スイッチを押すとき (角川文庫 や 42-4)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 451
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043792061

作品紹介・あらすじ

青少年自殺抑制プロジェクトセンターで、監視員として勤務する南洋平。ここでは、4人の少年少女に、自らの命を絶つ"赤いスイッチ"を持たせ、実験をしていた。極限状態で軟禁され、孤独に耐えられず次々と命を絶つはずが、この4人は"7年間もスイッチを押さない"という異例の子供だったのだ。彼らが生きたいと願うその理由を聞き、南たちは脱出を図るが、そこには非情な運命が待ちうけており-。

感想・レビュー・書評

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  • 設定が突飛なのでちょっと引いちゃうかなと思いながらも手に取ったが、意外と面白かった。
    読み易くて頭の中に映像が浮かぶ。中高生がハマりやすい作家というのも納得。
    だけど怖かったな。結局救いもないし。
    好きではないが、印象に残る本。

  • 感動?のラストありきのストーリーみたいな気がして…ん?ん?が続出。
    10代で読んだら違ったかも?

  • 人は生きる目的を失った時、終える決断を下す。読んでいて登場人物達がその決断をするだろうなと予測しながら読みすすめました。
    設定は非人道的な行為でもあるし、一部登場人物も自分勝手な考えで仕向けてくるのには不快感は抱くと思います。

    読みやすさとしては文章量がそこまで多くなく、本を読みなれない人でもとっつきやすいかと思います。設定が設定なので、受け入れ難いと感じるかとも思いますが…。

    学生の時に読んだら、違う感想を抱いたのかなとは思います。

  • 首を動かしたって、肯定否定どっち?!
    次の文で察す。なぜ国語のテスト風なんだろう笑。

    テスト関連で言うと、最後に高宮がついてくる場面。

    すぐに会いたい家族も行く宛もなく、独りぼっちになる彼女がこれからどうすると問われても、主人公と一緒にいるしかない。
    お金もなく、見知らぬ土地で別れて、未成年が逃げおおせるのは無理。
    嫌でも、仕方なくても、彼が好きだとしても、とにかく彼女にはもう主人公しかいない。

    思いやりがあるからそうした、と言及されているんですが、これはテストの4択でバツをもらう選択肢では?

    創作した作者が言っているのだから、それが正解なんでしょうけど、あまりにも状況と彼女に寄り添っていないように感じました。

    下手な説明なら書かずに想像に任せた方が、よっぽどマシなドラマになると思う。子どもでもこれくらいは考えさせて良いんじゃないかなぁ。

    やはり彼の作品はドラマ化や舞台化して、役者さんの演技で以って補完し、雰囲気と流れで圧倒するのが、この方のアイディアを活かせる見せ方だと思った。

    文句を言いながら4冊も読ませてもらいました。
    途中で断念しないのは山田さんの筆の力です。
    エンタメについて考えさせられました。
    ありがとうございました。

  • ツッコミどころが満載の胸くそ悪いお話。こういう作品をおもしろいと思うセンスがわたしには理解できない。
    表現の幅が恐ろしいほど狭い。複雑な気持ちという表現がよくでてくるけど、その複雑である中身、なにを思ってどう複雑なのかを書くのが作家なんじゃないの?とかイライラしつつやっとのおもいで読了。
    話の展開も、引っ張る割りに予想どうりのひねりのないオチ。
    中学生くらいの頭だったら十分楽しめるはず。

  • つまらなかった。
    設定も現実味がないというか…その実験が自殺抑制プログラムにどう役立つのか?
    感動もしないし、結局なにがいいたかったのか、無理して読んだけど分からなかった。
    主人公は本当に優しいのか?
    あんな状況をただ傍観できる人は本当にいるのか?
    自分が主人公のように助けるだろうとは言い切れないけど、
    助けようとする人のほうが多いと思うから設定が成り立たないように思う。
    文章も稚拙な気がした。

