- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043828074
作品紹介・あらすじ
天武天皇は、聖徳太子の中央集権路線、大化改新の志を受け継ぎ、方針を推し進める藤原不比等のもと、律令国家が完成。万葉人に「におうがごとく」と謳われた平城京建都が敢行される。シリーズ完結。
感想・レビュー・書評
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完結編です。
不比等がすごい。
この本はもう初巻から通して読んでおくべきだと思うんだよ、俺は。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
骨肉、again
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律令国家を目指し天武天皇がさまざまな改革を行い、その路線を藤原不比等が継承し完成させるまでが書かれています。
大宝律令や日本書紀を作り上げた不比等の功績のすばらしさは分かったけれど、解説が多く分かりやすい代わりに、小説としての面白みには欠けました。
古代史自体が波乱万丈で面白いですけどね。。 -
豪族がそれぞれに力を持つ社会から、権力を天皇に集めて中央集権国家へ。
天皇と皇族、そして現在で言う官僚たちが、それぞれ大きな理想を抱いてその流れを作っていく。その過程がすごくドラマチックでした。
やはり印象に残るのは、物語の後半で活躍する藤原不比等の立回りの鮮やかさです。なんなんだこの頭のよさ!!
法律をつくり、貨幣を作り、首都を作る。
もはや当たり前になっているこれらのことが、国が栄える・力を持つためにこんなに大切なことなのかと実感しました。 -
壬申の乱後,藤原不比等が政権を握り,大宝律令や貨幣経済を日本に定着させていくまでを描いている。
法の整備と貨幣の流通により日本を国として成立させることを理想としてかかげ,その手腕はまさに驚愕させられるほどである。
持等,文武,聖武天皇も不比等を評価し,高位に上げようとするが,不比等は度々固辞する。それは,父である鎌足が終生,政権トップに立つのではなく,天智天皇の言わば秘書役として政権を動かしていたことに由来するのかもしれない。不比等は,理想の国家の建設が自分の権勢欲によって実効されていると思われたくなかったのだろう。言いかえれば,それだけプライドが高いということにもなる。真に能力ある者は,権力の座につかなくても人を動かすことができ,改革を実行することができるということの体現であろう。
そして,首皇子(後の聖武天皇)が平城京ではじめて元日の朝賀の儀に臨席されたとき,太極殿の前には北は陸奥,出羽,南は奄美大島や石垣島からやってきた人が献上の産物をもって列をなしていたという。このあと,これらの人々には女帝である元明天皇から官位を授けられている。まさに,現在の日本の全域に天皇の威徳が及んでいたということであろう。
これにより日本に最初の国家が成ったというわけである。