すじぼり (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 273
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043834044

作品紹介・あらすじ

ひょんなことからやくざの組事務所に出入りすることになった大学生の亮。そこは個性豊かな面々がとぐろをまく強烈な世界だった。就職先もなく、将来が見えないことに苛立ちを感じていた亮は、アウトローの男たちに少しずつ心ひかれていく。しかし、時代に取り残された昔ながらの組には、最大の危機が訪れようとしていた。人生をドロップアウトしかけた青年の一夏の熱くたぎる成長ドラマを描いた第10回大藪春彦賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • アウトローに惹かれる動機がいまいちしっくりこなかった。内容はスピード感があって、面白い。

  • スピード感があって一気に読んだ。
    おもしろかったけど、途中からストーリーがワンパターンかな?またかよ、って場面もあった。
    最後はもっとうまいエンディングがあったのでは?

  • ヤクザと大学生の話。
    酷いシーンも多々出てくるが、なぜかハマってしまい一気に読んでしまった。側から見たらヤクザなんてと普通の人は思うかもしれないが、彼らにもそれなりの人情があり、守りたいものがあり、腹を括ったらとことんやるという姿勢はカッコよく映ってしまった。もちろん暴力や人殺しをして良いわけではないが。愛着が湧いてきたキャラ達が亡くなってしまうのはとても切なかったが、ヤクザとはそういうものなんだなと思った。

  • 北九州市を舞台にした青春アウトロー小説。第10回大藪春彦賞受賞作。先に読んだ同じ系統の『真夜中の金魚』の方が面白かった。しかし、本作も決してつまらない作品ではなく、一定水準に到着した面白い作品だった。

    ある事件をキッカケにヤクザの事務所に出入りすることになった大学生の亮は、次第にアウトローの世界にのめり込んでいく…

  • 単純にVシネばりの極道小説かと思いきや…全然違いました。
    堅気が一人加わるとこんなに素晴らしい作品になるとは…切ない恋愛も交えつつ…贅沢な作品でした。
    面白かったです。
    何をもって善悪とすべきか…??ってのも面白かった。
    また、こんな作品に出会いたい。

  • うーん、つかみ所がないというか、この物語を読者として何を楽しめば良いのかがそもそも分からなかったです。

    適当に生きてた主人公が仲良くなった松原の敵討ちのため、覚悟を決めて彫りを入れる覚悟を決めるところがカッコいい?個性的な人たちが集まった速水組の人たちの言動を読むのが楽しい?極道家業の“お仕事”がある程度知れる、お仕事小説として面白い?

    いずれにしても、そんなに熱中して読めなかったかなぁ。最後は菜奈の親の力に助けられるという他力本願な結末も、個人的に好みではなかったこともあって、微妙な読後感。

    いろんな点で主人公の彫りと同じく、中途半端な印象を受けてしまいました。

  • 主人公の亮。
    事業の失敗して父の故郷である北九州に流れてきた。
    その父とあばら家で二人暮らし
    もうこれだけで敗北感満載。
    更に3流大学の学生。就職は絶望的。
    当然 怠惰で無軌道な生活になってしまうし、つるむ友達もその程度。

    トラブルから出入りすることになった事務所は、昔がたきのシノギで生き永らえている斜陽組織。
    けれど組長の速水以下、組員は一癖ある個性的な面々。
    無縁の世界に魅かれ関わっていくことになる亮。
    そんな事務所を襲った危機は、元をたどると亮が友達と起こしたトラブルが原因だった。
    関わりを絶つべきか逡巡する亮だが、ある事件を機会に亮は決意のすじぼりを入れる。
    余りに切なく、やるせないクライマックス。
    ひと夏の青春では括れない、悔恨の物語。

  • 大麻を盗んで逃げ込んだバーで、亮はヤクザに助けられる。翌日礼をしに行ったことから付き合いがはじまり、事務所に出入りすることになる。
    個性的なヤクザたちと付き合う内に、無気力な学生だった自分が少しずつ変わっていく。
    しかし彼らに出会うきっかけとなった事件のために、亮はヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまう。

    これはもう文句なしで面白い。思わず一気読みしてしまった。俺の睡眠時間返してください(笑)

    まずキャラクターが立ってる(これは設定勝ちな部分もあるけど)。そしてアクションシーンも上手い。ストーリーの進行、伏線や書き込みの量もほぼ完璧。なによりストーリーそのものが面白い。

    敢えていうとすれば、悪役はもっとイヤなヤツでもよかったかもってぐらい。

    そのうち映画になるんじゃないかなぁ。

  • 北九州市などを舞台とした作品です。

  • ヤクザ入門小説らしい。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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