万能鑑定士Qの事件簿VI (角川文庫 ま 26-315)

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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043836475

作品紹介・あらすじ

町工場が作った洋服を、世界的に名の知れたショップに流通させられると豪語する女が現れた。雨森華蓮・26歳。海外の警察も目を光らせる彼女のもうひとつの顔、それは"万能贋作者"だった。彼女が手掛ける最新にして最大の贋作、MNC74とは何か。鎌倉の豪邸に招かれた凛田莉子を待っていたのは、不可思議にして目的不明な鑑定依頼の数々だった。莉子にとって最大のライバル現る。書き下ろし「Qシリーズ」第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • 万能鑑定士シリーズの第6弾。万能贋作士・雨森華蓮が相手となるストーリー。MNC74の正体を暴くべく葉山・宇賀神らとともに暴いていくが、いっこうにその偽物は見つからない。様々な手段で騙そうとする雨森華蓮とその謎を解こうとする凜田莉子の闘いがとても面白かった。屋敷で何を鑑定しても本物しか出てこず何が目的なのか、手がかりが何なのかが莉子に気づかせない所が華蓮の強敵ぶりを表わしていると感じた。
    目的も今までとは異なり売りつけるためではなく、自分にとって都合の良い鑑定士を製造するためのものである事が明らかとなったところがとても凄い作戦だと思った。普通に考えると、目利き力のある鑑定家が鑑定した方が商品に信頼が生まれるがそのような事は関係なく鑑定家であるという所が重要だという事がこのトリックの肝であった。
    最後に、今回も莉子は今までの犯人と同じように莉子の説得に心を洗われていくが、今回は今までとは違い彼女は再犯の予兆を残すものとなった。しかし、エピローグの彼女を読むと彼女はただのサイコパスではない別の一面を見せることとなった。次の彼女が見せる一面は白雨森か黒雨森か、読者としてとても楽しみである。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠人:寺島拓篤
    葉山翔太:中村悠一
    荻野甲陽:平田広明
    宇賀神博樹:神谷浩史
    雨森華蓮:日笠陽子
    天笠絢音:村川梨衣
    熊切比乃香:徳井青空
    須磨康平:谷山紀章
    折橋智哉:前野智昭
    八木沢駿介:黒田崇矢
    片貝咲良:富田美憂
    辻中隆:三宅健太
    嶋真央:生天目仁美

  • 万能鑑定士対万能贋作士の美女対決。贋作士が偽物として仕立てあげたかったものは何かがメインテーマ。というか、これが2ヶ月に一回刊行されてたらしいということに頭が下がる。このクオリティと、ありったけの豆知識を織り込んで作品にするところ。昔、名探偵コナン作者の青山剛昌が分業制で作品を作っているといううわさがあったが、同じことを疑ってしまう。

  • ライバル登場。莉子がここまでやられっぱなしになったのは初めてだから新鮮だった。

  • 出だしから面白かった。
    なるほど~、こういう犯罪もあるんだ、といつものことながら感心してしまいました。
    でも、今回の犯人は女性で主人公にも挑戦的。
    今まで主人公が犯人に対してこんなに後手後手だったことはあまりないと思うのですが、今回は、主人公が軽い敗北感を味わっていて、読んでいて切ない気持ちになりました。
    切ない気持ちになるほど、このシリーズや主人公が好きだったんだなぁ、と新たな発見でした。

  • なんかすっきりしないなぁ
    そして莉子のキャラが再びよく分からなくなった…まじで?とか言うタイプなの!? 他にも今回の莉子の口調が分からないとこがあって混乱

    本編は華蓮が追い詰められるまでのテンポは悪くないんだけど
    感情移入しちゃうタイプだからか莉子の先をいく連華にただただイライラさせられた
    そしてそこからのあの早すぎる最後の展開についていけない

    華蓮にはまんまと逃げおおせてみせて欲しかったとこがあるのと
    彼女の本質が莉子の言うように善人だったのはなんか分かるけど、いい人過ぎない?ってのとでなんかすっきりしたようですっきりしない

    でも華蓮は意外と嫌いじゃないから、出来たらまた、今度は味方ないし助っ人として出てきてくれたら嬉しいかなー


    人の本質は善人だとは私も思うし、
    華蓮が莉子と出会い、彼女自身を見てもらえて変われたように、悪い方向にいってしまっても、道を正せる機会は誰にでもあるとも思うけど、
    同時に外的要因によって人はいくらでも変わり得るものであり、どんな出会いもいい方向に影響しないことだってあり得るともまた思ってしまう
    こう思ってしまうあたり、私ってばどうなのとも思うけど苦笑

  • コーラの人はもうこういう役回りしかさせて貰えないのだろうかw いつか一矢報いて欲しい。雨森華蓮が最後捕まってしまったのはちょっと残念。お金だけ押収されて、本人は逃げおおせても良かったのではないかと。今まで言うなれば凜田先生の一強状態だったから、底知れない敵というのはとても良いスパイスだった。是非再登場して、また凜田先生、ついでにコーラの人をぐぬぬと言わせて欲しい。今までのシリーズ十分面白かったけど、本書巻末の人気ランキングベスト5が軒並み未読巻なのは嬉しい。万能鑑定士Qシリーズ、底知れねぇ…。

  • 今までの6作の仲で一番楽しいと思えた作品。
    莉子と万能贋作者の雨森華蓮の対決。前半、押されっぱなしの莉子が後半、華蓮を追い込んでいく立場を変えた展開がすごい。
    小笠原と莉子の展開のない展開も見慣れた光景になってきたこの頃。最後の華蓮の行動は救われたな。もし今後、登場する機会があったら味方としてであってもらいたいです。

  • 謎が解ける瞬間の爽快感はいつも通り。万能贋作者との対決は双方譲らない知識の応酬で常にわくわくが続いた。最後はあっさりだった印象だけども、万能贋作者の人柄は強く印象に残った。

  • 万能鑑定士VS万能贋作者。
    駆け引きもなかなか面白いが、最後のエレベーターのからくりが一番面白かった。連打して、行き先階を取り消し出来るのは東芝製だけなのね。
    いろんなエレベーターで試してた私はやっぱり無知?

  • 謎解きは相変わらず、やられた〜と唸ってしまう。それでも、ページを捲るスピードが鈍くなる感じの物足りなさ。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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