万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫 ま 26-314)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043836468
感想・レビュー・書評
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高校時代にどうしようもないほど劣等生だった莉子。
担任だった喜屋武先生にとっては、5年経ったいまでもひとりでは何も出来ない心配な生徒のままだ。
何しろパスポートを持っているか、確認するために言ったのが
「赤い表紙の小冊子だぞ」
どれだけ莉子を子ども扱いしているのかよくわかるセリフだ。
フランスに行っても莉子の周りでは相変わらず事件が起きる。
ルーブル美術館で「モナ・リザ」に感じた違和感。
同級生が勤めているレストランで起きた急性中毒事件。
そして、幼児誘拐・・・。
不良食材を混入させたのは誰か?
莉子は喜屋武先生を伴い、友のために奔走する。
そして突き止めた真実は、犯人自身も動機を思い違いしているような哀しい事件だった。
謎を追っているうちに徐々に莉子の変化に気づいていく喜屋武先生。
何も出来ないと思っていたのに、自分が保護者となって守るつもりで一緒にパリまで来たのに、気づけば莉子はすっかり立派になっていた。
もう自分の保護はいらないのだと悟った喜屋武先生からの卒業証書にはまいった。
わざわざ毛筆で書かれていた卒業証書。
その心遣いがあたたかい。
きっと莉子の宝物になることだろう。
「モナ・リザ」に感じた違和感の正体も明かされ、すっきりとした終わり方にも好感が持てた。
海外編ということで、小笠原の出番がほとんど無かったことが残念といえば残念だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フォアグラって食べたことなかったけど、こんな作られ方をしていたんだって衝撃だった。。。
相変わらず、このシリーズは色々と勉強になるな。 -
お盆休みを利用して、莉子がフランスに。
ただ、一人ではなくて何故か高校時代の担任恩師も一緒。
いや、一人で行かせてあげてくださいと思わず突っ込み。
しかも泊まる場所を勝手に高校の同級生宅(しかも男)に変更されるし、いや、もうありえません。
美術鑑賞旅行のつもりが、その同級生の勤めていたレストラン(同級生はコック見習い)が食中毒を出してピンチに。
その事件に結局首を突っ込むことになります。
果たしてその食中毒は誰が出したのか。
フォアグラに関しては犯人の気持ちもわからないでもないですが、何事も極端に走る輩というのはどこか狂人の域に入ってしまうのでしょうか。
しかし多分この巻は何よりも本物のモナ・リザを見分けた莉子がすごいと言いたいがための巻なのでしょう。 -
犯人も意外だけど、動機には考えさせられるものがある。
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犯人はすごく意外。予想できない展開だった
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一巻から順に読んでいるが
今までで一番面白いと感じた作品。
いつもの謎解きに加え、社会問題にもなっている食の問題、特にフォアグラなどの生産過程における残酷さなどをさらりと取り上げている。
一般読者も食と動物を捕食すること、また最近話題の動物愛護団体などの問題を再考するきっかけになるのでは、と思えた。
あっさりしたテイストが売りのようなので、
こよような時事ネタ、社会問題も盛り込んだ内容だとより深く楽しめるのでは。 -
うーん微妙。フランスに行かせたかっただけじゃないか?パック数のトリックは読んでても気づかなかったから面白くはあった。ラストの卒業証書のあたりが良かった。高校事変14が出るまでは万能鑑定士Qで凌ぐ。
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前作達が面白くハラハラ感があったが、今回はフランスの為に書いてある感があり、いまいちピリッとして無い感じがした。お話も無理矢理が果てしない。
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お盆休みにパリ旅行を計画した凛田莉子を波照間島の両親が突然訪ねてきた。天然キャラで劣等生だった教え子を心配した高校時代の恩師・喜屋武先生が旅に同行するというのだ! さらにフランスで2人を出迎えたのは、かつて莉子がデートした同級生の楚辺だった。一流レストランに勤める彼は2人を招待するが、そこでは不可解な事件が起きていた。莉子は友のためにパリを駆け、真相を追う。書き下ろし「Qシリーズ」第5弾。
(2010年)