  • 薦められて、まさかの山田悠介。
    「リアル鬼ごっこ」の小説&映画ぶに触れる作品となった。

    そもそも山田悠介のブレイク自体があまり納得がいかない。
    人気が出る要素など分かるのだが、それが全般的に祭り上げられる形になったのが理解出来ない。
    ある部分で人気になるのは良いが、それが商業的価値を見出されて、広い分野に広がり、扇動され、一般化意識となるのが悲しい。

    ポップでキャッチーなところがそうなる所以なのだろう。
    設定が奇抜な部分がキャッチーで、文章が単純なところから人物像や気持ちが分かり易く、一部が面白いと評するのは分かる。
    個人的な好みで、私は非常に好きでは無い。

    設定は奇抜で目新しく掴み易いのは分かるが、リアリティーが無い。
    その設定が納得できる文章力が無いのだなと思う。
    勿論突っ込みどころは沢山ある。
    自殺抑止のためにそういう施設があるという事自体おかしいのだが、そこは問題視していない。
    はちゃめちゃな設定で全然良いのだが、それを納得させられる文章の力がほしいのだ。
    変わった設定でもリアルに想像させられる表現力、破綻している設定でも気になら無くなるような引き込む力を持つ文章力。

    設定の奇抜さに関していえば、舞台向けだなと思う。
    無理な設定がぽんとあり、そこからの心理劇、のような。
    しかし、そこからの心理戦すら軽薄なので、悲しい。

    とにかく圧倒的に文章力が無いのだ。
    そんな事はもう十二分に周知の事実なんだろうし、そこがこの作品の評価となる部分では無いと言われてしまうとおしまいだが、小説である以上、最低限の文章力があるべきだと私は思ってしまう。
    それぞれの著者に読み方というものはあるし、視点を定められれば出版されるレベルの作品はある程度面白いと思う。
    あとは好み等があったりするわけで。
    でもそれでも、ポップでキャッチーなだけで、文章力不足からひどく軽薄に見えてしまって、創造力を使う余地も無い作品が、一般的に面白いと前面に出されるのは、悲しい事だなぁと思う。

    ポップでキャッチーでも、文章力があれば面白いのになぁ。
    宮部みゆきとか、その部分があると思うし。
    設定が奇抜で読みやすく。良い意味でエンターテイメント。
    文章力が無いと厚みが生まれず、とにかく軽薄に感じる。
    軽薄だから、文章に厚みが生まれないのか?
    そもそも、死をテーマに扱っておけばよいという感覚が好きではない。
    それ自体が軽薄に思える。
    そんなものでは無いだろう、って思ってしまう。
    その納得の出来なさも文章力の問題なのかもしれない。

    辛辣でごめんなさい。

  • 山田悠介さんといえばグロい!怖い!っていうイメージで、というかそれが好きで読んでたのがあったのでこの本はある意味衝撃でした。

    ハッピーエンドであってくれと思いながら読んでいたけど、それぞれの人生の結末には納得する部分もあって凄く考えさせられました。

    もしも私がこんな収容所に入れられたとしていつスイッチ押すのか、絶望の中長年抱いてた夢、希望が叶ってしまったら私も彼らと同じ道を辿っていたかなって思います。

    有り得ない設定であんまり入り込めなくてん?お?え?となったけど展開が読めなくてラストは驚かされました。

  • 10年以上ぶりに山田悠介を読んだけど、相変わらず山田悠介節が炸裂していて安心した。
    自分はもうずいぶん前から彼のターゲット読者層から外れているのでつい俯瞰で読んでしまうのが残念。
    洋平いつ免許取ったん?

  • ⭐️2.5

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著者プロフィール

大東文化大学文学部日本文学科講師。1984年大阪府生まれ。専門は環境文学。著書に『反復のレトリック―梨木香歩と石牟礼道子と』(水声社、2018)、論文に「「声音」を読む―石牟礼道子『水はみどろの宮』とその周辺」(『石牟礼道子を読む2―世界と文学を問う』東京大学東アジア藝文書院、2022)など。

「2023年 『石牟礼道子と〈古典〉の水脈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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