした。
    でも、なんでもそれがきっかけになれば悪くないのかな、と思います。

    そんな家族の話にちょろっと恋愛要素が入っている話でした。
    ゆったりした感じの書き調なので悪くはなかったと思います。

  • 死んだ父親と関係をもっていたと野々の前に突然女が現れる。出だしから一気に引き込まれたが、父親のことを知ろうと生まれ育った島へ兄妹と共に行く辺りから少しだれた。が、父親のことを少しずつ知っていく中で得られたこと、そして別れを切り出されていた恋人の達郎との結末。野々の“気付き”が微笑ましい。 父親がいなくなったからこそ始まった新しい家族。人生はずっと繋がっていて、意味のないことなんて何一つないんだと思った。

  • 久しぶりに読んだし、一般は初めてだったけど、やっぱり森絵都さんの作品は好き。大人向けの話で最初はとっつきにくかったけど、読み始めるとのめり込んだ。大筋はそんなに好きな話ではなかったので、それでも読ませられたのはやっぱり森さんの表現力に惹かれているからだろうなあと思う。また別の作品も読みたいし、「宇宙のみなしご」とか読み直したい。

  • 父の死をきっかけにバラバラだった家族が集まって父の事を調べる
    佐渡に調べに行くんだけど、私の妹が佐渡に嫁に行っているからなんか余計に楽しく読めたわ~
    ほのぼのとした家族の物語で心地よい読後感でした。

  • 青い空の下で海を眺めながら「いつかパラソルの下」で。

    柏原野々、25歳、独身。
    同棲してくれる彼を渡り歩くフリーター。
    彼と家賃をシェアして、そこそこ働き、今の所幸せな生活を満喫中。
    そんな時、父親が事故で亡くなった。
    厳格で兄妹から没取してきた数々のモノとコト。
    そんな父が実は不倫を?
    父親の呪縛から解き放たれるため?父を知るため?兄妹は父を探り始め、父の故郷の佐渡へ旅立つ。なんて書くと暗いけど実際はとても緩くて、何が飛び出る?と身構えていたら肩透かし。
    花の胸の刺繍やら「暗い血」やら地方の小島(佐渡)で横溝を思い出してたのにさ。二箇所ほど車内で読みにくい描写あり。
    背後に気をつけてなくちゃ。

    久しぶりに海を見たくなった。
    潮風にあたり、ギラギラの太陽に照りつけられながらのイカとビール。
    何もかもが浄化されて明日からまた顔を上げて行けるような。そんな気持ちになる読後。
    親の呪縛って本当にしつこい。
    いったい何時だったかな、親が大人に見えなくなったのって。
    自分に同情するのが嫌いな私。最後までこの家族の気持ちに共感できなかったけれど、前向きな姿にほっこりした。

    「人の体温は頼もしい。たとえどんな状態であろうと、命があるのとないのとでは大違いだ。」

    「誰だって親には恨みの一つもあるけど忘れたふりをしてるんだ、親が老いて弱っちくなるのを見てしょうがなく許すんだ、それができないでこれからの高暦社会をどうするんだ」

  • 描く対象が大人になっても、森絵都は森絵都だった。
    "コンプレックス"を扱っているので、重く扱うことも出来るところを、あえてそうしていない感じ。
    そうは言っても登場人物はそれぞれの個性を発揮している。
    淡々としていようで、描写は細かい。
    結果的に不幸な終わり方をしていないのも森絵都ならでは。

  • 他人を知ることが自分を知ることなのか、、と1つの考えを持つことができた。

    しかし、性の細かい描写による効果は違う形がよかったなぁ。
    またやや残念な終わり方にちょっとがっかり。

  • 再読のはずだけど、内容覚えてなかった。冒頭部分はなんとなく記憶に残ってるけど。

    何らかの欠陥を抱えた家族だけど、最終的にはささやかな幸せを感じられるなぁと思った。

  • 25歳、フリーター、彼氏と同棲中。
    幼稚園の頃、同級生の男子を手をつなぎ、ふしだらだと父に激怒された。
    20歳を迎えてすぐ、逃げるように実家を飛び出し、上京。
    それなのに父の死後、不義の証拠が見つかって――。

  • パッとしない家族の物語に興味が持てない。

  • 登場人物が負け組のようで魅力を感じなかった。

  • 死んだ父親の足跡を辿る佐渡の旅で兄弟が理解したのは父親のことではなく生きていくって大変だって事。ハッピーエンド的な終わり方に満足。

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